国防問題について 2


明主様御垂示 「日本社会党左派は日本を第二の中共にしようとしている」 (昭和28年5月1日)

信者の質問
「先般京都での御講演で、アメリカの機構に変化があるということをお伺いいたし帰りましたところ、

信者さんが聞いて来たことでアメリカからそうとうな人が来て、アメリカの民主主義に疑惑を抱いた人が多いという講演をしていたようでございます。

また今般の選挙の模様からゆきまして、左社(社会党左派)が非常に進出し、二大政党ということが論議されておりますが、

あのままでゆきますと左社が非常な勢力を得ますが、あれが本当のものでないということも思いますが、そういう点につきましてお願いいたします」

明主様御垂示
「しかし、左社が景気が良かったのは何でもないのです。

つまり日本の選挙権は女にもたくさんあり、男の数よりも多いのです。

それで女が多く左社に投票したのです。

というのは再軍備反対は左社だけで、あとは曖昧だから、そこで自分の亭主や枠が兵隊にとられてはたいへんだというので、

それがないためには戦争がなければよいのだからして、左社に入れたのです。」


信者の質問
「背景としてソ連、中共がすぐ隣にあるというので予想していたのもあるようでございますが」

明主様御垂示
「だから左社は日本を第二の中共にしようというのです。

そうすれば軍備は要らないわけです。

軍備というのはソ連の進入に対する軍備で、アメリカが侵略するということはないのだから、そうすればこれは軍備の必要はありません。

それで左社は日本を共産主義にして中共と同じように、少し有力な働きのある人間は殺してしまおうというわけです。

だから怖いです。

ところが女というものは大局を見ないで、まず自分の枠や亭主が兵隊に行かなければよい、あとはどうなろうがよい、という考えでもありませんが、ただ単純な考えで投票したのです。

それがよく現われてます。

そこで改進党が割に悪いのは再軍備を力強く名乗っているので振るわなかったのです。

それから鳩山派も再軍備を言ってます。

それから右社のほうは場合によってはしても良いと、ちょっと匂わせているのです。

そこで嫌って左社ほどには行かなかったのです。

それから自由党が割に良かったのは、実際にはしていながら再軍備はしないと言っているが、そこをうまくカムフラージュしているのです。

そこで自由党なら割にしないから、まあよいだろうというのでああなったのです。

ですから再軍備をするしないで各政党の割合がはっきりしています。

だから別に立派な理屈も何もありません。ただそういうことが現われているのです。」


信者の発言
「とにかく左社というのは立派ではありませんから」

明主様御垂示
「共産主義というのは没落するのです。」 (中略)


信者の質問
「京劇(の講演)にて、共産主義も資本主義もあべこべだということがございましたが、具体的にはどういうことでございましょうか」

明主様御垂示
「それは比べればあべこべでしょう。

あべこべというのはどういうことですか。」


信者の質問
「真理に外れているというので」

明主様御垂示
「いや、反対だからあべこべだというのです。

夏と冬、夜と昼というのと同じで、それだけのことです。」




明主様御講話 「日本社会党はソ連の味方」 (昭和28年11月26日)

「二、三日前にアメリカの女の新聞記者が来ましたが、その人の御亭主はNHKの外語放送をやっている人です。

夫人は日本タイムスという新聞の記者で、私のことも今度出すことになってますが、

いろんな話の中で、アメリカ人には非常に金持ちができるというのですが、その金持ちの弁明をしているわけです。

これは日本人はふだんから、アメリカの金のあるのを羨んでいるのを、ちょっと言い訳を言うかのように言ってましたが、

ロックフェラー三世で、今は孫になっているそうですが、よく知っているらしいです・・・にしても、あんまり金ができすぎてしまって、

もう金などはいらないと言っているそうです。

だから頭は始終世界を平和にして、人類をみんな幸福にさせるということしか考えていないというのです。

それでロックフェラーだけでなく、アメリカの大きな金持ちというのは、みんなそういう考えを持っているそうです。

というのは、つまり非常に金が儲かる、金が溜まるような組織にもなっているし、日本みたいにそういう無駄とか、結果において不利益なことというのはアメリカ人は嫌いです。

だから国が富んで、そのためにああいう、今言ったように日本人が崇拝するような国になってしまったわけです。

そこで私はそれに対して、かえって私の方で言い訳を言ったのです。

アメリカで金を集め、非常に富むということは、自分たちが贅沢したりいばったりするというためでなく、世界を平和にするということのためだ。

それについては非常に金がいるから、アメリカで金を集めるということは、根本は正義感だ。

それでアメリカくらい正義感が強い国はないので、それで私はアメリカを非常によいと思っている。

とにかく世界の正義を維持しているのはアメリカなので、それにはやはり非常に物資もいります。

たとえてみれば軍備です。

だからアメリカが金を集めるという根本はそういう目的だからして、大いに集めて金持ちがたくさんできた方が結構だと思う、と言ってやりました。


私はふだんから思っているのは、もしかアメリカのあの富がなかったら、世界は共産主義になってしまいます。

とにかく共産主義の根本は人類愛ではないので、世界を自分の支配下にして、

そうして要するに世界封建・・・ロシア帝国を造って、そうして世界を自由自在にしようというので・・・

そういった根本が悪ですから、それではいけないから、それを押さえるというのはアメリカの力です。

朝鮮問題にしても、最初北鮮が南鮮を攻撃して釜山まで来たときに、もしアメリカが救わなかったら、もう、とうに朝鮮は北鮮のものになっていて、

南北朝鮮を合併して、その後を中共が押さえ、その後をソ連が押さえているということになります。

そうしてその次には日本にやってくるに決まってます。

ですからもしあの時にアメリカが乗り出さなかったら、日本は中共のものになって、

われわれは共産政策のもとに、ナッパ服のような物を揃って着ていなければならないのです。

なにしろ中共の国民はみんなナッパ服です。

それをとにかく中共を押さえて、こうやっていられるのはアメリカのお蔭です。


それをアメリカのそれに反対して、怨むのではないが、怨ませるように煽動しているのです。

社会党のように・・・。

そうして軍備をさせないように一生懸命にやってますが、

この軍備をさせないということは、いずれは中共やソ連が日本をやっつけるときに、日本に軍備があるとよけいな手数がかかるというわけで、ぜんぜんソ連の方の味方です。

そうして投票までするのがあるのです。

ただ軍備をなくすれば亭主も伜(せがれ)も兵隊にとられない、安全だというわけなのですが、そこにちょっと気がつけば、なんでもないのです。

そうすれば、ある程度はやはり軍備をしなければならないのです。

いかに再軍備反対と言ったところで、そんなことにはかまわずドンドンやってゆきますが、

これはやはり神様は邪には味方しないので、正の方に味方するから、心配はありませんが、そういうようなわけで、なかなか簡単にはゆかないわけです。」




明主様御講話 「ソ連協力者の霊的系統」 (昭和28年12月6日)

「ですから、とにかく本当に国家国民のためになるということを、ぜんぜん考えないのかと思うようなことがあるのです。

酷いのになると、日本人の中に日本人かロシア人か分からないような人もたくさんあります。

日本の利益よりかソ連邦の利益のほうを考えているような行動をしているようなのがありますが、これはどうもおかしいのです。

日本人でありながら日本の軍備をなくした方が良いと言うのですが、そうするとソ連が日本を侵略するときには、それは楽です。

それでソ連も軍備をなくするのなら結構ですが、ソ連は原子爆弾をドンドン作っていて、日本を無防備にしようとするのですから、そうなれば、ひとたまりもないです。

それをいばってまじめで言っているのですから、「あなたの国籍はどこですか」と聞きたいくらいです。

それを新聞などで堂々と書いているのですから、不思議な国です。


私は霊的のことを知っているからよいのですが、霊的のことを知らなかったら、実に不可解な国というよりないです。
 
これは私はいつか書いたことがあるが、日本人の中には、昔コーカサスから渡ってきた民族があり、これが日本の土匪(どひ)・・・熊襲(くまそ)・・・川上梟帥(かわかみたける)とか八十梟帥(やそたける)というものですが、そのうちの一つがアイヌなのです。

これがだんだんあっちに押し込められて亡びつつありますが、その霊的の系統がみんな共産主義者になっているのです。

祖先はロシアから渡ってきたのだから、本国の利益を図るということはあたりまえです。

それが分からないと、実に不思議と思うよりしようがないです。」




明主様御講話 「再軍備反対者は心根が卑しい」 (昭和29年1月25日)

「そういうわけで、つまりいつも言うとおり、日本人のああいうジャーナリストというのは、とにかく目玉が小さいので、大きいものを見ることができないのです。

全体的に見ることができないで、局部的に見るのだからしようがないわけです。

結局ナンダカンダ言っても、日本人の目のクリ玉の小さいということが、日本の発展を阻害しているわけです。

日本を伸びないようにしているわけです。

仮に自然栽培にしても、立派な成績を、農業者や農事試験場の役人が見ながら、それを取り上げようと考えないのです。

いかにしてこれを非難して、拡がらないようにしようか、押さえつけようか、ということに一生懸命です。

でなければ、もし自然栽培が天下に知れたら、農学者などの自分の説が一ぺんに壊れてしまいますから、それがつらいのでしょう。

それから農林省の役人はクビの問題になるでしょうし、とにかく国家社会とか世界人類ということより、ただ自分の利益ばかりを考えているのです。

それからまた、そういうことに対して、大新聞などは自然栽培を大いに紹介しなければならないわけですが、そういうことはないのです。

そのくせ朝日などは調査しているのですが・・・。

しかしそれをやると肥料会社の方が大変なのです。

致命的打撃になります。

だからして肥料会社のほうなども、しかるべく・・・箝口令(かんこうれい)ではない、緘筆(かんぴつ)主義もやっているのではないかと思います。

彼らの頭というのは自己の利害ばかりを考えているわけです。

これは新聞や学者ばかりでなく、政治家でもそうです。

我党我党で、社会党などの講演にしても、ほとんど理屈のないところに理屈をつけて、苦しまぎれにただ政府のやり方を非難して、

自己を離れての本当に国家や多数国民のための利益ということは少しも考えないのです。

実に露骨に自己の利益しか考えないようにやってますが、ああいうことは決してごまかされるものではないですから、あれを聞いて、心ある人はそのさもしい心を見抜きます。


ですから再軍備反対ということも、徴兵適令期の青年とか、あとは爺さん婆さんという連中だけが賛成するのです。

彼らのさもしさというものは実にかわいそうなくらいです。

けれども時の問題で、もう遠からずそういうのがみんな改心せざるを得ない情勢になってきますから、別にたいした問題ではないのですが、そういうようなわけなのです。

特に日本人などが、ほとんど幸福な人間というのはないので、不仕合せな人間ばかりが蠢(うごめ)いているようなわけです。

それで幸運の秘訣ということを書いてみたのです。

以前にも書いたことがありますが、もっと分かりよく徹底して書いてみました。

(御論文「幸運の秘訣」発表)」




明主様御講話 「新聞記者と学校の教師を共産主義者でなくするのが一番」 (昭和29年1月26日)

(御論文「再びジャーナリストの考慮を望む」発表)

「これを読んだらいささか痛いだろうと思います。

今話したアメリカの新聞記者の見方に対して日本の新聞記者の貧困さは、実際あきれるほどです。

日本の新聞記者というものは、まだ封建の殻から抜けきれないのです。

指導者たるジャーナリストがまだそういうような封建的頭脳があるから、日本の政治でも社会でも実にはっきりしないのです。

現在一番悩んでいる国家経済にしても、実に危機を叫ばれているくらいなのです。

今日本で一番肝腎なことは、もっと国民の目の玉が大きくなることです。

あんまり小さなことばかりに囚われているのです。政治界などを見ても、あんまり小さな問題をコセコセしすぎるのです。

政治の争いにしろ、特に社会党などはそうです。

問題の良いとか悪いということは、とうにそっちのけになっていて、ただ自分の言い出したことは、是が非でも良いように思わせようとするのです。


一番滑稽なのは再軍備問題です。

もうここまで来て再軍備に反対したところで成功するわけがないのです。

国際情勢から見て、アメリカは日本のある程度の軍備を要求するし、それから日本の国家としても、これだけの舞台で兵隊がないという国は世界中にないです。

この間のアメリカの副大統領の話にも、台湾でさえ・・・蒋介石は別の意味がありますが・・・

その軍備は、日本が今度軍備するよりも、とうてい追いつかないほどできつつあるのです。

そういうことにしろ、世界中見まわしたところ、社会党の言うような、軍備なしですむわけがないのです。

それでいて、今もって一つになることを、御苦労様に方々講演したり、鈴木茂三郎などが怒鳴ってますが、哀れなくらい低級です。

それをまた新聞などがまじめに書いてます。これは書かなくてもよいのです。

書いてもなんにもならないのです。

あたかも、バスに乗り損なって、バスがドンドン向こうに進んでいるのに、まだ追いかけているようなもので、追いつくわけはないです。

その判断がつかないのですから、不思議と言いますか、あまりに日本の社会が低級すぎるのです。

それもこれもジャーナリストの頭が今読んだような具合だからです。


私はよく、共産主義のことについても、解決にどうすればよいかと言うから、わけはないと言うのです。

「新聞記者を選り分けて共産主義でない新聞記者にし、それから学校の教師も共産主義者でなくすれば、それが一番だ。

それさえやれば共産主義などは心配したり恐れたりすることはない」と言います。

昨日の新聞かラジオでも、小学校の級の生徒が同盟して休校しましたが、

それは教師が共産主義で、共産主義を生徒に吹き込むので、それに対して生徒が同盟して・・・ というのですからおもしろいです。

そういうように子供からそういう教育をしようというのです。

だいたい日本の先生がどうして共産かぶれになるかというと、これも分かりきったことで、その因は大学教育です。

では大学教育がなぜそういうことをするかというと、先生が一生懸命にやって出世したところでしれたもので、大学総長などにはなれるわけがないので、教授としてもちょっと上位になるくらいなもので、つまらないものです。

それよりか、日本を共産主義にすれば、少なくとも知事や、あわよくば国務大臣ぐらいにはなれるでしょうから、

そこで日本を転覆して、自分が良い地位につきたいというのです。

ですから日本を良くするという、そういうことはなにもないので、自己の利益から共産主義にした方が有利だという算盤から割り出しているのです。

だから学校の共産主義者というのは、国家を転覆して、多くの犠牲などはなんでもないので、自分が良くなればよいという、それだけの考えです。

社会党などもそうです。鈴木茂三郎というのは、日本を共産主義国家にして、総理大臣になりたい。

そうしてソ連のマレンコフや中共の毛沢東のようになりたいというそれだけのことです。

そのために血を流している国民こそかわいそうなものです。

それがだんだん露骨になって、以前は学理上でやってきましたが、それではまだるっこいので、できるだけ直接行動をしようというのでやっているのです。

だいぶその直接行動が現われかけてきました。この話はそのくらいにしておきます。」




明主様御講話 「共産主義というのは神様の大きな御用をしている」 (昭和29年2月15日)

「そういうわけで、ソ連の目的はインドシナをやっつけて、今度はタイ国をやろうとしてます。

ですから最近タイ国は国境線に非常な軍備をしてます。タイ国をやっつけて、今度はインドを狙っているのです。

そこでインドは、いずれはやられるということが分かっているから、ネールはよほど以前からお世辞をつかってます。

ですから、そうなったらインドとは平和的の条約を結ぶということになるでしょう。

そうしておいてイラン、イラク、アラビアの方に進出するわけです。

そこまでゆかないまでも、あるいはインドぐらいまでで一時止めて、今度はふたたび南朝鮮と日本ですが、あるいは南朝鮮の方は後にして、日本の方を先にするかもしれません。


だから、今はまだまだですが、いずれは日本は非常に危ないのです。

それがうすうす分かっているから、そこで日本の軍備を大いに充実しようと思って、アメリカなどが非常に吉田内閣にやってます。

それでしぶしぶながら政府も軍備をやりつつあります。

ところが、ソ連の方が来るそれまでは、日本に軍備を充実させてはいけない、日本を弱らせなければならないというのでやっているのが、社会党左派です。

共産党はそうでもないが、とにかく表面立ってやっているのが社会党左派です。

しかし左派は、とにかく日本をやっつけようというばかりでなく、日本はソ連にくっつけておこうというわけです。

ですから鉄のカーテンの中に入る、要するに第二の中共になれば、ソ連は日本を攻撃することはないのだから、

そこで軍備の必要はないと、再軍備反対を一番唱えてますが、社会党左派の方針でゆけばそれには違いないです。

ところが、そうすると日本は共産国になりますから、日本人で共産政治の方を喜ぶ人は、ずっと少ないと思います。

やはりアメリカのやり方に賛成する人がずっと多いです。

そこで共産主義の方もそう急いではいないのです。

今これからやろうというのは、今言う中央アジア方面をすっかり手に入れておいて、日本と南朝鮮を孤立的の形にして、

できるだけアメリカが援助しないような妨害をするということや、

なんとしても日本はアジアの急所ですから、肚の中では一番に日本を目掛けているのです。

またそれが分かっているから、アメリカは日本を非常に援助しているのです。


ところがアメリカが援助しては具合が悪いから、アメリカを非難するような宣伝もだいぶしてます。

そういうようで、これからの世界の動きは、そういうふうに動いてくるわけです。

これは霊的のことではなくて体的の方です。

むしろ常識的の方で、ちょうどラジオのニュース解説のような話ですが、だいたいそれだけを知っておけば、これからの見当がつくわけです。

神様の方の、霊的の方は違うのです。

これはだんだん分かりますが、神様の方は、なかなか神秘明かすべからずなのです。

しかしメシヤ教の進み方によってだんだん分かってきます。

そして今言ったことも、結局神様の世界の御経綸ですから、それでよいのです。

共産主義というのは、神様の大きな御用をしているのです。

大本教のお筆先に「細工は流々、仕上げをごろうじろ」というのがありますが、そういうようなものでしょう。」




明主様御講話 「日本社会党左派の目論見」 (昭和29年2月17日)

「今一番騒がれている問題は汚職問題です。今朝の新聞では、有田二郎という代議士が家宅捜索を受けたり、逮捕許諾請求問題で、政治界のほうに火がついたわけです。

そうするとまた大きな問題になるわけですが、とにかく霊界が明るくなったせいか、めちゃめちゃにああいう暗闇の罪が明るみへ出てきたわけです。それについて書いてみました。

(御論文「汚職の母体」)


今読んだような具合で、問題は神様を知るか知らないかだけの話なのです。

一昨日ある人から聞いてみると、池田勇人をこの間から喚問するすると言われていながらグズグズしているのですが、聞いてみると池田を喚問すると、今度は重光が喚問されることになるのだそうです。

そうすると、自由党も改進党もめちゃめちゃになってしまうのです。

それでなんとかしていろんな対策を講じているのだそうです。

そういうようなわけですから、これがだんだんゆくと、どこまで拡がってゆくか分からないが、遠慮なく拡げれば日本の右翼は全滅になってしまうわけです。

そうすると社会党の方が頭を持ち上げて、政治界をリードすることになりますが、それではせっかく今始めている軍備に大いに支障を及ぼすことになりますから、そこである程度で食い止めなければならないことになります。

食い止めるとすると、司法権の方、すなわち検事の連中を押さえなければならないのです。

ところが検事の連中にも社会党の分子がだいぶあるのです。

社会党の分子というよりも、むしろ共産分子ですが、それもそうとうあるらしいのです。

しかし、それよりかこれよりか、検事連中、裁判官連中としては、大いに手柄になりますから、それで腕を見せるというようなことで、若い連中などは、徹底的にやっつけてやろうという分子も大いにあるのです。

一方アメリカに対するの方は、もういい加減で食い止めなければならないということになって、政府も大いに苦境に陥るわけです。

結局ある程度でぼやかすだろうと思います。それに対して世論は・・・これは新聞やなにかも大いに怒鳴るでしょうから・・・パッとはしない代わりに、随分ゴテゴテするということになると思います。

今日の有田召喚というのは政治界に火をつけたわけですから、これがどれくらい拡がってゆくかという興味もあるわけです。


ところでアメリカはアメリカとして日本の軍備を必要とし、そしてまた日本でも首脳部は軍備に対して大いにこれを充実しなければならない理由があるのです。

それはどういうわけかというと、ソ連の方針はこういうわけになっているのです。

朝鮮問題はソ連の方から言うと大失敗なのです。

あの時の計画では、アジア全体を鉄のカーテンに入れてしまおうというのが、スターリンの主なる目的だったのです。

それを、東の方からやろうか、西の方からやろうか、あるいは中央からやろうか、

という三つのうちの東の道(北にもかかってますが、だいたい東です)をとったわけです。

そこで中共を援助して、そうしてだいたいその仕事を中共にさせようとしたわけです。

それで、最初北鮮をおどらして南鮮にあのとおり向かってやったところが、南鮮は案外脆く、たちまち釜山まで進撃してしまったのです。

あわよくば朝鮮全土を呑んでしまって、そうして日本を狙おうともしたのです。

ところが九分九厘までいって、アメリカの方が国際連合をつくってウンと反撃したので、それがうまく成功して、とうとうソ連は追いつめられた結果、

あの時マッカーサーは一挙に北鮮を全部やっつけてしまうというところまで来たのですが、

この時にトルーマンが弱腰で、あそこで止してしまいましたが、しかしあれも奥の奥は神様がやっているのだから、あれでよいわけなのです。

そうしておいたけれども、結局蛇の生殺しですから、これを徹底させなければならない。

それにはどうしても中共をやっつけてしまうことです。

無論北鮮をやっつけて朝鮮を元通りにし、中国も蒋介石を大いに援助して元のように蒋介石の中国というようにすべく、

そういう作戦を立てて大攻撃の準備を、アイゼンハウアーになってから着々始めたのです。

そこで中共も、さんざん戦争をしてヘトヘトになっているところに、今度大仕掛けにやられたら、ひとたまりもなくやっつけられてしまいますから、これはたいへんだというわけで、

これをなんとか一時押さえをしなければならないというのが平和攻勢で、これが一昨年ソ連の大使のマリクが停戦会議を提言したわけです。

そういうわけで、つまり本当に平和にしようというのではないので、ただ一時アメリカの計画を食い止めるというわけで、

あの時にしきりにアメリカの御機嫌をとるような態度に出ました。

そこでだんだん交渉していたけれども、結局本当の停戦交渉も、結ばれたような結ばれないような、変な具合になっていました。

そうして今さかんにモロトフが四国会議で活躍してます。

モロトフは中共を入れて五国会議にすると言ってますが、それはできないことは分かっているのですから、結局ソ連の方は時を延ばしているのです。

時を稼ごうというわけです。それを英国もフランスも平和ができるかのごとく、楽観したり悲観したりしてます。

もっともフランスというのは屋台骨が傾きかけているから、腰がすわってないから、

ただ平和でさえあればよい、あんまり国の面目を傷つけない限り、なんとか平和にすればよいという、意気地なし態度がよく見えるのです。

そういうわけで、一方ソ連の方はそうしながら、今度は中共の方はドンドン戦いの創痍(そうい)を治しつつあったのです。

それで、ようやくこのごろ中共の方も傷が治ったので、今度は第二の作戦に取りかかったのです。

それが仏印です。ホー・チミン軍をウンと援助しているのです。

今度はホー・チミン軍の武器などもこの前とは違って、なかなか今まで使わないような、戦車のようなものでも、そうとう充実しているようなのです。

だからだいぶ勢いが猛烈で、かなりな地点まで進撃しました。

そこでフランスは、やはり七、八年に及ぶ戦争のために非常な損害を受けて、もう食い止める力がないので、今度はアメリカがだいぶ乗り出してきました。

しかしアメリカも下手に乗り出すと第二の朝鮮戦争になるというので、だいぶ世論がやかましいのです。

けれども第二の朝鮮戦争になっても、これは仕方がないのです。

あるいはなるかも分からないという形勢になってきました。

つい二、三日前の新聞に出てましたが、B29を二十機急遽飛ばしたというようなことですから、なかなか容易ならぬ形勢になってきたわけです。

そこでもしホー・チミン軍が仏印をやっつけてしまえば、今度はタイに出ますから、そこでタイの方でも最近国境線に非常に防備をやっているようです。

そうして今度はソ連の狙い所はタイからインドです。インドもいずれはそういう時が来るとたいへんだというわけで、ネールは随分ソ連にお世辞をつかってました。

インドは戦争でなくて、平和条約を結ぶことになるでしょうから、そうすると、とにかく中国からインドまではすっかり中共の勢力範囲になるわけです。

そうしてソ連の方の肚はイラン、イラクからアラビアまで行って、とにかく日本と朝鮮を除いたアジアの鉄のカーテンというものをつくる計画なのです。


そうしておいて、一番手強い日本を最後にするわけです。

その時には南朝鮮よりも日本の方にかかるだろうと思います。

日本を完全にやっつけてしまって、完全にアジアを自分の手の中に納めようというわけです。

それは間違いないです。

このことはアメリカの方は知ってますし、勿論日本の政府も知ってますから、そこで大いに防備を固めなければならないというわけです。

それには、今の汚職問題をあんまり拡げて、自由、改進の保守派の方をあまりにひどくやると、

今度は社会党の方が政権を握らなければならないということになると、

その軍備に対するたいへんな支障を及ぼしますから、この問題もある程度以上には進めないという・・・

これは大乗的考えから言うと、どうしてもそれより他にしようがないのです。

ところがソ連の方では日本を強くしてはいけないから、どこまでも弱めなければいけないという考えで、いろいろな方策をやっているわけです。


その中心が社会党左派で、鈴木茂三郎がそれです。

どうしても日本を弱めなければならないので、そこで再軍備反対とか、あるいはアメリカを排撃しろとか、どこまでもそういう政策をとっているのです。

一方そういう政策をとりながら、一方さかんにストライキを起こして、日本の製造工業を弱めなければならないというので、

ストライキ戦術というのは、そういう根拠からやっているわけなのです。

しかし労働者はそんな考えはないので、ただ賃金さえ上がればよいのです。

だから今のほうぼうのストライキを見ても、賃金闘争です。

大きな目で見ると、日本をソ連が呑む、結局やっつけて、そうしてアジア全部を鉄のカーテンに入れる、そうしてしまえば、今度はソ連がヨーロッパをやっつけるのはわけないです。

そうしてアメリカを孤立してしまって、それで世界制覇の大目的は達成されるわけです。

そこでアメリカは、そうなってはたいへんだからというわけで、日本を援助しなければならないというので、日本はその目標になっているわけです。

つまり鍵になっているわけです。

と言っても、今が今そういう事態にはならないが、もしか中央アジアがやっつけられれば、次はそういう事態が起こらざるを得ないということになります。

それには、日本を強くするか弱くするかということなのです。

それで、強くしようというのが右派であり、弱くしようというのが左派なのです。

だいたいこの間も言ったとおり、社会党左派の目的は日本を第二の中共にしようというのですから、

第二の中共にすれば、とにかく日本はソ連から戦争をされる憂いはない、従って軍備の必要はないというわけなのです。

どういうわけで左派が軍備不必要を唱えるかというと、ソ連という敵がなくなれば軍備の必要はないのです。

ですから理屈はあるのです。


ただ日本の人民が、共産政治の方がよいか、それともアメリカの資本主義がよいか、どちらかというと、まず日本人の大部分はアメリカの方がよいという人の方がずっと多いわけです。

われわれもそうです。共産主義の方を嫌う人の方がずっと多いです。

けれどもそこまでみんなは知らないから、軍備があれば戦争になる、そうすれば亭主や伜(せがれ)が引っ張られる、

あるいは青年は自分が戦争をするのは、命がけだから嫌だ、というそういったホンの利己愛で、自己的の小乗的の考えの人はそうとう多数あります。

しかし結果が、共産政治のもとに支配される人民になるということが分かれば、どうも賛成する人はないだろうと思います。

それをもっとはっきり分からせるべく新聞などが書けばよいのですが、またその新聞記者やなにかの中に、今言う共産治下の人民になるのを好む人がだいぶあるらしいのです。

そこで、はなはだはっきりしない点があるのです。

それで、われわれが共産主義を嫌いなのは、共産主義は無神、無宗教、無神主義のカチカチで、こっちは有神ですからどうしても食い違ってくるわけです。

今の話は本当の常識的の、ラジオ解説みたいな話ですが、神様の方はまた秘中の秘と言うか、その奥には奥がありというから、結局これでよいわけです。

共産主義も結局大きな御用はしているわけです。

神様の方はまた別としても、今言ったようなことだけはだいたい知っておく方が、これからの世界の推移が分かりやすいですから、話したわけです。」