2015-04-06 この不毛感
■[アイヌ否定論]東浩紀氏がアイヌ民族に関して無知をさらけ出している件
アイヌ人が単純に「先住」と言えるかどうかについては、まじでさきほど挙げた「アイヌ学入門」を読むのをお薦めします。けっこう複雑なことがわかります。ぼくは(小説の関係で)アイヌ関係の本はけっこう読んでいるのですが、これは画期的な本です。ゲンロンカフェで著者をお呼びしたいくらい。
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 3
アイヌ人は民族でしょう。先住かどうかは、その言葉に与えた定義によるでしょう(国連の話はしらん)。瀬川氏の本は、アイヌ人と日本人がともに縄文時代の列島人の子孫で、けっこう行ったり来たりしてたって書いてるでしょう。なにを理解に苦しむのよ。
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 3
瀬川拓郎『アイヌ学入門』をアイヌは先住民族じゃなかったんだ、と読むのは早計。先住民族性とは植民地主義によって生み出されたものであり、瀬川本にある歴史を動的なものとして捉えるアプローチとはレイヤーが違う。民族否定の人は先住性を批判しているだけと逃げることがあるので、混同してはダメ。
— 岡和田晃 Akira OKAWADA (@orionaveugle) 2015, 4月 4
いやいや、ぼくはそう言ったつもりはないんですよ。ただ、先住=アイヌ、征服者=ヤマトというよりは複雑なことがわかったというだけで。RT @orionaveugle ·瀬川拓郎『アイヌ学入門』をアイヌは先住民族じゃなかったんだ、と読むのは早計。先住民族性とは植民地主義によって生み出
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 4
@hazuma 補足いただき恐縮です。そのあたりをヘイターが逆手にとり民族差別に奪用するケースが多いので、皆さんピリピリしているのです。今、国際標準として用いられる先住民族性については『アイヌ民族否定論に抗する』の中村和枝、東條慎生、上村英明、坂田美奈子ら各氏の論考が詳しいです。
— 岡和田晃 Akira OKAWADA (@orionaveugle) 2015, 4月 4
ぼくはアイヌ人は民族だと思います。この答えで十分ではないでしょうか。RT @orionaveugle @hazuma 東浩紀さん、小林よしのりがアイヌの民族性を否定するヘイトスピーチを繰り返していることについては、どうお考えですか?
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 3
ものすごく簡単に言えば瀬川拓郎先生の『アイヌ学入門』は主として中世から近世にかけての文化変容について論じた本。アイヌ民族が「先住民族」であるかないかに関係することについては全く論じられていない。
— 丹菊逸治(非公式) (@itangiku) 2015, 4月 3
「先住民族」という言葉は、あくまでも近代国家が形成される場面においてでの支配・被支配関係によって適用されるということをおさえておかないと、どっちが先に住んでいたという泥沼の論争によって否定されてしまう。
— 忽然朔風 (@kotnei) 2015, 4月 4
見事なまでに典型的な先住性の否定のテンプレをたどっているなあ……という。もちろん東氏はアイヌが「民族」であることは認めているのでアイヌ否定論者とは一線を画されるべきではあるけれど,「先住民族」であるという部分に対しては何も言ってないというか寧ろ否定してるので,でもそれは結局のところ幕末・明治以降の和人=アイヌ関係における植民地主義を否認していることになってしまわないだろうか,という。
アイヌは単に民族であるというだけでなく先住民族としての権利を有しているわけで,その「先住」の部分を切り捨てて“アイヌは民族だと思います”と言われても,なんというか非常に微妙な気分になる。で,さらにこんなことも言ってる。
ところで、香山派とか小林派とかではなく超素朴な疑問なのですが、「自己決定で変更できる帰属を民族と言えるのか?」→「言えます。いまは民族はそういう定義に変わってます」というこのやりとり、後者は本当に主流なんですか? そうなると今度はヘイトの定義が難しくなる感じがするんですが。。
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 5
ヘイトがただの悪口と違うのは(というか一般的に差別が差別として問題になるのは)、自己決定で変更できない帰属や属性が対象となっているからということになってませんでしたっけ?
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 5
なんかソーゼツな勘違いをしておられるような。確かにある民族に帰属しているかどうかを最終的に決めるのは本人の自己決定だけど,でもそれは「自己決定で好き勝手に変更できる」ことを意味しない。ひとは何かの民族の中に生まれ落ちて余程のことがない限りそこから離脱しないし,離脱して他の民族共同体に参加しようとするには大きな困難を伴う。アイヌ民族否定論に抗する論者が「自己決定」を強調するのは,アイヌ民族の中にも和人の血を引くひとが大勢いることを捉えて「こんなに和人の血が混じっているんだからアイヌは独自の民族とはいえない! 既に同化している!」と主張する否定論者がいるから,「いくら和人の血が混じっていようが,アイヌ民族という自意識を持っていることが重要なのだ」と主張しているのであって,民族帰属の融通無碍な可変性を主張しているわけではないです。
ここまでの流れは,まあすごい好意的に解釈すればこれまで哲学思想には関心を持ってきていたけれど民族問題についてはイロハのイすらわかっていなかったというだけの話なのだろうけれど,以下は哲学にしか興味ないひとにとってもヤバいとわかる話のはず。
ぼくとしては、むしろいまアイヌがあまりに「民族っぽくない」というのなら、逆に日本政府は、国際的評価を上げるためにも観光を振興させるためにもがんがん資金投入して「民族っぽさ」を復活させるべきで、そこで小さい利権潰すために民族否定とかやるのは百害あって一利なしだと思うんですよね。
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 5
異民族が“民族っぽくない”現状を問題にし,その解決のために“国策として民族色を出すようにすればいいんじゃないかな”って,それ本気で言ってます? “民族っぽくない”が問題だという前提がまずおかしいし,その前提に則って言っていることはグロテスクすぎて笑えない。どこがグロいのか説明が必要だとしたらもうほんとにどうしようもないと思う。
で,こんなこと言ってる。
マイノリティについての議論は、つねに言葉狩りになるので、ほんとうに嫌です。
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 3
無意味に炎上した。アイヌも沖縄も福島も在日も同性愛も、とにかくすべて言及すると炎上するな。そういえばこのあいだは金沢でも炎上したのだった・・・
— 東浩紀 hiroki azuma (@hazuma) 2015, 4月 3
今すごく傷ついているひとがいるテーマに自分から雑な言及をしておいて批判されるとテーマのめんどくささに責任を転嫁するの,単にネット上の処世術としても筋悪だしもうこのひとは社会問題についておおやけの場で語らない方がいいんじゃないかと思う。というかネットで話題になってることがらに興味半分で首突っ込んででもネット上の“論争”の図式しか見えてないもんだからそれを前提にして問題を語ってヤケドするの,南京事件についてテキトー言ったときから変わってなくて本当にアレ。
関連過去エントリ:
学術的成果を悪用する回路――「純粋な民族はいない」論をめぐって - Danas je lep dan.
「単一民族国家」の多数派は,ふだん自分が何民族であるかを意識しないでいられる - Danas je lep dan.
チセに住んでないとアイヌ民族じゃないと言うなら背広を着ているあなたはいったい何民族? - Danas je lep dan.
参考:
東浩紀氏の印象操作的「批判」について - Close to the Wall
- 4 http://b.hatena.ne.jp/
- 2 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=VPw6npu13RGKo15vBRNMsA
- 2 http://realtime.search.yahoo.co.jp/search?p=Mukke&ei=UTF-8
- 2 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&ved=0CDEQFjAG&url=http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20150406/1428265507&ei=MpshVZraIaHR6AKkgAE&usg=AFQjCNHjMslJqVc7AJZEeGXlHrUPRx0DZA
- 1 http://b.hatena.ne.jp/entrylist?url=http://animeanime.jp/
- 1 http://search.yahoo.co.jp/search?tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=6&oq=こてん&fr=top_ga1_sa&p=古典部+新刊&rs=3
- 1 http://t.co/AjBAG4H1nB
- 1 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=0CCwQFjAF&url=http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20150406/1428265507&ei=EpshVfaoEtqwwwGkNg&usg=AFQjCNHjMslJqVc7AJZEeGXlHrUPRx0DZA
- 1 http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=9&cad=rja&uact=8&ved=0CEkQFjAI&url=http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20100607/1275920935&ei=jZ4hVaHYKsu58gWYn4HwCA&usg=AFQjCNHpAjeDDczzn0uwynIprzgO7anLgw&bvm=bv.89947451,d.dGc
- 1 http://www.google.com/gwt/x?client=ms-nttr_docomo_gws_aw-jp&gl=JP&wsc=tf&source=sg&u=http://yabou-karakuri.sakura.ne.jp/diary/hanpera/zaregoto.htm&hl=ja-JP&ei=8JohVcHVLMSQmgXlu4C4DA&ct=np&whp=3915