テレ朝:古賀氏降板問題 「圧力」か「暴走」か
毎日新聞 2015年04月06日 07時56分(最終更新 04月06日 09時06分)
生放送中に、持論を展開した行動に批判が出ていることについては「ニュース番組でコメンテーターが何を言うかはある意味、自由だ。テレビ朝日の立場では『降板』ではないので、あいさつの時間も与えられなかった。だからどこかで言わなければならなかった。権力の圧力と懐柔が続き、報道各社のトップが政権にすり寄ると、現場は自粛せざるを得なくなる。それが続くと、重大な問題があるのにそれを認識する能力すら失ってしまう。『あなたたち変わっちゃったじゃないですか』というのが一番言いたかった」と語った。
古賀氏は1日、市民団体のインターネット配信番組に出演し、「安倍政権のやり方は上からマスコミを押さえ込むこと。情報公開を徹底的に進め、報道の自由を回復することが必要だ」と述べた。報道ステーションでの発言に対する反応についても触れ「多くの方から大丈夫かと聞かれるが、批判は予想より少ない」と語った。
◇テレ朝と政権「事実無根」
テレビ朝日広報部は、古賀氏の言う「圧力」について「ご指摘のような事実はない」と否定した。同社の早河会長も3月31日の記者会見で「圧力めいたものは一切なかった」と話した。
広報部は毎日新聞の取材に対し、恵村氏の交代については「春の編成期に伴う定期的なものだ」と説明した。さらに、プロデューサーを「狙い撃ち」にしたとの主張についても「ご指摘は当たらないと考える」とした。
その一方で、衆院選前の自民党の文書については「報道局の関係者に周知した」と認め、「日ごろから公平・公正な報道に努めており、特定の個人や団体からのご意見に番組内容が左右されることはない」と回答した。
菅官房長官は3月30日の記者会見で古賀氏の発言について「事実無根。事実にまったく反するコメントを公共の電波を使った報道をして、極めて不適切だ。放送法という法律があるので、テレビ局がどのような対応をされるか、しばらく見守っていきたい」と全面的に否定した。放送法4条は「報道は事実をまげないですること」と規定している。