ラトビアの競技用車両メーカー、Drive eO が1387馬力(ps)の出力を持つヒルクライムマシン、PP03 を発表しました。Drive eO はこのマシンを駆り、米国で開催されるパイクスピーク・ヒルクライムに参戦します。
モータースポーツにおけるヒルクライム競技といえば、最も有名なのがパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。米国ではインディ500マイルレースに次ぐ歴史をもつ自動車競技です。舞台はコロラドスプリングスの西、ロッキー山脈に位置するパイクスピーク。標高2862m地点にあるスタートから山頂まで標高差1439m、距離にして約20km のコースを一気に駆け登るタイムトライアル競技です。ちなみに山頂の標高は富士山よりも高い4301m。

Drive eO は2013年から EV クラスに参戦しているラトビアのチーム。2014年にはテスラ・ロードスターをベースとした EV を持ち込んだものの、パイクスで6年連続総合優勝の実績を持つ"モンスター"こと田嶋伸博選手の E-RUNNER や三菱自動車チームの MiEV Evolution III には遠くおよばず、EVクラス5位という結果に終わりました。
 
 
しかし、Drive eO は今年、ヒルクライム専用マシン PP03 を新開発。搭載モーターの総合出力を従来の約 400kW(544ps) から1030kW(1387ps)へと大幅に引き上げ、一気に総合優勝を狙う構えです。

PP03 は6基の YASA-400 モーターを搭載し4輪を駆動します。最大トルクは2160Nm(220kgfm)、最高速度は260km/h。50kWh のバッテリーを含む車重は1200kgに抑えられています。

長年パイクスを制してきたのはガソリンエンジン搭載マシンでしたが、近年は EV 車両のタイムがそれに肉薄しています。昨年総合2位に食い込んだ三菱 MiEV Evolution III のタイムは、総合優勝車から遅れることわずか2.5秒でした。なお、MiEV Evolution III の最高出力は450kW(612ps)。1030kW もの出力をもつ PP03 なら、今年のパイクスにおいて EV による初の総合優勝も期待できそうです。

ちなみに3月30日現在、今年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのコンペティターリストに Drive eO や田嶋伸博選手の名はあるものの、昨年総合2位だった三菱自動車チームはまだ掲載されていません。三菱チームは例年5月前後に参戦を発表しています。

下は2014年パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにおける三菱チームおよび田嶋伸博選手のオンボード映像。
 
出力1387psのヒルクライム用EV、ラトビアのDrive eOが発表。パイクスピーク総合優勝を狙う

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