哨戒艦「天安」爆沈事件や延坪島砲撃事件の主体が北朝鮮であることを明示しなかったり、北朝鮮の一方的な主張だけを取り上げたりした高校用韓国史教科書6種類について、教育部(省に相当)が修正を命じたのは適法だという裁判所の判決が下った。ソウル行政裁判所行政5部(キム・ギョンラン裁判長)は2日、金星出版社・斗山東亜・未来N・飛翔教育・志学社・天才教育の6社の韓国史教科書の執筆者12人が教育部を相手取り「特定の歴史観を強要した修正命令を取り消してほしい」と求めた訴訟で「内容を精査したところ、命令の必要性が認められ、審議の手続きや方式も適法性が認められる」として、原告の訴えを退ける判決を言い渡した。
行政裁は6社の教科書の執筆者たちが「問題がある」として訴訟を起こした修正命令について、一つずつ詳細に評価し「誤解の余地がある表現をなくしたり、直させたりし、生徒たちが歴史的な意味を正しく理解できるようにした措置であるため、全て適切といえる」との判断を示した。
2013年、教育部による教科書修正命令が下された当時、最も論議を呼んだのは「『天安』爆沈事件や延坪島砲撃事件が発生し、南北関係が行き詰った」としながら、これらの事件の主体が北朝鮮であることを明示しなかった斗山東亜と志学社の教科書の内容だった。教育部は「主語が略されていて、主体がはっきりしない」と指摘したが、執筆者たちは「主体が北朝鮮だという事実をあえて明記することにより、北朝鮮に対する否定的な側面ばかりを強調、浮き彫りにし、北朝鮮について生徒たちに「対決を通じ一掃すべき勢力」という認識だけを植え付ける恐れがある」と主張した。