自然農法について 御垂示 7
明主様御垂示 「自然農法普及会の活動予定」 (昭和28年3月1日)
信者の発言
「明主様御礼申し上げます。
この度明主様より自然農法普及会に関しましての御構想と御垂示をいただきまして、
本部といたしましてもいろいろ考えましたが、まだ細かい点はできておりません。
大綱をたてまして、本日各地より熱意ある方たちに集まっていただき打ち合わせ会をいたしましたが、特に本日の特別御面会にも列席させていただいております」
明主様御垂示
「結構です。」
信者の質問
「昨日の理事会と会長会議にて提案させていただきましたが、
この度の自然農法普及会は熱意をもって燃え上がってきましたが、
それと相呼応しまして、小田原から埼玉、千葉という東京近傍の土地で教団経営の模範農場をやらしていただいてはと思います。
そうしてそれをできるだけ識者に宣伝させて関心を高めて、初年度でこの程度だということを見せ、
また四年五年とやっている地方に連絡をとり、そのほうも見学させるという方法はいかががなものでございましょうか」
明主様御垂示
「結構です。それならば、野菜から甘橘類、果実と、あらゆるものをやるといいです。」
信者の発言
「農業家とタイアップしていきますと、それほど経費もかからずにやれると思います」
明主様御垂示
「経費がかからないどころか、あべこべに儲かります。」
信者の質問
「各地で非常に自然栽培が盛んになってきておりますので、東京で野菜、果実などの販売所を設けて宣伝してはいかがかと思います」
明主様御垂示
「それは結構です。私はこの販売は前から思っていたが、二、三年前から清浄野菜というのが売り出されてますが、これは人糞尿は使わないのですが、化学肥料を使うのです。
いろんな害虫は人糞のためだからこれは使わないが、化学肥料はそうではないというのです。
そういうのを売っている所があるそうです。
ですからこっちは自然農法でやるとすると、これは本当の清浄野菜です。
とにかく自然農法とか無肥料栽培を看板にして街頭に出るということは非常に良いと思います。」
信者の発言
「また農事関係、政治関係者にその米、麦の展示会を開き、試食会をやるということも考えております。よろしくお願い申し上げます」
明主様御垂示
「それは大いに儲かるでしょう。やはり儲かることは続きます。
土地ですが、それは便利な所がいいです。
そうすると方々から来ます。
交通が不便で行くのに時間がかかると、なかなか行きにくいものです。」
信者の発言
「それに小田原か東京辺ですと、明主様にご覧いただくこともできますから」
明主様御垂示
「結構ですから大いにやって下さい。
土地は最初から客土をすると良いです。
肥毒のある土を、ないのと入れ換えるのです。
それから種も全国で無肥料栽培を一番長くやっていた所の種をもらってくるのです。
そうすると初年度からどんどんいって、すばらしい成績になります。
そういうのを、東京附近にしても、一カ所でなく何カ所も作っていいです。
そのつもりでやれば神様がいい所を見つけてくれます。
それは神様のほうでちゃんと用意されます。
自然農法のほうだとそういうようで簡単ですが、病気のほうはなかなかそうはいかないのです。」
明主様御垂示 「ミカン栽培、養蚕について」 (昭和28年3月1日)
信者の発言
「和歌山県のほうでは、密柑には一カ年に反当り一万五千円の肥料をいれておりますが、
樹齢はだいたい三十年から五十年となっておりますので、肥毒のためにそうとう痛んでおりますが、
昨年私がまいりまして、ちょっと平均に草を置きましたら、たいへんお蔭をいただきましたが、虫害が非常にございます」
明主様御垂示
「それは肥毒が残っているからで、しようがありません。」
信者の質問
「一時消毒薬をやりますことはいかがでございましょうか」
明主様御垂示
「それがまた土にしみ込みますからいけません。」
信者の質問
「やはり二、三年は辛抱いたしましたほうがよろしいのでございましょうか」
明主様御垂示
「そうです。ただ蜜柑などは、根伸びを良くするのだから、土を固めないようにするために、そうとう深い所まで掘り起こして、よく空気が流通するようにするのです。
よく農業のほうでは空気を入れなくてはいけないと言うが、そうではないので、空気は入れなくてもいいが、土を固まらないようにするだけなのです。」
信者の発言
「草を置きますと非常に柔らかくなります」
明主様御垂示
「それは、草はずいぶん湿り気をしみ込ませるから固まらないのです。
固まるのは乾くからで、それを防ぐから柔らかいのです。」
信者の発言
「虫がつきますので、販売価格が非常に落ちるため、農村経済としまして三年か五年の辛抱ができないというのでございます」
明主様御垂示
「そんなに辛抱しなくても、一、二年でいいです。
それから養蚕ですが、桑に肥料をやらないとすばらしいものがとれます。
この間の新聞に生糸に対する一大危機がくるというのです。
それは今度アメリカで発見した新しい繊維はナイロンよりもずっと良い物で、これが出たらおそらく日本からの生糸の輸入の必要がないだろうというので、生糸の大打撃を受けるだろうと言ってます。
アメリカでは日本の生糸を当てにしない方針に変えたというようなことが出てましたが、それに対抗するには無肥料栽培の桑を食わせるのです。
そうすれば生糸の光沢から強靱な点において、すばらしいものになりますから、そうすればそれで対抗できるわけです。」
信者の質問
「蜜柑の自然栽培五年目でございまして、昨年の暮に御献上させていただきましたが、非常に良い蜜柑ができました。
以前に明主様にお伺いしましたときに、そういう良い物ができるまでの間は消毒薬が地にしみ込まないようにしてやっても良い、というお言葉をいただきましたことがございますが」
明主様御垂示
「それはいいですよ。しかしそんなことができるわけはありません。
つまり消毒薬が地にしみ込んで、また虫を湧かせる原料になるのだから、それを防がなければならないが、
そのために地にしみ込まないようにして、虫だけを殺すことができるなら良いと言ったので、消毒薬をやれとは言いません。
また、そういうことができるわけはありません。」
信者の発言
「先ほどの養蚕のことでございますが、蚕を孵化させる場合に、薬品をつけるということが全国的に行われており、
それでいたしますと、一年に一度しかできないのが、春に一度済まし夏にまたできるそうでございます」
明主様御垂示
「それは絶対にいけません。自然にやらなければいけません。
それは二毛作ということと同じになります。
それで自然栽培の桑を食べさせると、蚕が丈夫になるからです。
今までは病蚕がたくさんできていたのです。
それでそのときに原因が分からないので、ほかの手段を考えて、それを続けているのです。」
明主様御垂示 「虫害発生は肥料が原因」 (昭和28年3月1日)
信者の質問
「イナゴの稲に及ぼす害がだいぶあるようでございますが、これは何から起るものでございましょうか」
明主様御垂示
「糞尿肥料です。」
信者の質問
「ニュース映画で見ましたが、南洋方面で農作物が荒されたというので、飛行機で消毒薬をまいておりましたが、
自然農法に切り換えますとなくなるものでございましょうか」
明主様御垂示
「それはずっと減りますが、ずいぶん多量にはいってますから、急にはいかないが、だんだんなくなります。
南洋のほうでは硫安を非常に使うからです。」
明主様御垂示 「自然農法における大乗小乗」 (昭和28年3月1日)
信者の質問
「自然栽培のことにつきまして、SSさん(男性)が、議会で取り上げても良いことだから、材料を提供してくれと言っているのを聞きましたが、
明主様のご著書のほうでの宣伝と同時に、議会を通じて働きかけるというのはいかがかでございましょうか」
明主様御垂示
「議会に持ち出すのはまだ早いです。それほどの必要はありません。
議会ということになると法律ということになるから、法律でコヤシをまくなと言ったところで、農民のほうでは迷信にかかっているから、おいそれと言うことを聞きません。
それにまたその法律に賛成するというのはずっと先のことです。
ですから今そういうことを出すと笑いものになります。
「メシヤ教というのは、なんて馬鹿野郎だ、あんなことを言う」と、逆効果になります。
やっぱり時期があります。
そんなことをしなくても、そのほうが良ければ法律を出さなくても実行します。
うまい物とまずい物があって、法律でうまい物を食えと言わなくても、実際にうまければそのほうを食べます。
それで佐渡などは一番先に始まりますが、佐渡では非常に成績が良く、未信者で自然栽培をするのがだんだん増えているようです。
というのは、この間も話しましたが、佐渡では最初から浄霊をしないのです。
だから、「なにも信仰にはいらなくても、あんなに良くできる、ではオレ達もやるべエ」ということになったのです。
ところが他の所では、浄霊すれば大いに穫れるということを見せびらかすようにしているのです。
ところがその人は、そうして早く信者にしようという気持ちなのですから悪くはないが、小乗的考えなのです。
信者にしなくても、早く増産するようにしたほうが国家のためになりますから、だからどうすれば、信者にならないまでも早く分かるか、ということです。
それを一々信者にしてやっていた日には、いつまでかかるか分かりませんから、信者でなくても肥料さえやらなければ良いということで、自然栽培を実行する人を増やすということがいいのです。
だから浄霊をして見せるということは、それを妨害していることになるから神様の御守護がないのです。
しかし佐渡ではそれをやってないので、神様が「これは良い」と、そこで御守護があるのです。
その考え方ですが、いつも言うとおり、大乗的に考えなければならないのです。
小乗的考えが一番いけないのです。
だから佐渡だけは初年度から増産になってます。
今度も書いておきましたが、浄霊は肥毒を消すのだから悪いことはない、結構だが、なるだけ人に知れないように、夜とか朝早くは結構ですが、日中はやらないようにすることです。
それで未信者の百姓で自然栽培をやるのが増えていって、いずれはやっぱり信仰にはいります。
だからそういうことは考えに入れないで、信仰しなくてもこのとおり立派にできるということを見せつけるのが一番良いのです。」
明主様御垂示 「モミを堆肥に使用してはならない」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「ミカンの自然栽培の場合枝の手入れはいかがでしょうか」
明主様御垂示
「今までどおりで良いです。」
信者の質問
「藁の代わりにモミを入れるのはいかがでしょうか」
明主様御垂示
「モミは使ってはいけません。かえって成績が悪いです。
私の本にモミを使えと書いてないでしょう。」
明主様御垂示 「藁灰を川に流しても差し支えない」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「糞尿は畑に捨てておりますが、畑が少ない所で場所がありませんので、藁灰は川に流してもよろしいでしょうか」
明主様御垂示
「良いです。」
明主様御垂示 「畑で稲作をしてはならない」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「苗代は陸苗代と水田苗代とはどちらがよろしいでしょうか」
明主様御垂示
「畑に稲を作るのはいけません。」
信者の質問
「水田のほうがよろしいのでしょうか」
明主様御垂示
「それが当たり前です。
水稲なら無論苗代もそうしなければならないです。」
明主様御垂示 「その土地の気候、土質に応じた栽培をすべき」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「自然農法をやる上において技術ということはいかがなものでございましょうか」
明主様御垂示
「技術ということは良いですが、今までほどに技術に重きをおく必要はないのです。
今までは良くできないし、良く分からないから、技術とか肥料、種の良い悪いを考えましたが、根本は肥料をやらないことで解決するから、あとは簡単で良いのです。
当たり前で良いのです。
それからその土地によって違います。
種をまくにも、早くまいて良い所と遅くまく所があります。
それはそこの気候によります。
暖かい所は早く、寒い所は遅くまきます。
それから土も、火山灰の土があります。
関東地方では昔富士が噴火したときの灰がありますから、そういう所はまた違います。
火山灰が多い所は畑が良いです。
イモ類、大根、人参のように根を食べる物は良いです。土が固まらないのです。
それから普通の土によっても、赤土が一番固まりやすいのです。
しかしそれも年々耕していると黒土になります。
ですから赤土の所は最初から増収にはなりません。
そうとうにこなして固まらない土にして行かなければならないのです。
明主様御垂示 「肥毒の多い田畑は客土をしたほうが良い」 (昭和28年4月1日)
「それから肥料をたくさんやった土は自然農法にしてもなかなか効果が良くないから、そういうのは客土したほうが良いです。
そうすれば肥毒はないから良いです。
そういうことも農民は間違った解釈をしています。
この頃オレの所の田はばかにとれるようになった。
あれは作物が肥料を吸いきってしまったので客土したからだ、というのです。
それで客土すれば二、三年は大丈夫なのです。
この客土をするということで、“それには肥料がたくさんあるから良いのだ、土の肥料分を吸ってしまったから駄目になったのだ”ということは、肥料迷信にかかっているからです。
ところが実際は客土をすれば肥料分がないから良くできるのです。
こういう間違いがあります。
明主様御垂示 「無肥料で採取した種子を使うべき」 (昭和28年4月1日)
「それから種も、朝日何号とか農林何号と言っているが、これも肥料の少ない所の種が良いのです。
だから無肥料にすれば最高の種ができるから問題ではないのです。
今度も書きましたが、信者の人の無肥料の種によるのが一番良いと言ってあるのです。
農事試験場で今まで無肥料を試験してもできないので、駄目だと言ってますが、それは種が駄目だからです。
だから一年二年やっても前より劣るに決まっているのです。
そのために今まで無肥料というのは行われなかったのです。
それは本当のことを知らないからです。」
明主様御垂示 「苗はその土地で作るべき」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「二毛作地帯でありまして、麦を作る関係で水が遅れて来ますので陸苗代をいたしておりますが、陸苗代でよろしいでしょうか」
明主様御垂示
「嘘をやっているからです。」
信者の質問
「別な所で苗代を作ってもよろしいでしょうか」
明主様御垂示
「そんなことをしなくても、二毛作を止めれば良いのです。」
信者の発言
「一般がそういたしておりますので水が来ません」
明主様御垂示
「それは何とか工夫するよりありません。」
信者の質問
「そういう場合に井戸を掘りましては」
明主様御垂示
「結構です。」
信者の質問
「そういう場合に一毛作地帯で苗を作ってくることはいかがでしょうか」
明主様御垂示
「いけません。苗はその土地で作るのです。
つまり一つ作物をそこで作れば、だんだん作物を育てるような肥料分が土から出てくるのです。
そこで埼玉県の種を長野県に持って行くと良くできません。
その種は埼玉県の土でうまく合うようになっているのです。
そういう土の性分になっているのを、外に持って行くと、新規まきなおしになるから、できるだけ離れないほうが良いのです。」
明主様御垂示 「寒冷地における苗代の作り方」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「北海道の道南のほうでは苗代を畑に温床を作っておりますが、昨年は全部枯れてしまいました。
いかがいたしましたらよろしいでしょうか」
明主様御垂示
「それはできない相談です。
では日当りの良い所を見つけてやったら良いでしょう。
そして北のほうに風が当たらないように囲いをすれば大丈夫です。」
明主様御垂示 「北海道で自然農法が好成績な理由」 (昭和28年4月1日)
信者の質問
「ジャガイモは寒い所のが良いとか、高い所の土地から低いほうに移したほうが良いということは、肥料の関係でございましょうか」
明主様御垂示
「ジャガイモは寒い暖かいは関係ありません。
それから北海道のが良いとしているが、それは北海道は広いので肥料が行き渡らないからです。」
信者の発言
「最近は古くからやっております地方は駄目になっております」
信者の発言
「寒冷地帯の苗代で保温摂取苗代というので、水を少しかけておいて、苗をまいた上に油紙をかけておくと早く伸びるそうでございます」
明主様御垂示
「それは良いです。油紙から肥料が出るわけではないから・・・
ジャガイモなどの自然栽培の物はうまいです。色が真白で、良い香りがしてます。」
信者の発言
「ジャガイモは最初から増収して、倍、三倍となるようでございます」
明主様御垂示
「そうです。」