共産主義について 4


明主様御講話 「新聞記者と学校の教師を共産主義者でなくするのが一番」 (昭和29年1月26日)

「私はよく、共産主義のことについても、解決にどうすればよいかと言うから、わけはないと言うのです。

「新聞記者を選り分けて共産主義でない新聞記者にし、それから学校の教師も共産主義者でなくすれば、それが一番だ。

それさえやれば共産主義などは心配したり恐れたりすることはない」と言います。

昨日の新聞かラジオでも、小学校の級の生徒が同盟して休校しましたが、

それは教師が共産主義で、共産主義を生徒に吹き込むので、それに対して生徒が同盟して・・・ というのですからおもしろいです。

そういうように子供からそういう教育をしようというのです。

だいたい日本の先生がどうして共産かぶれになるかというと、これも分かりきったことで、その因は大学教育です。

では大学教育がなぜそういうことをするかというと、先生が一生懸命にやって出世したところでしれたもので、大学総長などにはなれるわけがないので、教授としてもちょっと上位になるくらいなもので、つまらないものです。

それよりか、日本を共産主義にすれば、少なくとも知事や、あわよくば国務大臣ぐらいにはなれるでしょうから、

そこで日本を転覆して、自分が良い地位につきたいというのです。

ですから日本を良くするという、そういうことはなにもないので、自己の利益から共産主義にした方が有利だという算盤から割り出しているのです。

だから学校の共産主義者というのは、国家を転覆して、多くの犠牲などはなんでもないので、自分が良くなればよいという、それだけの考えです。

社会党などもそうです。鈴木茂三郎というのは、日本を共産主義国家にして、総理大臣になりたい。

そうしてソ連のマレンコフや中共の毛沢東のようになりたいというそれだけのことです。

そのために血を流している国民こそかわいそうなものです。

それがだんだん露骨になって、以前は学理上でやってきましたが、それではまだるっこいので、できるだけ直接行動をしようというのでやっているのです。

だいぶその直接行動が現われかけてきました。この話はそのくらいにしておきます。」




明主様御講話 「共産主義の根本は思想による世界制覇」 (昭和29年2月15日)

「よく聞かれることですが、「これから世界はどうなるのだ。戦争はあるものか、ないものか。つまり原子爆弾の戦争、これはなくてすむものか、どうしてもあるのか」ということを、時々聞かれるのです。

それについてザッと話をします。一応は心得ていてよいと思います。

これからの世界の動向を見るときに、一番の急所はソ連の考え方です。

とにかく今世界をアメリカがリードしているようですが、そうではないので、本当はソ連がリードしているのです。

ソ連しだいで平和にもなり戦争にもなるのです。ソ連というのは世界のダダッ子です。

これが暴れるかおとなしくなるかということで、世界中の人間が不安なわけです。

では、いったいソ連の考えはどういう考えであるかということを、ザッとお話しします。

勿論伝統的に世界制覇が国是のようになっている国です。これは前のロマノフ朝時代からそうなのです。

その点は、共産主義になってからも変わりがないのです。ただ手段が違うわけです。

これは説明の要はありませんが、だいたい共産主義というものは、マルクスが唱え始めた主義です。

そこでそれをレーニンが具体化というか、実行に移したわけです。

その根本は世界制覇であって、ただその手段が、ナポレオンとかヒトラーのような暴力でなくて、思想によって世界を制覇しようというわけです。

そこでその背景としての軍備であって、どうしてもやむを得ないときには軍備を使うが、

しかしそれは損だから、できるだけ思想を使うということになっているのです。

その方法として学者と労働者ですが・・・これは共産党宣言にもありますが・・・。

この学者と労働者をおどらしてやるというわけで、これは日本に一番現われてます。

学者というのは学校の教授連です。特に大学の教授が中心になってます。

だから学校の生徒を共産カブレと言って騒ぐのは滑稽なのです。

生徒は先生しだいです。

だから生徒をつるし上げたところでしかたがないのです。

つまり学校の教授なのです。これについて一昨年でしたか、今の木村保安庁長官が、長官にならない時分に箱根の美術館に来て、私は一時間ばかり会って話をしました。

そのときにーあの人は共産主義がばかに嫌いなのです。

共産主義に対する非常な反感を持っているので、それがあの人が保安庁長官になった一つの理由だろうと思っているくらいです・・・

私は、共産主義をやっつけるのは、結局新聞と大学教授・・・これだけの頭の切り替えができればなんでもない、ということを言ったことがありますが、

そういうようなもので、結局大学教授と新聞、特に大新聞が、共産主義をはびこらせないような頭になれば、そう心配することはないです。

今一番心配するのは大学教授と大新聞の中にいる赤の分子で、これだけを気をつければよいのです。

他にはなにも力になるものはないのです。大学では、京都大学に根強いメンバーがあるのです。

だから京都大学には、今もって始終ゴタゴタがあるのです。

では、いったい大学教授なるものが、なんでそんな宣伝をするかというと、日本が共産国家になれば政府が変わりますから、

その政府になれば、日本をそうするのに骨折った人の論功行賞がある場合に、大学教授は少なくとも知事くらいにはなれるのです。

中には国務大臣ぐらいになるでしょう。

それが一番出世が早いのです。

それでなければ、教授連中が正直に講義して、安月給をもらったところで、たいした出世の道はないのです。

大学の総長になるということはたいへんですから、一番手っ取り早い出世は日本を共産国にして、その政府の重要な職になるということなのです。

ですから、つまり日本の国家とか国民ということは頭にないので、自己が出世することだけです。

それには政府を変えてしまうということが主なる目的なのです。

それはすっかり話し合って、通じてやっているのです。


それはごく中心ですが、その他に、良い考えでやっているのもあるのです。

本当に世の中を良くするというのには、共産主義が一番よいという考えです。

これも理屈はあるのです。

それは、神はないと、神を無視する無神思想とすれば、理屈よりないから、理屈でゆけば共産主義が一番よくできているのです。

「最大多数の最大幸福」というのですから、つまり中以下の下層階級が一番多いのですから、それを幸福にするというのが共産理論の根本です。

しかし事実はまる呑みにはできないのです。

というのは、中共などが共産国家になったところで、人民全部が菜っ葉服を着て、ああいう着物を着ようとか、こういう着物を着ようという個性は非常に圧迫されているわけです。

ちょうど昔の朝鮮が白い一定の形をした服を着てましたが、それを中共がまねしたようなものです。

その代わり、食うだけは心配なく、学校はただで行けるし、教科書もただでもらえるし、税金なども日本のようにビクビクすることはないです。

だから、大多数の者はそうとう幸福です。

その代わり、少し頭のある者や腕のある者は困るのです。

どうしても政府の重要な人間にならなければ、個性を発揮することはできないのです。

しかし理屈から言えば、多数の人間が幸福になるのだから、理屈はよいです。

その点においては、この理屈を壊すということは難しいために、今もってああいった学者階級、学生というものが共産主義を非常に讃美するわけです。

これはわれわれの方で宗教的に言えばぜんぜん違いますが、物質的にはそうなるのだから、そこでどうしても若い学生などがそれに乗りやすいわけです。

そういう意味と、それから労働者階級ですが、これは賃金だけのことです。

今までよりも賃金を増やせというわけなのですが、それには資本家を困らしてウンと賃金を上げる、

それにはお前たち共産主義になれというのですから、これはどっちかと言うとたわいないもので、根強いものではないのです。

しかし、一つの外郭団体として、なにしろ数がありますから、そうとう大きな役目はしているわけです。

この間の新聞にも出てましたが、武力革命でそうとう根強くやっていて、以前は密輸してましたが、今は製造しているのです。

どこか山の中にこもってやっているのでしょう。

とにかく武器の製造ということは、だいぶ関心を持ち始めたようです。

そうして結局日本の武力革命をやろうと思っているのです。


今話したことは、ごく根本的ではない枝葉的のことで、根本はどうだというと、これはソ連です。

共産主義というものも一つの宗教で、これは無神宗教です。

だから本山はつまりクレムリンですから、本山の意向というものは、これはスターリン時代からそうですが、

アジアを鉄のカーテンの中に入れようというのが大方針なのです。

そのキッカケとして朝鮮問題を起こして、北鮮から南鮮を併合してその形勢によっては・・・

アメリカがあれほど腰を入れなければ・・・日本を侵略するつもりだったのです。

急にアメリカがあれほど一生懸命にくい止めをやったので、あれはソ連の方の見込み違いなのです。

あれほどアメリカが急に力を出してくい止めるとは思わなかったのです。

釜山まで押し込めて、それこそ海の中に落としてしまって、朝鮮全土はソ連の勢力範囲に入れるということが九分九厘まで成功したので、

いい気持ちになっていたところが、アメリカが連合軍を作ってくい止めるばかりか、

アメリカの方で、積極的に中共の方をやっつけてしまおう、という政策をとったのがアイゼンハウアーで、

そうしてアイゼンハウアーは大々的軍備にとりかかって、南鮮、日本とやって、蒋介石は勿論、ついには中共を包囲して大攻撃をやろうとしたのです。

それで、中共は今までさんざんやって疲れているから、大攻撃をやられてはたいへんだから、

アメリカの手を緩めなければならないので、あの時の大使マリクが休戦会議を唱え出したのです。

そうしてとにかくアメリカの鋭鋒(えいほう)をくい止めなければならないということで、しゃにむに平和攻勢というのをやったのです。

だから、アイゼンハウアーなども非常に計画が違ったのです。

だからそれを最初のとおりにやろうとしても、なにしろ英国からフランスあたりが、とても戦争を嫌うからして、アメリカに対して猛運動をやったわけです。

チャーチルなども随分やったようです。

そのためにアメリカは、世界の世論がピッタリ合わないとしっかり腰を入れてできないから、それではというわけで、ともかくも緩めたわけです。

その点はソ連の方は成功したわけです。

しかしいくら平和攻勢をしても、平和にしようというのではないし、平和になったのではないのです。

つまり引き延ばしで、時を稼ぐためです。

そこで朝鮮会談にしろ、今やっている四国会議にしても、中共を入れろということをしきりに言ってますが、

それは中共を入れないということは分かってますから、それをそういうことを言っているのは、引き延ばしです。

そうして引き延ばしをやっていて、中共が疲れているのを回復しているわけです。

今回ようやく疲れが治ったので、方針を変えたわけです。

というのは、ホー・チミン軍がインドシナを攻撃してますが、それが今度はそうとう強いのです。

これには中共がそうとう武器を援助したのです。今までないような武器を使っています。

そこで、たまらないのはフランスです。

フランスは七、八年あれをやっているので、たいへんな金を使って、将校などを殺し、フランスは今へトヘトです。

だからフランスの内閣が変わるのは、それがもっともの原因ということになってます。


そういうわけで、ソ連の目的はインドシナをやっつけて、今度はタイ国をやろうとしてます。

ですから最近タイ国は国境線に非常な軍備をしてます。タイ国をやっつけて、今度はインドを狙っているのです。

そこでインドは、いずれはやられるということが分かっているから、ネールはよほど以前からお世辞をつかってます。

ですから、そうなったらインドとは平和的の条約を結ぶということになるでしょう。

そうしておいてイラン、イラク、アラビアの方に進出するわけです。

そこまでゆかないまでも、あるいはインドぐらいまでで一時止めて、今度はふたたび南朝鮮と日本ですが、あるいは南朝鮮の方は後にして、日本の方を先にするかもしれません。


だから、今はまだまだですが、いずれは日本は非常に危ないのです。

それがうすうす分かっているから、そこで日本の軍備を大いに充実しようと思って、アメリカなどが非常に吉田内閣にやってます。

それでしぶしぶながら政府も軍備をやりつつあります。

ところが、ソ連の方が来るそれまでは、日本に軍備を充実させてはいけない、日本を弱らせなければならないというのでやっているのが、社会党左派です。

共産党はそうでもないが、とにかく表面立ってやっているのが社会党左派です。

しかし左派は、とにかく日本をやっつけようというばかりでなく、日本はソ連にくっつけておこうというわけです。

ですから鉄のカーテンの中に入る、要するに第二の中共になれば、ソ連は日本を攻撃することはないのだから、

そこで軍備の必要はないと、再軍備反対を一番唱えてますが、社会党左派の方針でゆけばそれには違いないです。

ところが、そうすると日本は共産国になりますから、日本人で共産政治の方を喜ぶ人は、ずっと少ないと思います。

やはりアメリカのやり方に賛成する人がずっと多いです。

そこで共産主義の方もそう急いではいないのです。

今これからやろうというのは、今言う中央アジア方面をすっかり手に入れておいて、日本と南朝鮮を孤立的の形にして、

できるだけアメリカが援助しないような妨害をするということや、

なんとしても日本はアジアの急所ですから、肚の中では一番に日本を目掛けているのです。

またそれが分かっているから、アメリカは日本を非常に援助しているのです。


ところがアメリカが援助しては具合が悪いから、アメリカを非難するような宣伝もだいぶしてます。

そういうようで、これからの世界の動きは、そういうふうに動いてくるわけです。

これは霊的のことではなくて体的の方です。

むしろ常識的の方で、ちょうどラジオのニュース解説のような話ですが、だいたいそれだけを知っておけば、これからの見当がつくわけです。

神様の方の、霊的の方は違うのです。

これはだんだん分かりますが、神様の方は、なかなか神秘明かすべからずなのです。

しかしメシヤ教の進み方によってだんだん分かってきます。

そして今言ったことも、結局神様の世界の御経綸ですから、それでよいのです。

共産主義というのは、神様の大きな御用をしているのです。

大本教のお筆先に「細工は流々、仕上げをごろうじろ」というのがありますが、そういうようなものでしょう。」




明主様御講話 「ソ連の最初の目的はアジア全体を鉄のカーテンに入れること」 (昭和29年2月16日)

「今日は、世界の情勢について少しお話をしようと思います。

世界はこれからどうなるのだ、というようなことを、時々聞かれることがあるのです。

そこでだいたいの見当をつけるという程度で、お話ししようと思います。

朝鮮問題も、片はつかないが、だいたい平和の色がだいぶ濃くなってきたには違いないが、そうかと言って、本当の平和が来るとは思えないです。

というのは、今の世界は、結局ソ連が引摺っているようなものです。

他の国は平和を望むという以外に別になにもないのですが、

ただ「ソ連という国が、どうも気味が悪い。いったいどういう考えを持っているのか。どうしようというのか」ということは、世界中の誰もがそう思っているでしょう。

ただスターリン時代とよほど変わってはきているということは分かります。

スターリンは英雄的のところがあります。

わずかの間にソ連を統一した腕のあるところは、ちょうどヒトラーによく似てます。

そしてヒトラーよりもスターリンのほうが考えが深いです。

要するに利口だったです。

そのために、ドイツの国家を瓦解するようなあんな愚かなことはしなかった。

しかしそのやり口はある程度以上、そうとうに似ています。

これは今までのああいった、つまり武力を行使する、とにかく平和的でない英雄の一つの型でしょう。

そういうようで、とにかく世界の情勢は変わってきたが、しかしこれからいったいどうなるか。

いまヨーロッパでは四国会議ということをやってますが、あれも結局においてソ連が時を稼ぐというだけのものです。

だいたいソ連の最初の目的というものは、アジア全体を鉄のカーテンの中に入れようというのが目的なのです。

今でもやっぱりその目的でやっています。

その手始めとしたのが、中共が主になって北鮮をおどらして、南北朝鮮を合併させて、その情勢によっては日本まで手を伸ばそうというような野心も、なきにしもあらずと思われるのです。
 

そういうわけで、ただ朝鮮だけではなくて、結局アジア全体を鉄のカーテンの中に入れて、その次には世界の覇権を握ろうというわけです。

ところがアメリカが国際連合を作って、ウンと努力したので、とにかくくい止めてしまったのです。

それでなければ、釜山まで来たのですから危なかったのです。

とにかく押し返して敵の目的を打倒した、瓦解させたということは確かです。

ところがアイゼンハウアーが大統領になって、どうしても中共を本当にやっつけなければいけない、

中共政府を打倒して、朝鮮を元通りに南北を一つにし、一方蒋介石を立たして両方から攻め、そうして朝鮮も中国も元通りにしなくてはならない、

それには大いに準備をしなければならないというので、あらん限りの大攻撃の準備を始めたわけです。

それを知った中共は、これはたいへんだ、それにそうとう長い戦争をしたために随分疲弊しているのに、ここでまたアメリカに大仕掛けにやられたらひとたまりもない。

そうするとソ連の目的もふいになってしまうから、これはどうしてもしゃにむにアメリカの鋭鋒を押さえて、要するに緩和政策をしなくてはならない。

というのが、一昨年ソ連の大使のマリクが提案したわけです。

それから休戦とか停戦とか、いろんなことで来たが、結局、なにしろソ連の考えというものは一時的で、

ただアメリカから、戦争をしかけられたらたいへんだ、勝ち目がないというので、

本当の平和ではなくて、一時の曖昧きわまる、ただ戦争だけをしないというような形を作ろうというわけです。

だから朝鮮会議にしろ結局うやむやになっているわけです。

今度のヨーロッパの四国会議でも結局うやむやです。

なにしろ肚の中から平和にしようというのでなくて、自分に都合のよいように一時的敵の攻撃を避けようというのですから、変な形です。

それでも、英国やフランス、特に英国などは本気で平和になりそうだとやってますが、これはチョットおかしいと思うくらいです。

そういうようなわけで、結局中共は、今までの間だいぶ戦争を停戦していたために回復してきて、力が出てきたのです。

そこで方針を変えて、朝鮮の方はそのままにしておいて、中央アジアの方をやろうというので、最近はホー・チミン軍が攻勢の態度に出たのです。

この間のうちはフランスの方がだいぶ危なかったのですが、

アメリカが飛行機やなにかをウンと出して助けたので小康は得ているようですが、なかなか楽観はできないです。

さっきのラジオニュースでは、B29を二十機急遽インドシナの方に送ったとありました。

そういうわけで、これからあの辺がだいぶゴチャゴチャするだろうと思ってます。

もしかインドシナがやられると、今度はタイの方に出ますから、そこでタイでは今非常な防備をしているようです。

もしタイがやられると、今度はインドになりますが、インドは戦争はしないから、ただ柔順にソ連の配下になるというわけです。

そうすると鉄のカーテンはアジアの中央に拡がるわけです。

それではたいへんだというわけで、アメリカも腰を入れてくるでしょう。

しかしあんまり腰を入れると、第二の朝鮮のようになりますから、米国の世論が承知しないわけです。

ですからアメリカも非常に難しいわけです。アイゼンハウアーも随分頭痛はち巻だと思います。

そういうわけで、ソ連の考えは・・・しかしソ連の考えどおりになるか、ならないかは今分かりませんが・・・

結局インドからイラン、イラク、それからとにかくアラビアまで攻略して、

そうして日本と南朝鮮を除いた一つの垣根を作る、要するに鉄のカーテンを作るという計画なのです。


そうなると今度は日本と南朝鮮をなんとかしなくてはならないということになりますが、今度はおそらく日本の方にすぐにかかりやしないかと思います。

日本の方にかかった方が有利です。

日本さえやっつければ、南朝鮮は挟み撃ちしてしまいますから、なんでもないです。

そこで日本をできるだけ骨を折らないようにやろうというので、それには日本の内部を弱らせなければならない。

それには日本の中に潜んでいる、いろんな共産党の連中をおどらさなければならないというので、非常に活躍してます。

そのために最近の新聞などを見ると、軍器を作っているのです。

ピストルとか機関銃だとかをほうぼうの山に隠れて拵えているということが出てます。


それと、一方さかんに、日本の製造工業を邪魔しなければならないので、ストライキを起こすべく非常に活躍しているというわけですが、

それはほうぼうに実によく現われてます。

それから、青年、特に学生を大いに赤化しなければならないというので、それには学校の教授、教員というのをおどらせなければならない。

それをだいぶやろうとしているところを、政府が見抜いて、教員のいろんな・・・思想的に警戒しなければならない、

と、そのためほうぼうに問題を起こしているようです。

そういうような具合で、平和だとか、だいぶ世界が緩和されたとか言って、日本は油断していることはできないわけです。

ここ当分はよいでしょうが、その先はなかなかで、とにかくソ連が日本を最後にやっつけるという考え、計画はドンドン進みつつあるのですから、

それを見抜いたアメリカとしては、大いに軍備をしなければならないというので、日本の軍備に対して非常な努力をしてます。

そうすると、日本に軍備をさせてはソ連としては一番困るから、その軍備をさせないように邪魔しなければならない。

その総大将が社会党です。特に表面に立っているのが社会党左派です。

左派の鈴木茂三郎君などが「軍備はいらない」ということを建前にしてます。

それはそれに違いないです。

というのは、鉄のカーテン内に日本を入れようというのですから、

そうすればソ連が日本に戦争をしかけるということはないから、安全ですから軍備の必要はないわけです。

とにかく日本はソ連の配下になるか、あるいはアメリカの配下・・・配下ということは言えません。

アメリカは民主主義ですから・・・それになるか、その国民の考え方です。

だからそういうことも、とにかく日本人がみんな知らなければいけないのです。

そうして、そうなると日本人は、共産主義がよいか民主主義がよいかということを考えてみると、

とにかく共産主義というものは、それこそ一握りの人間が支配するのですから・・・。

殊に中共などは一握りではない、何本かの指で押さえているようなものです。

だいたい毛沢東に周恩来(しゅうおんらい)に朱徳(しゅとく)と、この三人が牛耳っているようなものです。

そうして国民全体が菜っ葉服を着せられて、やられてはたまらないです。

それはただ労働して生きているばかりの生活ならそれでよいでしょうが、少し心ある者は満足できないというものですから、これは考えるまでもないです。

日本の将来はそういう運命におかれているということだけを知っておけばよいのです。」