辺野古移設で協議平行線=政府・沖縄、対話は継続―菅長官と翁長知事が初会談
時事通信 4月5日(日)10時15分配信
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、菅義偉官房長官と同県の翁長雄志知事が5日、那覇市内のホテルで約1時間会談した。菅氏は「日米同盟の抑止力維持と(普天間の)危険除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策だ」と政府の立場に理解を求めた。しかし、翁長知事は県民の声を踏まえ「新基地は絶対建設できない。不可能だろう」と重ねて反対を表明、協議は平行線に終わった。
両者の正式な会談は、翁長氏が辺野古移設反対を掲げて昨年11月の知事選に勝利した後、初めて。政府と沖縄の対立は根深いが、双方とも対話の継続では一致し、打開策を模索したい考えだ。
菅氏は会談で「最重要は普天間の危険除去だ。固定化はあってはならない」と指摘。「辺野古移設を断念することは、普天間の固定化につながる。関係法令に基づき、環境や住民生活に配慮しながら工事を粛々と進めている」と述べた。沖縄振興にも言及し、「県としっかりと連携して進めたい」と呼び掛けるとともに、「基地負担軽減のためにやれることは全てやる」と語った。
これに対し、翁長氏は「上から目線の『粛々』という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れ、怒りは増幅する」と政府の対応を批判。昨年の名護市長選や知事選、衆院選の県内全選挙区で辺野古移設反対派が勝利したことを踏まえ「県民の圧倒的な反対が示された」と強調した。また、「安倍晋三首相にもお話しする機会があると大変ありがたい」と、首相が会談に応じるよう求めた。
会談後、菅氏は記者団に「これから国と沖縄県で話し合いを進める第一歩になった」とする一方、辺野古移設を推進する方針は「変わりない」と述べた。首相への面会要請については「沖縄の考え方を聞く中で進めていきたい」と検討する考えを示した。翁長氏も「基地問題で後退することは全くない」とした上で、「平行線だが、対話は続けていく」と語った。
辺野古移設をめぐっては、翁長氏が3月、作業停止を防衛省沖縄防衛局に指示。これに対し、林芳正農林水産相が防衛局の申し立てを認めて知事指示の効力を止める決定を行って対抗、政府と沖縄の亀裂が深まった。
最終更新:4月5日(日)15時6分
- 菅義偉(すがよしひで)
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- 所属院 選挙区 政党:
- 衆議院 神奈川県2区 自民党
- プロフィール:
- 1948年12月6日生 初当選/1996年 当選回数/7回
- (写真提供:時事通信社)
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