12日投開票の札幌市長選に向けて北海道新聞社が3~5日に札幌市内で実施した世論調査で、回答者の半数を占める無党派層は、元副市長の秋元克広氏(59)=無所属、民主党、維新の党推薦=を支持する人が3割を超えたのに対し、元総務省自治大学校研究部長の本間奈々氏(45)=無所属、自民党推薦=への支持は3割弱で秋元氏がわずかにリードした。ただ、全体の約4割はまだ投票先を決めておらず、有権者はなお慎重な姿勢だ。

 調査では、投票先を決めていない人にも「もし今、投票するとしたら誰か」を尋ね、その結果も含めて分析した。支持政党別でみると、自民党支持層で本間氏に投票すると答えた人は、6割弱で告示前調査(3月20~22日)とほぼ同水準だった一方、民主党支持層で秋元氏を投票先に選んだ人は、告示前の6割弱から約7割に増えた。

 支持状況を男女別にみると、秋元氏は男女ともに4割弱の支持を得ているのに対し、本間氏は男性が約4割、女性は3割弱。年齢別では、40代以下は本間氏が優勢な一方、50代以上は秋元氏がリードしており、違いが鮮明になっている。

 投票先を選んだ最大の理由を聞いたところ、「政策・公約」が最多の33%で、2011年の前回市長選の告示前調査と比べ9ポイント高かった。次いで「支持政党や団体の公認、推薦」が21%で前回を16ポイント上回った。

 一方、前回最も多かった「行政手腕や実績」は18%で前回より23ポイント低下。新人5氏の争いで、実績などより政策や支持政党を重視する傾向がうかがえる。

 また、上田文雄市長と本間氏の一騎打ちとなった前回の市長選で上田氏に投票したと答えた人のうち、約半数は秋元氏を支持。本間氏に前回投票し、今回も投票すると答えた人は8割弱だった。

 市長選には、共産党道委員会副委員長の春木智江氏(56)=共産党公認=、元衆院議員秘書の飯田佳宏氏(42)=諸派=らも立候補している。(片山由紀)

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