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 中国政府は、通貨人民元を、米ドル、英ポンド、欧州のユーロ、日本の円で構成する「メジャー通貨」に仲間入りさせようと攻勢を強めている。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に50以上の国・地域を集めた勢いもあり、人民元の国際的な存在感を高めようと懸命だ。

 中国がめざすのは、国際通貨基金(IMF)が認める「メジャー通貨」への仲間入りだ。各国はIMFへの出資額に応じて、いざという時に資金を引き出せる「特別引き出し権(SDR)」が認められる。このSDRの価値は長年、米ドルや円など主要4通貨の相場で決められてきた。今年、IMFが5年ぶりにSDR構成通貨を見直すのを機に、人民元の採用を猛アピールしている。

 中国の李克強(リーコーチアン)首相は3月23日、訪中したIMFのラガルド専務理事に「世界の金融安定に参加したい」と要望した。採用されれば各国が外貨準備の一部を人民元で持つようになり、人民元の国際化が加速するとの期待がある。