本稿は、Facebookグループ「Weekly Fintech News」を運営するEast Ventures Analystの坂上聖奈(@seinas___)氏による寄稿記事である。Fintechとは、Finance(金融)とTechnologyが掛け合わされた言葉で、金融 × IT分野で活躍するベンチャーのことをいう。Facebookグループ「Weekly Fintech News」では、今月4月より、毎週Fintechに関わるベンチャーの紹介や資金調達のニュースを配信していく。
YCデモデイのうち7.89%がFintechベンチャー
Y Combinatorが今期開催したデモデイ「YC IN WINTER 2015」では、過去最大の114社が参加し、2日間にわたり開催された。参加ベンチャーのうち、Fintechベンチャーは9社が参加しており、全体の7.89%を占めている。(図:Y Combinatorのブログ記事「YC IN WINTER 2015」より。)
TechCrunchの記事「47 Startups That Launched At Y Combinator Winter 2015 Demo Day 2」では、2日目のデモデイに参加した47社が公開されている。そのうちFintechベンチャーは以下の5社であった。
◇ SEED (@seedbiz) 中小企業向けのオンラインバンクサービス。現在、招待者のみサービスを体験できる。
◇ DIRECT MATCH 債権版NASDAQ。2015年第3四半期にサービスを公開予定。
◇ Instavest(@goinstavest) コラボレーティブ・インベスティング・サービス。
◇ Bankjoy 信用組合向けのモバイルバンキングサービス。
◇ Final(@final) セキュア・クレジットカード・サービス。
この5社のうち、個人的注目したいものは中小企業向けのオンラインバンキングサービス「SEED」。
SEEDは、昨年2014年にスペインの銀行大手BBVAに1億1700万ドルで買収されたSimpleのメンバーによって設立されている(参考記事:NYT「BBVA Buys Banking Start-Up Simple for $117 Million」)。
SEEDの共同創業者でCEOであるBrian Merritt氏は、元SimpleのVPEで従業員番号は2番(ちなみにJellyやTopsyのエンジニアもしている)。さらにSEEDの共同創業者であるRyan Hildebrand氏は、元Simpleで財務部門のVP。
SEEDはコンセプトとして、「Modern Business Banking」を掲げている。従来までの銀行のことを「traditional」、自分たちを「modern」と表現することで、銀行業界を一新したいということが一言でわかりやすく表現されている。
なお、Y CombinatorのSam Altmanは、twitterで、YCのアプリケーションの審査時について下記のようにコメントしている。
i really love when i get to read a YC application with an idea i’ve never heard before or a great new insight on on an old idea
— Sam Altman (@sama) 2015, 4月 3
Fintech界で新たなユニコーン企業の誕生
今週のFintechベンチャーの資金調達で、何より印象的だったものは「Funding Circle」。
◇ Funding Circle(@fundingcircle) 2009年創業の英国Fintechスタートアップ。
現在、シリーズEラウンドの資金調達をしている最中で、バリュエーションは10億ドル以上。また、今回のシリーズEラウンドではシンガポール政府からも資金を調達する予定とも言われている。
Funding Circleは、2014年7月、シリーズDでIndex Ventures、Ribbit Capital、Union Square Ventures、Accel Partnersから6500万ドルを調達しており、今までに累計1億2320万ドルを調達している。今回のシリーズEラウンドが無事クロージングされると、創業からわずか5年で評価額10億ドル以上のユニコーン企業となる。
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- East Ventures Analyst。Twitter:@seinas___