先発で力投する日本ハム・大谷=京セラドームで(山口登撮影)
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◇日本ハム4−2オリックス
日本ハムが4連勝。1−2の7回2死一、三塁からハーミッダ、レアードの連続適時打で3点を奪い逆転した。大谷は立ち上がりに苦しんだが、7イニング2失点、11奪三振で開幕2連勝。オリックスは救援陣が踏ん張れず、今季2度目の3連敗。
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大人の投球で開幕2連勝を飾った。「何とか粘っていけば、チャンスがあると思った。本当に(打線へ)感謝しかないです」。日本ハム・大谷はそう語ったが、逆転劇を呼び込んだのは右腕の修正能力だ。
制球が定まらない立ち上がり。32球中28球を直球で押したが、1死満塁からT−岡田の中前打などで2点を献上。2回も走者を背負い苦しんだが、その姿が3回以降は一変する。
「自分で苦しんでいる感じがした」と、2回終了後に捕手・近藤と話し、変化球主体の投球に切り替える。カーブを増やすことで、体を縦回転で使うフォームに修正。三振の山を築いた。
試合前、栗山監督は「状態の悪いときにどうするかができれば安定する。そうなってほしい」と投手・大谷の成長へ期待を懸けた。その思いに応えるような、7イニング2失点、11奪三振の好投だった。
指揮官の「攻めようとしてしていたのは認めるよ。後はダメ」という厳しい評価は期待の裏返し。それは大谷も分かっている。「あれ(初回)が無ければ8、9回もいけた。手を打つのが遅かった」と反省も忘れない。
右ふくらはぎをつって降板した開幕戦。必死のケアでこの試合に臨み、チームを単独首位に導いた。ただ成長の糧となる勝利になったことは、それ以上の価値がある。 (中田康博)
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