はじめまして、Fablicのtakejuneです。Frilのプロダクトオーナー、デザイナー、ディレクターを務めています。
このブログでは、Fablicのメンバーが日々の考え・発見・得られた知見をお届けしていきます。 第1回は、Fablicの「ユーザーと一緒に作る文化」についてご紹介します。
まずは、Fablic社の集合写真をごらんください。
ご覧のとおり、半数以上が女性です。彼女たちは弊社のスタッフであり、女性向けフリマアプリFrilのユーザーでもあります。自分たちは、彼女たちと協力しながら日々サービスを作っています。
なぜそのような文化が生まれたのか?
こうした文化が生まれたのには理由があります。自分を含めたFablicの創業メンバー4名は全員男性でした。
前職での経験から、男性がメインターゲットのECやWebについての知見は持っていたのですが、女性やファッションについては全く勘所が分かりませんでした。そこで「思い込みで作らないようにするにはどうしたら良いのか?」と試行錯誤しながら、ユーザーと一緒にサービスを作っていくことをはじめました。
具体的にやってきてよかったこと
具体的にやってきたことを3つご紹介したいと思います。
ユーザーインタビュー
1つめはユーザーインタビューです。Frilの開発初期には、ターゲットの普段の生活、興味関心、課題を知るためにとにかくインタビューを繰り返しました。
これが実際に使っていたアンケートシートです。まずはこれを埋めてもらい、記述内容を掘り下げ、根掘り葉掘り聞いていく。これを繰り返すことで、ユーザーの輪郭を次第にはっきりと捉えられるようになっていきました。
こうしたインタビューの形式はリリース前に行っていたものですが、リリースから2年以上経った現在でも、形を変えてユーザーインタビューを行っています。これから解決しようとしている課題に対して、ユーザーが現在どのように向き合っているのか?現状の機能をどのように思っているのか?AとBではどちらを好むのか?事前調査を欠かさないことで、ユーザーに支持されるサービスが作れているように思います。
ユーザビリティテスト
2つめはユーザビリティテストです。こちらも、開発初期から現在にかけて続けている、Fablicにとって大切な開発のステップのひとつです。
このようなテストシートを使って、「実行してほしいこと」をユーザーに伝え「予想通りの行動」をユーザーが取るのか確認していきます。これを行うことで、開発した機能をユーザーはうまく使えるのか、デザインはユーザーに伝わっているのか、リリース前に確認することができます。
Frilでは初期バージョンのリリース前に(Test Flightの上限)100人の方々にユーザビリティテストを行いました。 現在でも、そもそも良いユーザビリティを実現できているかのチェックのために、このようなユーザビリティテストを頻繁に行っています。
ユーザー採用
ユーザーインタビューとユーザビリティテストは、素晴らしいサービスを作るために欠かせない手段ですが、被験者を集めることはとても大変です。
Frilのリリース後、ユーザーからの意見を集めるために自分たちが最初に行ったのはユーザー座談会でした。都内在住の優良ユーザーにメールを送り、グループインタビューやユーザビリティテストの会を開きました。
この取り組み自体もよかったのですが、更によかったのは来てくれたユーザーさんの人柄でした。その場で意気投合して、当時人手不足だったCS部門を手伝ってもらうことになりました。
その結果は想像以上でした。採用した彼女たちはアプリの事をよく知っているがゆえに、即戦力としてCS業務をこなしてくれたのです。そして、ユーザーインタビューやユーザビリティテストにも協力してくれて、チームに良い影響を与えてくれる存在になっていきました。
それ以来、Frilのカスタマーサポートはユーザーから採用するようになりました。いまでは全社の半数がカスタマーサポートであり、ユーザーであるという、独特の組織構成となっています。
彼女たちと一緒に働くことは、Fablicにとって発明でした。 大変だった被験者集めの苦労はなくなり、いつでもユーザーインタビュー、いつでもユーザビリティテスト、その気になればいつでもデザインスプリントだってできてしまう、継続的にユーザーと一緒にサービスを作り続けられる体制が整ったのです。
(もちろん、これはどの会社にでもできることではなく、カスタマーサポートに多くの人員が必要なCtoC事業だったからできたことではあるのですが。)
決定的な差をどうやって生み出すのか
自分はファウンダーのひとりとして、取締役として「いかにして勝つのか?」ということをよく考えています。 事業の構成要素は無数にあり、開発やデザインの構成要素は無数にあります。しかし、その中のどこかに強みを持ち、他社を寄せ付けない決定的な差を生み出す必要があります。言い換えるのであれば「なぜ我々は競合より素晴らしいサービスを作り続けられるのか?」という問いに答えられるチームでなければなりません。
「ユーザーと一緒にサービスを作る文化」を持っているということ、それが自分達にとってその問の答えであり、自信を持ってサービス開発を続けるための拠り所となっています。常にユーザーの隣に寄り添い、ユーザー以上にユーザーのことを考え、サービスを作っていく。そんな文化をこれからも大切にしていきたいと思っています。
Fablicではユーザーと一緒にサービスを作ってみたい開発者を募集しています。