温暖な気候と豊かな土壌に恵まれた佐賀県で、全国でも上位の生産量を誇るいちご。その96%を占める品種「さがほのか」は、食味のよい「とよのか」と果実が大きい「大錦」を親にもつ、佐賀県が独自に開発したいちごです。糖度が高く、酸味が少ないすっきりとした甘さは、美味しいと大好評。その中でも、3つの厳しい基準をクリアした最高級のいちごが「さがいちご プルミエ」です。その割合は、佐賀いちご年間生産量のおよそ0.02%以下。その時の気候条件により、めったに出荷されない理由には、この厳しい基準があります。
プルミエに選ばれるのは佐賀県産の「さがほのか」。
佐賀県農業試験センターの研究により平成10年に誕生したいちごで、きれいに整った形と、光沢のある紅色、酸味の少ないさっぱりとした甘味が特徴です。
特筆すべきは、その香り。出荷最盛期のハウス内に一歩入ると、空気まで赤く色づいたような甘い香気が立ち込めています。この香りもまた「さがほのか」の魅力のひとつ。
「さがほのか」の出荷期間はおよそ11月下旬から6月ですが、プルミエとして出荷されるのは、大きないちごができやすい12月〜3月下旬。
この時期、「さがほのか」を栽培している農家のハウス内はどこも、受粉をするミチバチ達が忙しそうにブンブンと飛び回ります。たくさんのミチバチが元気に飛びまわれるのも、自然に近い環境が整っている証拠。
いちごの大きさや形状、糖度などを瞬時に識別することができる“いちご光センサー選果機”というものがあり、日本で初めて本格導入されたのは佐賀県・神埼地区。
現在、佐賀県内では「神埼」「上場」「白石」「佐賀みどり」の4カ所にあります。
高いレベルの糖度を誇るプルミエは、こうした地域の選定環境の中からのみ選び出されます。
出荷最盛期のハウス内で聞こえるのは、
せっせと花粉を運ぶミツバチ達のブンブンという羽音
他の品種と比べ細かい根が多い「さがほのか」は、
繊細な水やりと肥培管理が重要
さがいちごは通常S〜4Lの6サイズに分けられ、プルミエはその中から3L以上のものとされます。
3Lを超える大玉サイズの「さがほのか」は、果肉の食感に存在感があるので、ひと粒だけでも贅沢なスイーツとして重宝されます。
もともと「さがほのか」は糖度が高く、酸味が少ないため、特に甘く感じられる品種。その中でも、プルミエの糖度は11度以上に限定。
ひと粒ひと粒、いちご本体を傷つけずに測定する高度な技術の光センサーにより11度以上の糖度として選ばれた中からプルミエは生まれます。
プルミエに選ばれるのは、果実全体が赤く色づいていて、キズなどがなく、外観形質に優れるもの。
こうした“見た目の美しさ”は、選果機で秀、優、良のランクに選別された後、人の目視で判断されます。それを見分けるのは、ほとんどがいちごに関わって10年以上の方々。まだ機械導入がなく、手作業で出荷作業を行なっていた頃から選別を担当していた方や、長くいちご農家で働いていた方など、いちごのスペシャリストが集結してひと粒、ひと粒をチェックしています。
しかし、1日約1000パックの出荷がある時「さがいちご プルミエ」として出荷されるものは1パックあるかないか。
大きさと美しい形を兼ね備えたものは非常に希少なのです。
プルミエ基準の一つである糖度は光センサーで選別。
いちごに選果機を採用するのは全国でもごくわずか。
1日約1000パックの出荷がある時で
「さがいちご プルミエ」として出荷されるものは
1パックあるか、ないか。
選び抜かれた最高級の「さがいちご プルミエ」が生み出されるまでには、いろんな方たちの手が加わっています。
ひと粒、ひと粒には佐賀の人々の愛情とこだわりが詰まっています。
佐賀県全体のいちご生産農家を管轄している伊東さんは、JAさがでいちごに関わって約14年。農家さんにいちご生産の指導をされているなかで思いを込めて伝えていることが「適期完了」。
『いちごは作り方が決まっています。だからこそ、1つ1つの基本作業を決まった時期に行なうことが大切なんです。そのうえで、いちごが今、何を欲しているのかを見極める観察力と、細やかな管理能力が、美味しいいちごを作るために必要だと思います』
1年間に多くの農家さんのいちご作りを見られる伊東さんは、その中で得た情報を農家さんへ提供しながら、日々、基本理念を指導されています。
『美味しい“さがほのか”を消費者の皆さんに届けられるよう、私たちも産地のレベルをますます上げていきたいですね』と、人情味溢れる笑顔で語ってくださった伊東さん。この方の指導によって、わたし達も食べて笑顔になれる美味しいいちごが作られているのだと感じました。
神埼地区の5棟のハウスで「さがほのか」を作っている八谷さんは、いちご生産30年のキャリア。毎年の気候の変化、生育の様子に合わせた施肥や温度管理に細心の配慮をされていますが、なかでも八谷さんがこだわっていることは、いちご生産の基盤となる土作りです。毎年、夏の暑い季節に有機物を与えながら土作りを行ない、年数が経つほどに良質の土に仕上がるよう育てていくことが、美味しいいちごを収穫するために欠かせない作業だそうです。
『苗や土作りから始まるいちご作りの中で、一年の成果が表れる収穫の時がやっぱり一番うれしいですね。子供を嫁がすような気持ちで出荷しています』と、優しい笑顔で語る八谷さん。
「さがほのか」は、他の品種と比べると細かい根が多いのが特徴で、繊細な水やりと肥培管理が重要なのだそう。そんな「さがほのか」の優しい食味の理由のひとつには、こんな農家さん達のいちごを慈しむような思いがあるからかもしれません。
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