6回の生還時、原監督(左)から迎えられる阿部=東京ドームで(堀内翔撮影)
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◇巨人9−5阪神
巨人が連敗を4で止めた。3回に片岡の1号3ランで先制。同点に追い付かれた直後の6回は阿部の適時打や二つの押し出し四球など打者11人の攻撃で一挙6点を奪った。ポレダが6イニング3失点で来日初勝利。阪神は投手陣が踏ん張れなかった。
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巨人の4番の執念がバットに乗り移った。同点とされた直後の6回1死一、三塁で阿部。2−2からの緩い変化球にうまく体を残し、右手1本で払うようにバットを振ると、鋭いライナーが右前にはずんだ。「待ってないボールだったけど、うまく打てた」と殊勲の決勝打を自画自賛した。
チームにとって4試合ぶりの適時安打だった。「ああやってつないで点が入ることもある。長打だけじゃなく4番の大事な仕事」と胸を張った主砲に引っ張られるように、打者一巡の猛攻で6得点。名古屋で始まった連敗を4で止めた。
「4番にタイムリーが出るとチームメートに勇気を出させる」と称賛した原監督も執念を見せていた。打線を組み替え、つながりを生み出す。3回は8番に降格した村田が左前打でチャンスをつくり、今季初めて2番に置いた片岡が先制3ラン。開幕からベンチを温めることが多かった男の意地を引き出した。
さらに凡退の内容が悪かったセペダに2打席でスパッと見切りをつける。代わった金城が6回、阿部の適時打の直後に、初球攻撃の中前打で岩田をKO。動いて好結果を呼び込み、「始まったばかりとはいえ、1つ勝つというのは簡単ではない」と安堵(あんど)した。
連敗を止めた勝利は、戦前からの阪神戦通算1000勝という記念すべき白星。思い出の1勝を問われた指揮官は答えた。「本当にたくさんあるけど、きょうの1勝かな。1000から、また1にスタートする」。過去は振り返らず、あくまでも未来を見据える。5日の試合で1001勝目を全力で勝ち取りにいく。 (小林孝一郎)
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