創業以来赤字なし、休みの多さは日本一、売上高約250億円。
建築用資材メーカー、未来工業株式会社(以下、未来工業)を知っているだろうか?
創業者の、故山田昭男氏の企業理念が心に響くので紹介したい。彼は、廊下や人の使っていない場所は徹底して照明を消させるなど、日本一の倹約経営者としても有名だ。
未来工業は、製品数は約2万点で、中には国内シェアの80%を占めるスイッチボックス(壁面に埋め込んで使用するボックス。配線と器具の接合などを行う)といった、商品もある。
未来工業はなぜここまで成功することができたのだろうか。今回は、未来工業と生前の山田氏が持っていたユニークな企業理念を、名言とともにご紹介する。
01.
年間140日
日本一休みの多い会社
【日本一のホワイト企業、未来工業伝説】 8時30分出社~16時45分退社 残業禁止 年間休暇140日+有給休暇 正月休み20日 お盆休み10日 平均年収600万 定年70歳(65歳時の給料キープ) 育児休暇3年(何度でも取得可能) 全員正社員 5年に1度費用会社全負担で海外旅行へ
— アンチェコ (@botti184) 2013, 7月 2
未来工業は「日本一休みの多い上場企業」と言われている。年間の休みは140日。その他に、有給休暇が最大40日あるというから驚きだ。労働時間を短くすることで集中して楽しく仕事ができるという考えに基づいているからなのだとか。
また、社員旅行でクイズ50問に正解したら半年間の有給休暇ももらえるとか。
02.
会社は社員を
幸せにする場という理念
まず社員を感動させ、次にお客様に感動していただく。そして儲かっていない会社の反対をやる。そうした姿勢が、未来を切り拓くのだと思う。
これは実際の山田氏の言葉だ。
一般的なサラリーマンは、通勤なども含めると1日の約半分を会社に捧げていることになる。つまり、会社は人生で一番長くいる場所かもしれないわけだ。だからこそ、山田氏は、社員を幸せにする場であるべきだと考えていた。
03.
社員のやる気を出させる
“500円報酬”
未来工業では、全員正社員、70歳定年というのがざっくりとしたルール。また、給料は60歳を頂点に下がることはない。 さらに、育児休暇は3年で、何度でも取得することができる。
それだけでも社員はやる気になりそうなものだが、山田氏の工夫はままだほかにも。例えば、業務を改善するためのアイデアを出した人には500円、大きな成果を挙げるようなアイデアなら30,000円を報酬として支払うなどなど。遊び心も垣間見える。
04.
成果主義じゃない
年功序列制
じつは未来工業の賃金制度は年功序列。基本給やボーナスは、年齢と社歴で決めるため、仕事で成果を上げても変わらない。少し意外な気もするが、ポイントは同業他社と比べても、高い給与を支払っていることだ。
そのため社員はそれに報いようと働き、給料が変わらなくてもモチベーションが下がることはない。
05.
従業員は全員、
正社員
人間をコストとして扱いたくないという考えから、パート社員はとらず、全員正社員として雇用している。 みんなで頑張ってきたからこそ今の業績があると考えている。
06. 同じものは作らない!
「常に考える」社風
戦後、日本の教育は、子供たちを「バカにする教育」をやってきたとしか思えないんだよ。「考えるな」「皆と同じことをやりなさい」という教育だね。だから僕は、制服や給食も反対。全部同じで横並びでは、何とか工夫しようという発想が起きないでしょ。by山田昭男 — sayachi (@sayamaruQ) 2015, 4月 6
社風の「常に考える」は製品開発にも表れている。よそと同じものは作らないという考えから、積極的に現場の職人の意見を取り入れている。他社の製品より、取り付け穴の数を増やして使いやすくしたスイッチボックスは、国内シェアのおよそ80%を占めるほど。
07.
タイムカードなし
制服なし
ほうれんそうなし
トイレに行っても手を洗うな|年間休日日数140日、70歳定年、残業禁止、ホウレンソウ禁止、ノルマ禁止、携帯電話禁止の非常識経営法|社員を幸せにしながら勝ち抜くその秘訣とは…|未来工業株式会社 取締役相談役 山田昭男 http://t.co/WTMB4GO1BW|ビジョネット
— 「人を幸せにする」会社 (@Happy_Company_C) 2015, 3月 26
未来工業には、タイムカードも制服もないし、社会人の基本と言われる「報告・連絡・相談」もしなくていいという。仕事についてはその担当者が一番よくわかっていると信じておりその信頼が、社員のモチベーションにつながるのだ。
08.
無駄を省く!
徹底した節約
残業をすると、その分の残業代は25%割増にしなければならなくなる。おまけに残業は夜にするものだから、電気代もかかる。企業はコストダウンを徹底しなければいけないのに、残業なんかしてしまったら、かえってコストが高くなる。by 故山田昭男
社員は300人もいるのにコピー機はたった1台、しかも10年以上使っているとか。
09.
5年ごとに 全社員で
海外旅行にいく
5年ごとに社員全員で世界遺産をまわりながら、海外へいくという。約2億円の旅費は、全額会社が負担する。東日本大震災があった年は同社の工場も被災したこともあり、旅行を取りやめて、旅行の予算全額を寄付したとか。
10.
経営者は社員のために
尽くすべき
「トップに立つ者は、あれこれ口を出さないほうがいい」by未来工業創業者 山田昭男。ソフトテニスでも同じことがいえます。練習試合ならまだしも、本番の試合の際にコーチや監督が長々とアドバイスをしても選手の切り替える時間がなく、余裕が生まれないと感じます。#softtennis#中学 — ソフトテニス大会局:M.Watanabe (@masayuki_DiLact) 2015, 2月 22
故山田昭男は基本的に仕事を社員に任せきりにしている。思いつくことは自由にやり、挑戦して失敗することは悪くないと考えている。仕事を任せ、全員に持ち場で腕を上げさせる。彼は経営者の役割を以下のように考えている。
規定時間内で成果を出すには、従業員の仕事上の不満や不安をギリギリまで減らすことに尽きると思う。by 故山田昭男
人間を信じ、大切にしてきた山田昭男氏。成果主義や競争社会が一般的になりつつある今、こうした昔ながらの年功序列の日本の企業の在り方も、改めて評価されるかもしれない。
変わりゆく社会を生き残っていくために、「常に考え」ていかなければならないことを、「未来工業」の哲学は教えてくれている。
Reference:Naver まとめ , Naver まとめ , gifu42 , 山田昭男名言 , JCAST