怒りやすい性格の正体は不安症!?すぐ怒る人と付き合うための怒りの心理学
こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナース、山下リコです。
「こらーっ!おまえのせいで失敗したじゃないか!」
「えっ・・・。ぼ、僕のせいですか・・・?」
あなたは最近、誰かに理不尽に怒られたことはないですか?
もしくは、あなたが誰かに感情のままに怒ってしまった・・・そんなことはないですか?
喜怒哀楽という感情のなかで、もっとも激しい感情が「怒り」の感情。
何かがきっかけで感情がヒートアップし、相手に対して攻撃的な態度をとってしまう。
それが「怒り」。
看護の現場でも、私たち看護師などに対して、自己中心的で理不尽な怒りをぶつけてくる「モンスターペイシェント」と呼ばれる患者さんがたまにいらっしゃいます。
「また採血するの?いい加減にしてよ!」
「早く退院させてよ!」
その怒りの内容はさまざま。
こちらはこちらで、一生懸命患者さんのためにがんばっているにもかかわらず、突発的かつ理不尽にぶつけられる怒り。
看護師の求人サイト「ナースフル」の調査によると、モンスターペイシェントは半数以上の病院で問題になっているという結果が出ています。
でも、一見理不尽なように見える怒りも、その裏には別のメッセージが隠されていることが多いんです。
そこで今回は、「人はなぜ怒るのか?」を考えながら、怒る人の心の裏側にあるメッセージを解き明かしたいと思います。
- 理不尽なことで怒られたくない・・・。
- カーッとなって怒ってしまう癖をなくしたい・・・。
そんな方にこそ、今回の記事はオススメです。
「怒り」の元となる感情を心理学を使って解き明かせば、「なんだ、そういうことだったのか」とふっと胸をなで下ろすこともできるかもしれません。
また、記事の後半では「人の怒りを和らげるための方法」もご紹介します。
それではまいりましょう!
怒らずに最後まで読んでくださいね♪
「怒り」が発生するのは、その裏に「不安感」があるから
こちらが何か言うたびに、攻撃的な態度をとる人がいます。
たとえば、私たちナースが採血をする際、ごくまれに、次のような態度をとる患者さんがいらっしゃいます。
前田さん、採血の時間ですよ。
えー、またかよ?
俺の血、どれだけとれば気が済むんだよ?いい加減にしろよ!
これはいわゆる「八つ当たり」ともいうべき態度ですが、このような態度を示す方の多くは、心の裏にメッセージをもっています。
そのメッセージとは「不安感」です。
他者に対して攻撃的な人は、自分の不安を認めたくないために、その感情を、怒りやイヤミなどの攻撃的な感情に“置き換えて”いるといわれています。
先ほどの採血の例でいえば、「採血を繰り返しているけれど、自分の身体は本当に大丈夫なんだろうか・・・。無事に退院できるのだろうか・・・」という不安感を、私たち看護師にぶつけてきてるんですね。
これを難しい言葉で「防衛機制(ぼうえいきせい)」と呼びます。
「防衛機制」とは、自分の心を守ろうとするための心のメカニズム
「防衛機制」とは、自分が危機的な状況に陥ったときに、自分の心がおかしくならないように、心そのものが色々な手段を使って、自分の心を守ろうとする行動を指します。
防衛機制から生まれる行動はいくつかありますが、怒りに結びつく行動としては以下の三つがあげられます。
- 1、置き換え
- あなたが不安や恐怖を感じた場合、その不安や恐怖を、元々の原因となる人ではなく、代理となる人にぶつける心理です。
先ほどの採血の例でいえば、「採血を繰り返しているけれど、自分の身体は大丈夫なんだろうか・・・。無事に退院できるのだろうか・・・」という不安感を、担当医師ではなく、看護師にぶつけてきたケースだといえます。 - 2、合理化
- 自分の正当性を確保するために、自分に起きたよくない結果に対して、何かと理由をつけたり、ほかのことに責任転嫁をすることです。
たとえば、仕事がうまくいかない場合に、「仕事がうまくいかないのは、自分の可能性を引き出してくれない上司のせいだ!」などと他人に責任転嫁をすることで、自分の失敗を認めないケースなどが当てはまります。 - 3、投影
- あなたが誰かを嫌っている時、「相手こそが自分のことを嫌っているのだ」と思い込むことを指します。
誰かに対する嫌悪感をもち続けると、自分の心が疲弊してしまいます。
そのため、自分の心が少しでも楽になるようにと、元々は自分の中にあったはずのネガティブな感情を、「相手こそがもっていた感情」だと思い込むんです。
「投影」という防衛機制をもう少し詳しく説明しましょう。
たとえば「私は上司が嫌い!」という感情が、いつの間にか「上司こそが私を嫌っている!」という思い込みにすり替わっているケースを指します。
つまり、「私は皆から嫌われている・・・」と思っている人は、実はその人自身が周りの人のことを嫌っている可能性があるんです。
防衛機制とは、心を守るためのメカニズム。
ただ、多くの理不尽な怒りは、この防衛機制が暴走することで起きているのです。
怒りが発生するのは、相手に求めたものが自分の期待値に届かなかったとき
先ほどは防衛機制による怒りの発生について解説しましたが、怒りが発生するほかの理由として、自分が相手に求めていたものが、自分の期待値に届かなかったから、ということがあります。
たとえば、以下のようなケースです。
あの新人、俺の前では「必ず、いい結果を出します!」って張り切っていたのに、何の成果も出してないじゃないか・・・!
私の彼、私の誕生日には「素敵な旅行に連れて行くよ♪」って言ってくれていたのに、結局、どこにも連れて行ってくれなかった・・・!
京都大学の教育学研究科 准教授の野村理朗(みちお)さんによれば、怒りというのは、以下の言葉で定義付けられるそうです。
怒りの定義は、自分自身の気持ちや身体を、物理的、社会的に攻撃されたり、侵害されたと感じたことによって生じるネガティブな感情。
この定義を参考にすると、「相手に求めたものが自分の期待値に届かなかった」と感じることは、「自分が本来得るべきであった権利を得られなかった!侵害された!」と感じることとイコールだといえそうです。
また、相手に何かを強く求める人ほど、その期待値とのズレが大きくなりやすく、怒りやすくなるともいえますね。
怒る人の心理を分析した書籍「人はなぜ怒るのか?」でも、イライラしやすい人のパターンを次のように解説しています。
実は、イライラしやすい人というのは、ものごとを自分の思い通りにしたい、コントロールしたいという気持ちがとても強く、しかし、それらが実現することはほとんどないので、満足感を得にくいのです。
イライラする人ほど、理想が高すぎて、結果的に満足しない・・・。
きゃあああ、それはとても困りましたね・・・。
うーん・・・。
ひとまず、これまでの説明で、怒りが起こる仕組みが分かってきましたでしょうか?
それでは次に、そういった「怒れる人」たちの怒りを鎮めるための方法を考えていきましょう!
督促(とくそく)のプロに学ぶ!相手の怒りを和らげる方法は「相手に約束をさせること」
「怒れる人」たちの怒りを鎮める方法をお教えする前に、一冊の本をご紹介しておきます。
その本とは「督促OL 修行日記」という本です。
督促(とくそく)とは、借金などをした相手が約束通りにお金を返さない場合、返済をうながすことを指します。
この本は、金融系会社のコールセンターで働いている女性オペレーターの方が、「一時間に60本の電話がノルマ」「電話で怒鳴られるのは日常茶飯事・・」という過酷な環境の中で、いかにして借金を回収していくかというストーリーが描かれたノンフィクションです。
金融の世界には、お金を借りたけど期日通りに返さないという人が一定数いて、そういう人たちは色々な理由をつけて返済を引き延ばします。
そして、ひどい場合は、理不尽な怒りをぶつけてオペレーターを困らせるんです。
実はこの本の著者の方は、人見知りの性格だったにもかかわらず、巧妙な借金王の面々を相手に2000億円もの借金を回収したスゴイ方。
そして、この本の中には、その方が編み出した「いかにして相手の怒りを鎮めて、気持ちよく返済をしてもらうか?」というテクニックが紹介されていました。
これからそのテクニックを紹介していきます!
人間が無意識的に動いてしまう理由には「恐怖心」「義務感」「罪悪感」の三つの要素がある!
この本の中では、心理学研究家の「スーザン・フォワード」さんの書籍を引用する形で、人間が無意識的に動いてしまう理由には、三つの要素があると説いています。
それは、以下の要素です。
●人間が無意識に動いてしまう三つの要素
- 恐怖心(Fear)
- 義務感(Obligation)
- 罪悪感(Guilt)
そして、これらを三つまとめて「FOG」と呼んでいるのです。
「FOG」とは、英語で「霧」のこと。
無意識的な状態を“霧”という言葉で表現するあたりがうまいですね。
で、実際のところ、カーッとしやすい人というのは、無意識的にカーッとしている場合もあります。
ですので、そういう人に対抗するには、相手の無意識下に響く対策を講じる必要があるんです。
では、この三つの要素を「借金の取り立て」に当てはめてみましょう。
(医療系のブログで借金取り立ての話を書くのもあれなのですが・・・)
たとえば、「恐怖心」を刺激する取り立てを考えてみてください。
おそらく、怖い人を使って脅すような取り立てを思い浮かべると思います。
「いつ、借金を返すんじゃ~!ワレ~!」的な口調で話す●ナミの帝王を思い出したりませんか?
実際のところ、そういった取り立てをおこなっていた一部の業者さんもあったそうなのですが、近年、法律が改正されたことで、そうった荒い取り立ては罰則の対象となりました。
そこで、次に注目されたのが「義務感」を刺激する取り立てです。
「お客様が使われたお金ですから、お支払ください」という言い方で正攻法で取り立てをするという作戦です。
ただ、ストレートに相手の義務感を刺激すると「そんなの分かってるよ!返せないから困ってるんだよ!」と反発される可能性があります。
そこで、残るは「罪悪感」を刺激する取り立てです。
実は、「督促OL 修行日記」の著者さんは、罪悪感を刺激する方法こそオススメだと仰っておられます。
それは次のようなテクニックでした。
「約束日時を相手に言わせる」というもの。
なぜ、約束日時を相手に言わせるといいのでしょうか?
それは、相手主導で約束を取り付けられれば、もしも相手が約束を破ったとき、相手に罪悪感を感じてもらうことができるからなんだそうです。
なぜ入金日と入金根拠をお客さまの口から言ってもらうのかというと、万が一入金の約束を破られてしまった時に、お客さまの口から日時を言ってもらっていれば「お客さまがおっしゃるからお待ちしていたのに~」と相手の罪悪感をちょっぴり刺激することができる。
おもしろいテクニックですよね。
罪悪感を感じると、どれだけ怒っている人であっても、「あ、そういえば、俺も悪かったかも・・・」と一瞬冷静な思考に戻ります。
それによって、怒りのエネルギーも緩和されるわけです。
なので、もし、あなたが上司から何か仕事を頼まれた際は、あらかじめ、何らかの約束を取り付けておくといいかもしれないですね。
「私はこの案件を一生懸命進めます。ただ、どんなことにも100%の成功はありません。
そこで、部長にも可能な限りのサポートをお願いできますか?」
そんな風に言っておけば、もし仕事が失敗しても、「本当は部長のサポートがもう少し欲しかったんです・・・」などと言うことで、相手の怒りを緩和することができるかもしれません。
(※悪用厳禁です!)
脳を使わせると、怒りは和らぐ!
相手に質問や疑問を投げかけよう!
「督促OL 修行日記」の著者の方は、次のようなことも仰っておられます。
「人間の脳は疑問を投げかけられると、無意識にその回答を考えはじめる」と。
つまり、相手から怒られている時に、「すいません、●●がよく分からなかったので、教えていただけますか?」と逆に質問することで、相手に冷静な思考を呼び戻すことができるということです。
(※ただし、怒られている時に質問しすぎると、相手のカンに触って、かえって火に油を注ぐことになるので注意してください)
別の言い方をすれば、脳内に充満した怒りのエネルギーに対して、違う角度から刺激を与えてあげる、という作戦だといえるでしょう。
そういえば最近、「利き手と反対の手を使うと怒りをコントロールできる」というニュースも話題になりました。
これも「脳内に違う角度から刺激を与える方法」ですね。
ニューサウスウェールズ大学のトーマス・デンソン博士が心理科学誌『カレント・ディレクションズ』に発表したところによると、普段と反対の手を意識して使うことで、自制心を司る脳部位が刺激を受けるのだという。
同博士の行った実験では、感情を害する言葉を投げかけられた被験者のうち、怒りっぽい人ほど相手への復讐感情が生まれやすく、脳スキャンでも怒りに関係する部位の活動が活発だった。
そこで彼らに2週間、利き手と反対の手を意識的に使ってもらうと、自制心を司る脳部位の働きが促され、攻撃性が低下したのだ。
ただ、相手が怒っている時に「利き手と反対の手を使ってください!」というのは難しいと思いますので、あくまでも、あなた自身がイライラして仕方がないときに試してみるとよいでしょう。
相手にあえて“期待”しすぎない!
先ほど、怒りが発生するのは、相手に求めたものが自分の期待値に届かなかったときだとお話ししました。
そして、相手に何かを強く求める人ほど、その期待値とのズレが大きくなりやすく、怒りやすくなるともいいました。
そこでオススメしたいのは、相手に過度な期待をもたない、ということです。
相手の性格を変えるのは大変です。
「相手がこっちの言うことをなかなか理解してくれない・・・」ということで悩むのであれば、あなた自身が変わることで、あなたの中にあるイライラだけでも解消しやすくしましょう。
そのためには、仕事や恋愛の相手であっても「この人ならきっと自分の望む結果を出してくれる!」という過度な期待を抱かないことが大事です。
これはけっして「人を信じてはいけない」というわけではありません。
あくまでも、相手に対する期待値を最初から下げておけば、もし、相手がすごくいい成果を出してくれたのなら、喜びは何倍にもなるということです。
つまり、誰にとってもプラスになるんです。
もし、自分の性格がイライラしがちだったら、自分の心身に余裕をつくるために「腹式呼吸」をしてみよう!
「怒り」の感情は自身に余裕がないときに起こりやすいものです。
そこで、自分の身体の中にたくさん「酸素」を取り入れて、心身に余裕をつくりましょう。
そこでオススメしたいのが、以前、ストレス解消の記事でもご紹介した「腹式呼吸」です。
人間の呼吸は大きく2種類に分かれます。
胸で呼吸する「胸式呼吸」と、お腹(腹筋や横隔膜)で呼吸する「腹式呼吸」です。実は、胸での呼吸(胸式呼吸)を続けると、心理状態が不安定になりやすいといわれています。
胸式呼吸は多くの空気を身体に循環させる呼吸ではないため、心が落ち着きにくいんです。逆に、お腹での呼吸(腹式呼吸)は、多くの空気を身体に循環させるため、心がリラックスしやすいといわれています。
多くの空気を一度に吸えるので、呼吸の回数が減り、身体の負担も減るメリットもあります。ですから、身体や神経をリラックスさせたい時には、お腹で呼吸(腹式呼吸)することが大事なんですね。
最近イライラしがちで・・・という方は、ぜひ試してみてください。
お腹で呼吸をすると、とっても気持ちいいんですよ。
いかがでしたか?
人が怒ったりイライラするのは、心のメカニズムが深く関係しているんです。
そして、その際の原因の多くは「不安感」によるものです。
相手が怒っているのだとしたら、その怒りの原因となっている「不安感」がどんなものなのかを推測し、適切に対応してあげることも、怒りを和らげる上での重要な対策かもしれません。
ちなみに、「叱る(叱られる)」ことと「怒る(怒られる)」ことは違います。
叱るというのは、感情的に相手を攻撃しているのではなく、相手の成長を願って、アドバイスをしている状態を指します。
人は叱られることで、成長できますし、上司は部下を賢く叱ることで、部下の成長を後押しできます。
よく怒られる人は、自分が「叱られているのか?」「怒られているのか?」を都度考えるようにしてくださいね。
今回は人間心理における「怒り」の感情についてお話しましたが、人間の行動には必ず理由があります。
その理由について考えるようにすれば、円滑な人間関係が築けることでしょう。
たとえば、人に合わせてコロコロと態度を変え、友達の文句なんかを言う人は「境界性パーソナリティ障害」という神経症を患っている可能性があります。
これも強い不安感から生まれる症状です。
若い女性に多い症状なので、周りにそういう人がいるときは、何かに強い不安を感じているということを知ってあげてくださいね。
ちなみに、最初にもお話ししましたが、私たち看護業界では、モンスターペイシェントが原因で体調を崩すナースが急増しています・・・。
(参考:増加するモンスターペイシェント!看護師はこう見る、こう対応している)
今回の記事が私と同じ看護師の皆さんのお役に立てるとすごくうれしいです!
うーん、私もイライラしないように気をつけなくちゃ。
あら、リコちゃんはいつもニコニコしていると思うわよ。
え、そ、そうですか・・・。
そう。イライラをなくすためには「笑顔」を普段から意識することが大事。
その点、リコちゃんの笑顔は素敵よ。
笑顔になることによって、人は心に余裕が生まれるの。
リコちゃんの心に余裕がないと、こんなブログ書けるはずがないじゃない。
ほわわわわ・・・!
あ、そういえば!
この間、犬を飼っている友達に聞いたんですが、犬って実は笑えるそうですよ。
え?そうなの?
はい。
犬は飼い主の表情を観察することで、うれしいときの気持ちを表現するためには、しっぽを振るだけでなく、笑顔になればいいんだって気付くそうなんです。
へええ。犬って賢いわね。
でも・・・、犬って表情筋の構造上、人間みたいに笑えないわよね・・・?
はい。
だから、一生懸命に「笑いもどき」っていわれる表情をつくるそうなんです。
たとえばこんな風に。
めっちゃ笑っとる!!!