米貿易代表部(USTR)は、韓国で1月から施行された「化学物質登録・評価に関する法律」(略称・化評法)を貿易障壁の一つと見なし、今後通商摩擦の要因になると予想されている。
USTRは2日、報告書で「化評法により、センシティブな企業情報が流出しかねない」として強い懸念を表明した。USTRが毎年3月に議会に提出する報告書は、その後の米国の対外通商政策に反映される。
化評法は海外から化学物質を輸入する場合と韓国国内で新たに化学物質を生産する場合、環境部(省に相当)への登録を義務付けることを骨子としている。2013年に環境部と産業通商資源部が欧州など先進国の水準に合わせる形で共同で提案した。
問題は国会審議の過程で、規制が当初案よりも強化され過ぎた点だ。一例として、欧州の場合は登録基準が1トン、米国の場合は10トンだが、韓国は適用対象を1トン未満にも拡大し、事実上全ての化学物質を対象に含めた。国会審議の当時、慶尚北道亀尾市の工業団地で起きたフッ化水素酸漏出事故などが社会問題となり、規制対象が大幅に拡大されたものだ。