巨人−阪神 プロ初完封で2勝目を挙げ、ガッツポーズする巨人・高木勇=東京ドームで(千葉一成撮影)
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◇巨人3−0阪神
巨人は新人の高木勇が丁寧にコーナーを突く投球で2安打完封勝利を飾り、2勝目を挙げた。打線は2回に亀井の犠飛などで2点を奪い、7回には亀井の3号ソロで加点した。阪神は打線が振るわず、藤浪を援護できなかった。
宿敵に付け入るすきを与えなかった。巨人の先発・高木勇がプロ2戦目の登板で大きな仕事を成し遂げた。8回まで二塁すら踏ませない好投をみせると、9回の2死一、二塁のピンチでも西岡をカットボールで遊ゴロに仕留めて試合終了。阪神打線に2安打しか許さない堂々のプロ初完封勝利だ。
「まだ実感がないというか…。本当によかったと思います」。巨人の新人としては2011年の沢村以来の完封勝利の味をかみしめた高木勇。プロ初勝利を挙げた1週間前のような涙はない。「一球一球を大事に投げました」。人懐っこい笑顔が浮かんでいた。
両親が巨人ファンだったという右腕。少年のころは「絶対に見ろ」と、伝統の一戦のテレビ観戦は義務だった。その試合に自分が登板することになった。しかし、気負わない。「自分らしい投球をしよう」と心に念じながらアウトを積み重ねていった。
初コンビの阿部は、カットボールを少なめにし、カーブを有効に使ってリードした。「僕は僕」と公言する右腕は先輩捕手にもマイペースを貫いた。球速が130キロ台に落ちたのを心配して「大丈夫か?」と声をかけた阿部に「あれっ!?」のひと言だけ…。これには百戦錬磨の背番号10も「オレに言うんだから。言うことなし!! すごさはあの天然ぶりかな」と苦笑いしたほどだ。
もちろん、原監督も大満足。試合後会見では、「見事ですね。自分をまったく疑わず自分の投球ができたのは見事」と褒めちぎった。ルーキーながら押しも押されもせぬ先発ローテの一員。当然、高木勇の眼は先を見据えている。「しっかりと次に向かって頑張ります」。言葉は最後まで頼もしかった。 (川越亮太)
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