オリックス−日本ハム 5回表2死満塁、中田は左越えに満塁本塁打を放つ=京セラドーム大阪で(山口登撮影)
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◇日本ハム7−2オリックス
日本ハムが逆転勝ちで5連勝。5回に1点を勝ち越し、2死満塁から中田の左越え本塁打で突き放した。6人の継投で、5イニング2失点と踏ん張った先発の武田勝は今季初勝利。オリックスは先発の山崎福が6失点で4連敗。
悔しさのち歓喜。千両役者は、やはり魅せてくれる。場面は5回だ。1点を勝ち越し、なお2死満塁。ここで日本ハムの4番・中田が、山崎福の真ん中に入る直球をフルスイング。打球が高く舞い上がると、中田はバットをたたきつけて一塁へ向かった。
「まさか入るとは思わなかった。打った瞬間、レフトフライだと思った。チャンスだったので悔しかった。風に乗ったね」。ドーム球場なのに「風」と言うほど、本人の予想をはるかに超えて伸び、左翼席へ吸い込まれた。三塁塁審が手を回すのを見て、中田は少し驚いた表情を浮かべてダイヤモンドを一周した。
14年7月25日の楽天戦以来、自身2本目のグランドスラムで、試合の流れを一気に引き寄せた。まさに4番の仕事だ。
「投手を楽にしてあげたかったので、すごくうれしかった。調子のいい打者が多いので、僕ものびのびと打たせてもらえている」
ぎりぎりでも風でも、ここぞの場面での一発。栗山監督も「普通です。ああいうところで打ってくれるのが中田翔」と独特な言い回しで信頼感を示した。
5連勝で単独首位をキープ。「(チームは)すごくいい状態ですね」と中田。雨風に負けず力強く咲き誇る大阪の桜のように、鮮やかな3戦連続の逆転勝ちだった。(中田康博)
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