国家の罪 一億総洗脳化の真実2011年12月1日、ジャーナリストの上杉隆氏が「オンザウェイジャーナル」に出演。著書「国家の罪 一億総洗脳化の真実」を読み返して、3.11以降の東電・政府の隠蔽を総括しています。

<音源>
http://youtu.be/tEFCP8uPhtA

※初稿です。誤字脱字は随時修正していきます。

=====(文字おこし、ここから)

上杉隆「おはようございます。ジャーナリストの上杉隆です。今回のオンザウェイジャーナル上杉隆、ニュースの味方では、今年2011年をざっと振り返って様々な大きな事件、事故がありましたが、そのことについて検証あるいは総括していきたいと思います。

実は今日、今日といっても前日12月7……11月の最後の日ですが、えー中国から私帰ってきたんばかりなんですね。えー中華人民共和国、中国。毎年行われているゴルフのオメガミッションフィールズ・ワールドカップ。世界中から集まる各国国別の対抗戦なのですが、もちろん日本も代表選2名出してます。もう56回目を数えるんですが。この取材から帰ってきたばかりです。

毎年行ってるということもあって、このですね、中国の様子っていうのが年々変わっていくというのを肌で実感するわけですね。え、スポンサーがオメガということもあって比較的そこにやってくる中国のギャラリーも、えー、まあやや高級層、富裕層ということもあったんですが。ただやはりその富裕層がひとことで言うと年々広がりを見せてると。えー言うことが実感します。言葉を変えればですね、それだけ中国が底のほうから発展してると、いうことの表れではないかと思うんですが。

例えば1つ例をとってもですね、まず、前回と今回の大きな違い、そこにおいてもですね、まず携帯電話、の使用率ではなくて、携帯電話のマナーが良くなったと。非常に小さい見方ですがゴルフという先進国中心のスポーツの中ではこの携帯電話のマナーというのは、実は世界大会などでも大問題になっていましたが。中国人の方がですね、意外とそのマナーが、あまりよくなかったんですね。

今年はですね、そのオメガの社長のウルクハートさんにもインタビューしたんですが、彼も同感で、本当に圧倒的にマナーが向上したと。そしてギャラリーの質の向上、これはですね、着てる服もそうなんですが、えーまあとかくルールを守らないという中国の方がですね、きちんとルールを守って、えーむしろ、普通の他の国の大会よりもきちんとした統率が取れてると、いうことが印象的でした。

まあ当然ながらハードの面でも多くの発展がされてますが。何しろ世界一、世界最大のゴルフ場がこの中国に2つあります。そしてそこに併設されたホテル、スパなどもですね、日本の5つ星と言われている用などのホテルよりも、正直なところ非常に使い勝手がいい、居住性がいいということは驚きました。

えーまだまだソフト面、ついて行ってないところもありますが、ハード面は少なくとも圧倒的に世界トップクラスに並んだと、いうことが言えるんではないかと。これが今年行った中国の、最大の驚きではあったわけですが。

その中国、実はですね、今年になりますが、列車事故がありました。そしてその1両目を即日事故隠蔽のために埋めてしまうということがあったんですが。これがですね翌日にはあっというまに埋めかえされて(※掘り返されたの間違いだろう)、そして、えー検証が始まった、事故検証が始まったと、いう事件が事故があったと皆様ご記憶されてると思いますが。

この中国の新幹線、なぜ埋めかえされたかというと(※掘り返されたの間違いだろう)、そこには中国のメディアの発達、とかくジャーナリズムの発達があったわけですね。

ジャーナリストたち、独立系のツイッターなど、まあ中国独特のツイッターで、利用者が1億人を超えてると言われています。それ3つあるんで、重なってる人もいるとおもうんですが。少なくとも3億人くらいの方がネットで情報収集をしていると、いうことなんですが。まあ日本で考えれば日本の人口の2倍ぐらい、の人がツイッターをやっていると。そういうツイッターのほうから、政府のやはりコントロールが効かなくなってるんですね。

様々な形で政府への批判、情報隠蔽について、なぜ新幹線を隠すんだと、いうことでその圧力に負けて掘り返さざるを得なかったと、いうことなんです。中国の方ではツイッターなど使えないとなってますが、実際に行ってみて、北京も、私の行った海南島、開港のほうもほとんどツイッター、フェイスブックなどは接続できました。さらにそういうような中国独特のツイッターなどが一挙に政府、あるいはそういう権力構造に対しての批判ということが行われて、ジャーナリストたちが動いて、あの中国ですら今や2011年にはですね、情報隠蔽が1日しか持たないという状況になっているということです。

翻って日本、今年3月11日に起こった原発の事故、大震災に伴う原発の事故、えー非常にうんざりするような情報隠蔽が繰り返し行われてきました。

最近本を出したんですが、『国家の恥 一億総洗脳化の真実』という、ビジネス者からの本を出しました。内容は、ダイヤモンド・オンラインの私のコラムをざっとまとめたんですが。ここを改めて私自身も読み返してみたんですね。

『原発・メディアの震災』という第一章。3.11以降のダイアモンド・オンラインのコラムがそのまま載ってます。自分で読み返して改めて実感したのが、日本の社会構造、政府、東電、官僚組織、そしてなんと行ってもメディアの情報隠蔽、この余りにものひどさと、いうことを実感しました。中国の方は情報隠蔽1日ももたないと、1日しか持たない時代になっておりますが、2011年の日本は、こと、この震災、原発震災に関しては、半年以上たってようやく情報が出てくるという中国以下の状況がずっと続いておりました。その証拠というのが実は結果として私のこの書いた本に載っていました。

例えばですね、2011年3月17日に出ているもの、つまり3月16日に書かれてる記事。計画停電、これをですね、だまされるなということを書いております。これ第一章最初の冒頭ですが。えーなぜこう書いたかというと、それもまあ詳しくは本に書いてあるんですが。なぜかというと、この計画停電というのはプロパガンダだと。政府と東電の。それをですね、当時情報源、ここにはまだ出せなかったということもあって細かくは書いてありませんが。えー政府の中枢の情報源、そして東電の情報源から聞いて、これは完全に嘘だと。日本は原子力発電が不可欠だと、いうことで必ずこの国民やあるいは利用者に対して脅しのつもりで計画停電というのをやるぞと。でも本当は電気は足りてんだよ、というタレコミがあったわけですね。それを書いております。

またその1週間後には、枝野官房長官に質したことについて書いております。これは避難地域をなんで広げないんだと。1回広げてそして縮めていくんだったらまだ分かるけど、どんどんどんどん、当時はですね、2キロ3キロ10キロ20キロ30キロと増やしたんですね。これだと住民が不安だろうと、いうことを枝野長官に会見の席上ぶつけたわけです。ここに関しては、さらにですね、海外の多くの政府が80キロ圏外へ出していたと、いう情報もあり情報というかまあ正確な情報なんですが。各国の政府の方に聞いたものに関してさらにぶつけてですね。枝野さんに対して同じように聞いております。

ここの部分の質問に関してはこの本にも書きましたが、どういう事かというと、当時枝野さんにはこういうふうに聞いております。これは政府のホームページに載ってますのでそのままそれを貼りつけたわけですが。私が枝野さんに聞いたのは3月18日の官房長官会見。

上杉、これ私ですね、この1週間官邸に情報が上がっていないんじゃないかという、あるいは誤情報を掴まされてるんじゃないかという危惧があります。海外メディア、特に海外政府もいろいろな形で情報判断を行い、アメリカ初めイギリス、フランス、多くの国が福島第一原発の80キロ圏外への避難を指示しております。ところが日本政府は大きくとって30キロ圏外です。この50キロの間に住んでいる福島の人は不安ではないか。どう捉えればいいのでしょうか。当然ながら地域の住民の方はその情報に接して非常に不安に感じています。海外の政府が正しければ日本政府が対応を変更する、もしくは日本政府が正しいというのならば海外の政府に対してデマを流すなと抗議するなどしてどちらかにしていただきたい、というふうに枝野さんに聞いたわけです。

政府のホームページなんで少し丸めてますが、実際は、枝野さん、オバマ大統領に抗議してくださいと、こういうふうに言ってます。

というのもその日の朝にオバマ大統領が避難勧告を出したんですね。当時の避難勧告、今ようやく明らかになりましたが。今頃になって日本のメディア書きましたが。

どういうことかというと、アメリカ人、全ての日本に住むアメリカ人は、東京、横浜以西、まあ以南という書き方もしてますが、よりの方に逃げろと。それに関してはアメリカの大使館も手伝う。さらに子どもとそして若い女性、女性ですね、全ての女性に関してはチャーター機をむけるので韓国ソウル台湾などに緊急に出国しなさいと。それから軍人に関しては、軍人です。80キロ県外にとりあえず逃げろと。これがアメリカ政府が少なくとも3月18日に発令した勧告です。

アメリカだけじゃありません。イギリス、フランス、世界中のこの日に調べた私のデーターでは23カ国、のちに60数カ国に増えますが、全て80キロ県外に逃げたと。なぜならばそういうふうに国際基準で原子力事故の時は決まってるからですね。こういうことも書いてます。

それからプルトニウム。今週に入ってからプルトニウムが発見されたと。いうふうになっていますが。この本には私のこの発言は3月ですね。これも同じように東京電力の会見でプルトニウムに関して質問しているところを書いております。

3月26日の会見のことを書いてますが。プルトニウムが出てるんじゃないかと。いうことを言っています。特にですねプルトニウム238が1キログラムあたりおよそ0.54ベクレル出てると言う情報を得たということでそれをぶつけてるんですが。それも完全に無視されたどころかこのようなこと、つまりプルトニウムが出てるんじゃないかという危惧、さらには避難地域が小さすぎるんじゃないかという意見、そしてなんといっても計画停電は詐欺ではないか、こういうことを言ったこと。

それから4月4日になりますが、海洋にリークすると海洋汚染テロ国家になるぞと。海洋投棄に向けられる世界の視線は厳しいんだと、いうことをここに書きながら同時に会見で質問してるんですが。こういうことを言ったこと。

さらにはそのつぎの章。レベル7ではなくて、あ、ごめんなさい、レベル3ではなくてレベル7ではないかと、いうことを言ったこと。

当時どういうことだったかというと、こういうことを言った私は、デマ扱いをされていました。非常に懐かしい思い出ですが、まあ結果はともかく、言う必要はないと思いますが、自分がほら当たっていたんだろうと言うつもりはさらさらありません。せめて、この当時のこと私のみならずフリーランスの記者そして1月に出来上がった、今年1月に出来上がった、自由報道協会の面々が繰り返し東京電力で聞いた、あるいは色んなマクロメディアを使って発信したこと、そのことを当時1秒でも1文字でも新聞やテレビが書いてくれれば、少しは違った結果になったんではないかと。

政府には期待しておりませんし、官僚にも期待してなかったのですが、やはり同業者であるメディアがそのことを1文字でも扱えば違った結果になったんではないか。なぜならばこの8ヶ月9ヶ月過ぎた今、全く同じことを今はじめてわかったようにテレビや新聞は報じてるわけです。

その間なにがおこったか。この2011年を伝え終わって外部や内部などの被曝を、多くの子供達、福島の若い女性、そして一般の人々がしてしまったわけですね。作業員も何人もなくなり、東京電力に関しては未だ操作も入らないところもあるんですが。多くの犠牲者を生んだ。さらには農家で自殺者も出て、大変この放射能と言う問題がこの2011年だけではなく今後日本全体を苦しめる最初の年になった。ということがあるにも関わらず最初の情報をメディアが出さなかったと。言うことが残念でならないと。それを言ってるわけですね。けっして、ほら、自分のニュースがあってたんじゃないかと。こんなことを言うつもりはありません。むしろ今からでも遅くないんで、出してくれたメディアに関しては、感謝をしてるわけですが。本来ならばそういうメディアの人達がやるべき事をやらなかったと、いう意味では残念極まりないと言うとこなんですが。

まあ残念と言っていても話は進みません。何しろ多くの被害者、中には東電の職員のように、子会社の職員のように犠牲者も出ています。これが今後数十年間続く日本の現状だということを考えた場合、とにかく検証ということと事実を直視する、現実を直視するということの必要性から、とにかく繰り返し繰り返し同じことを言い続けてきたというのが、私自身の2011年だったと思います。

ただ正直に言ってそうとう疲れたというのもあります。やはり人間同じことを繰り返し言うのもなんとなく無力感にとらわれるというのはあります。もちろん聞いてくださっている方、そしてリスナーの方々の中には、ほとんど多くはこの状況がわかってる方、分かってくださってる方が多数いるとおもうんですが。そうといってもまだまだ日本の場合はアンフェアな記者クラブ制度というのがあって。こうした行為というのが大きく広く伝わるといういことは難しい状況になっています。

プルトニウムにしろ計画停電にしろ、そしてですね、先程の避難地域にしろ、海洋リークにしろ、レベル7にしろ、ようやく伝わった、ようやく日本に広がったからいいではないかと、いうことでたしかにそれはそうなのですが。ただ伝わり方の問題があって。必ずそこにくっついて出てくるのが安全です、安心ですといまだにそういう根拠のない情報が出てくるんですね。

何しろ放射能ということに関して完全に安全ですと言ってるような政府というのは、過去に1つしかありませんでした。それは今はなきソビエト社会主義(連邦)共和国。ソビエトというソ連邦が、の政府が唯一言っていただけです。ロシア共和国はそういうことは言いません。そういう意味ではまた新たに放射能は安全だということをですね、強弁する国家が出てきてしまったと。しかもそれは私たち日本人の住む日本という国だと、いうことで非常に悲しい思いをしたまま年末を迎えることになったと、いうことです。

しかしまあそうは言っても希望は捨ててないと。例えばですね今年1月に立ち上がった自由報道協会11月にはですね、成立総会を開いて正式発足しました。そこにはどんな不利な状況になろうと、いかなる自分が不利益を被ろうが正しいことを伝えようとするジャーナリストたちがたくさん集まっています。そういうような情報チャンネルを日本人は得ることができるようになったということだけでまだ未来への可能性が残っているんではないかと。そういうふうに思って今年1年を改めて振り返っていると、いうことです。

来週も引き続き今年1年を振り返りたいと思いますが。今申し上げた『国家の恥 1億総洗脳化の真実』これビジネス社から出ているわたくしの最新刊ですが、これを3名の視聴者のかたリスナーの方にプレゼントしたいと思います。詳しくはまたその件に関してはお伝えしたいと思います。次回も宜しくお願いします。上杉隆でした。

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国家の恥 一億総洗脳化の真実
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