【コラム】世界の動きを知らない韓国外相・尹炳世

いくら開放・国際化しても世界の動きを知らず
井戸の中で反目する韓国の「持病」は直らない
この退行的な潮流に今や外交まで流されようとしている

【コラム】世界の動きを知らない韓国外相・尹炳世

 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は自他共に認める「仕事の虫」だ。休みの日でも「何かが起こるのでは」と心配(?)し執務室に出勤するという。その尹長官でも李明博(イ・ミョンバク)政権時代は30年以上勤めてきた外交部をやむを得ず後にした。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の終盤に大統領府外交安保首席秘書官に「選出」された前歴が問題になったからだ。

 尹長官は「朴槿恵キャンプ(大統領選陣営)」で次を約束し、現政権で外交・安保の中核をなす参謀として浮上した。就任当初、尹長官は週末も休まず、毎日残業して話題を呼んだ。外交部では午前1時過ぎまで幹部会議が開かれることも多い。尹長官は真夜中に菓子や飲み物を横に置き、大統領に伝えられる報告書に自ら手を入れた。報告書を重視する朴大統領のやり方をよく知っているからだ。

 長官が勤勉だからといって、必ずしも外交成果につながるわけではない。最近では戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)の駐韓米軍配備問題やアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加をめぐり、外交部に対し批判が殺到した。すると、これを受けて尹長官が自ら立ち上がった。尹長官は数日前、世界各国に駐在する大使や総領事など在外公館のトップを集めて一席ぶった。6400字を上回る演説の要旨は「韓国の外交は過去最高だが、無知な人々が何だかんだ言っている」というものだった。「苦悩のない無責任な批判を気にする必要はない」とも言った。普段から感情をあらわにしないよう訓練を受けている外交官が、こうした口調で激しく感情をむき出しにしたこと自体、非常に珍しい。

朴斗植(パク・ドゥシク)論説委員
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