井上道義&O.アンサンブル金沢:ハイドン 交響曲No.102ほか 
2015/03/19 Thu. 21:53 [edit]
日本の地方を本拠とするオケではピカイチの O.アンサンブル金沢、以前、ルベン・シメオのtrp協奏曲のアルバムで魅力的なバックを演奏していただけに、思わずポチってしまったこの1枚、指揮は音楽監督の井上道義氏、曲はハイドンの交響曲No.102とモーツァルト交響曲「リンツ」、ズバリお気に入りのカップリング。2009年、本拠地でのライヴ録音シリーズの1枚です。なんだか予感どおりに希望に応えてくれた感じです。アンサンブル金沢はぴったりと言える室内編成、サウンドは現代らしいピリオドというか古典派モードと言える音作り、巨匠の年代となった井上氏は溌剌として若々しい演奏でこれら2曲の魅力を存分に聴かせる。手持ちの中からライバル盤をあげるなら、I.ボルトンあたりか。

井上道義:指揮
オーケストラ・アンサンブル金沢
2009/9/6 2009/9/18
石川県立音楽堂(ライヴ)
ハイドン交響曲No.102
第一楽章、序奏はじっくりと神聖な響きをだし、さらりと音を切る、無用な粘りっ気はつけない、主部はごく適切な快速、開始からフォルテであるが、各パートのバランス良く、耳にしつこい響きなく、心地よい量感のダイナミズムが入る、ホールトーンが程良く入って響きも溶け合う。数多く聴いた102番として上々の始まり、特異な表現はなく、正攻法で進む、展開部の彫の深さもすばらしいが、再現部、244小節のsfあたりから、最後までさらに壮大に書かれているのがたまらなくいい、当然そこはツボを得た演奏だ。
第二楽章、弦楽の清涼な響きで始めるのはもちろん、vcソロのコクのある響きが良い、緩抒楽章でのtimpもやんわりと扱ったりせず、ビシっとダイナミズムを入れ、白熱させる、この感覚も古さがない。
メヌエット、極端に快速にはしないが、軽やかで引き締まった感覚、ただし、同音が3つの拍を武骨に刻むところが多い、timpの加わるところはまさに武骨、パワフルに聴かせる。
終楽章、プレスト、この楽章はまさに急速を求めているような曲、ここでの演奏時間は4:31、十分な急速感と同時に、重量感のある響きを機敏に操る痛快さで見事に聴かせる。
モーツァルト交響曲No.36「リンツ」
この曲はハイドンの影響を受けたとされるシンフォニックな音の対比が魅力、緩抒楽章でもtimpが使われるのも特徴。
第一楽章、序奏はどっしり重みを付けた開始がまさにツボ、じわりと序奏を終え、主部は意外に速め、動機の全音符が長ったらしく聴こえない、アンサンブルはびしっと決まっているので、今までにないキビキビした魅力の第一楽章となる、timpは古楽器タイプのようで、程よく粗野で鋭い打音が一層引き締めた感覚にする。この演奏は他を凌駕する特筆ものだ。
第二楽章は清涼感で満たすが、tp、timpが鳴るところはびしっと強奏を響かせる。
メヌエット、弱起で1拍目のtimp心地よく大らかさと切れ味を併せ持つ魅力なメヌエット、それを申し分なく聴かせてくれる。
終楽章、プレスト、やはり快速に生気に満ちた演奏、vl群のトレモロを力感たっぷりに弾くところや強奏、弱奏の大きな対比がエネルギー感をぐっと高める。白熱した終結。この「リンツ」は手持ち盤の中では最高かもしれない。
井上道義:指揮
オーケストラ・アンサンブル金沢
2009/9/6 2009/9/18
石川県立音楽堂(ライヴ)
ハイドン交響曲No.102
第一楽章、序奏はじっくりと神聖な響きをだし、さらりと音を切る、無用な粘りっ気はつけない、主部はごく適切な快速、開始からフォルテであるが、各パートのバランス良く、耳にしつこい響きなく、心地よい量感のダイナミズムが入る、ホールトーンが程良く入って響きも溶け合う。数多く聴いた102番として上々の始まり、特異な表現はなく、正攻法で進む、展開部の彫の深さもすばらしいが、再現部、244小節のsfあたりから、最後までさらに壮大に書かれているのがたまらなくいい、当然そこはツボを得た演奏だ。
第二楽章、弦楽の清涼な響きで始めるのはもちろん、vcソロのコクのある響きが良い、緩抒楽章でのtimpもやんわりと扱ったりせず、ビシっとダイナミズムを入れ、白熱させる、この感覚も古さがない。
メヌエット、極端に快速にはしないが、軽やかで引き締まった感覚、ただし、同音が3つの拍を武骨に刻むところが多い、timpの加わるところはまさに武骨、パワフルに聴かせる。
終楽章、プレスト、この楽章はまさに急速を求めているような曲、ここでの演奏時間は4:31、十分な急速感と同時に、重量感のある響きを機敏に操る痛快さで見事に聴かせる。
モーツァルト交響曲No.36「リンツ」
この曲はハイドンの影響を受けたとされるシンフォニックな音の対比が魅力、緩抒楽章でもtimpが使われるのも特徴。
第一楽章、序奏はどっしり重みを付けた開始がまさにツボ、じわりと序奏を終え、主部は意外に速め、動機の全音符が長ったらしく聴こえない、アンサンブルはびしっと決まっているので、今までにないキビキビした魅力の第一楽章となる、timpは古楽器タイプのようで、程よく粗野で鋭い打音が一層引き締めた感覚にする。この演奏は他を凌駕する特筆ものだ。
第二楽章は清涼感で満たすが、tp、timpが鳴るところはびしっと強奏を響かせる。
メヌエット、弱起で1拍目のtimp心地よく大らかさと切れ味を併せ持つ魅力なメヌエット、それを申し分なく聴かせてくれる。
終楽章、プレスト、やはり快速に生気に満ちた演奏、vl群のトレモロを力感たっぷりに弾くところや強奏、弱奏の大きな対比がエネルギー感をぐっと高める。白熱した終結。この「リンツ」は手持ち盤の中では最高かもしれない。
category: F.J.ハイドン
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