韓国で労働界と経済界、政府が労働市場の構造改善策を議論している中、労働界が最低賃金の大幅な引き上げを訴えた。
韓国労働組合総連盟、全国民主労働組合総連盟、青年ユニオン、参与連帯などでつくる「最低賃金連帯」は2日午前、ソウルの光化門広場で記者会見し「来年の最低時給を1万ウォン(約1100円、月給にして209万ウォン=約23万円)に引き上げるべきだ」と訴えた。これは今年の最低時給である5580ウォン(約610円、月給にして116万ウォン=約13万円)の1.8倍に当たり、79.2%の引き上げを要求したことになる。最低賃金は昨年7.2%上がったのに続き、今年は7.1%引き上げられた。
最低賃金連帯は「労働者の基本的な生活を保障するため、最低時給を必ず1万ウォンに上げるべきだ」「労働市場の構造改悪では『チャン・グレ』を生かせない」などと主張した。チャン・グレは昨年放送されたドラマ『未生』の主人公で、非正規労働者を指す。
これに対し、韓国経営者総協会の関係者は「労働界が最低賃金を上げるべきだという社会のムードに乗じて根拠のない主張をしている」と批判し、これを聞き入れれば、最低賃金労働者の多くが働く零細企業やコンビニなどが次々と廃業に追い込まれるだろうと述べた。来年の最低賃金は労働者、使用者、公益委員の計27人からなる最低賃金委員会が審議し、8月初めに確定する。