中国とロシアは第2次大戦の終戦70周年に当たる今年、大々的な戦勝記念行事を開催するとして、水面下では朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に参加を促している。ワシントンと東京は、韓国の本音をのぞく穴でも見つけたかのように横目で眺めている。北朝鮮の3代目、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、これらの行事を国際舞台にデビューするチャンスと見ているようだ。ロシアはウクライナの分割とクリミア半島の併合問題で米国と衝突する一歩手前に来ており、中国と米国、日本は北東アジアで互いの意図を信じられずにいる。こうした情勢の中、朴大統領が習近平国家主席、プーチン大統領と共に序列台に登り、中国人民解放軍とロシア軍の威風堂々たる分列式を見下ろすかどうかを判断しなければならない。現在のような南北間の状況では、金正恩氏の登場も不気味な変数となる。
国ごと、政権ごとに外交の基本的設計図が存在する。朴槿恵政権にも設計図がないわけがない。問題は、設計図の基本的アイデアを提供した人物が誰なのか、設計図がどんな内容を記しているのかを知る人が国内に誰もいないという点だ。後味が悪い最近の対米外交、自ら外圧を呼び寄せるような最近の対中外交、足踏みばかりしてむしろ後退してしまった、ここ2年にわたる対日外交、派手な試写会用のフィルムを次々と回すだけで結局本編が上映されずに観客を退屈にさせる対北関係が、国民を不安にさせている。政権の外交上の基本設計図に重大な欠陥があるのではないか、といった不信感だけが次第に増している。