中国の不動産業者、済州島の営利病院申請

 中国の不動産開発大手、緑地集団はこのほど、済州道に営利目的の病院「緑地国際病院」を設置することを申請し、済州道は2日、最終許認可権を持つ保健福祉部(省に相当)に申請書類を送った。保健福祉部による計画承認が下りれば、韓国で初の営利目的の病院となる。韓国の医療法は、法人が病院を設立、運営する場合には非営利を目的とするよう定めているが、済州道では済州道特別法で外資が営利目的の病院を設立することが可能で、投資者は病院運営による収益を海外に持ち出せる。

 事業計画によると、緑地国際病院は済州道西帰浦市吐坪洞のヘルスケアタウンに地下1階、地上3階、ベッド数47床の規模で設置される。投資額は778億ウォン(約85億4000万円)。事業主は現在ヘルスケアタウンと済州ドリームタワー事業を推進している緑地集団の全額出資子会社「グリーンランド・ヘルスケア」だ。診療科目は中国人に人気の美容整形外科、皮膚科、内科、健康診断を行う家庭医学科の4科目で、医師9人、看護師28人、薬剤師1人、医療技師4人、事務員92人の計134人が勤務する。緑地集団は2017年3月の開院を目標としている。

 緑地集団韓国法人の黄敏康会長は「韓国と日本の優秀な医療陣と最新の医療設備を備えた病院を設立し、中国などの医療観光客の誘致に積極的に取り組みたい」と述べたほか、「韓国の進んだ医療技術が中国に進出する上でも足掛かりの役割を果たす」と指摘した。

 保健福祉部関係者は「済州道が行う検証結果を見極めた上で、医療関連法令に照らし、要件を満たしているかどうかを細かく検討する。決定までの期限が存在するわけではないため、時間をかけて十分な検証を行う」と説明した。韓国政府は昨年9月、済州道への営利目的の病院の設立を申請した中国の善爾健康集団について、投資者の適格性、急患診療体制に問題があるとして、申請を認めなかった。

済州=オ・ジェヨン記者
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