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2015年04月05日

米国で爆発的に成長しているメディアサイトとモバイルアプリとは

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  ネット産業は相変わらず、ソーシャル旋風とモバイル旋風で沸き立っている。ネット先端国の米国でも、2〜3年ほど前に調査会社などが立てた予測を上回る速度で、ソーシャル化やモバイル化が進んでいる。この1年ほどを振り返っても、その激動ぶりがすさまじい。

 comScoreが公開したレポート「2015 U.S. Digital Future in Focus」でも、加速化するソーシャル化とモバイル化の流れの中で、最近のデジタルメディア・ビジネスの変容ぶりを定量的に伝えている。そのレポートの中で目に留まったグラフを二つ、紹介する。

 最初のグラフ(図1)は、2014年にユニークビジター数が急増したデジタルメディア・サイトを示している。月間ユニークビジター数が2000万人を超える規模のメディアサイトを対象に、昨年1年間で40%以上の高度成長を遂げた人気急上昇サイトだけをピックアップしている。それでも17サイトも選ばれているからすごい。

comScoreDigitalMedia2014d.png
(ソース:comScore)
図1 2014年に急成長したデジタルメディア・サイト。2014年末までに、ユニークビジター数が2000万人を超えたサイトだけを選んでいる。

 同レポートでも明らかにしていたが、米国人がデジタルメディアに接触する時間が、2010年12月から2014年12月までの4年間で、157%も急増している。それを後押ししたのは、当然のことだが、スマホに代表されるモバイル端末の普及がある。スマホによるデジタルメディア接触時間はこの4年間で394%も増え、全デジタルメディア接触時間の半分近くを占めるようになった。図1で選ばれたサイトも、多くがスマホ対応で成果を上げたのだろう。

 顔ぶれを見て興味深いのは、新興サイトだけが飛び出しているのではなくて、比較的歴史のあるサイトも選ばれていることだ。ソーシャルメディア(SNS)では、今話題のSnapchat(+67%)やVine(+58%)に加えて、LinkdIn(+68%)と、驚くことにMySpace(+469%)までが突如現れている。数年前までSNSのトップランナーであったのに今や忘れられた存在になっていたMySpaceだが、昨年末のWSJのブログ記事で、昨年11月の月間ユニークユーザー数が前年同月比575%増の5000万人を突破したと伝えられ,大騒ぎになっていた。音楽コンテンツを充実させ、月間ビデオビュー数が3億回超え、若い音楽ファンが飛びついたようだ。ソーシャルゲームで息を吹き返したミクシィと似通った復活劇なのかな。

 ニュース系メディアでは、 BuzzFeed(+43%)を先頭に、Refinery29(+198%), Vice(173%), Business Insider(+55%) の新興サイトが昨年大暴れしたが、今年も勢いを増しそう。また10年以上も生き延びてきたブログパブリシャーのGawker Media(+42%)も踏ん張っている。さらに老舗メディアのサイトでも、WashingtonPost(+71%)や、BBC(+46%)、NYPost(+105%)が頑張っているのも注目したい。それなりの手を打っているのだ。たとえばWashingtonPostは、多くの地方新聞などと提携し、それぞれの読者にWashingtonPostの有料記事を無料で閲覧させるプログラムを実施している。このパートナー企画が功を奏し、同紙発行人によると、サイトの2015年2月の月間ユニーク数が前年同月比63%増の4800万人に、うちモバイルビジター数が同80%増の3100万人に、ページビュー数が同109%増の5億になったという。

 つぎの図2は、2014年にユニークビジター数が急増したモバイルアプリをピックアップしている。月間ユニークビジター数が100万人を超えるアプリサービスで、年間の成長率が200%超を示したアプリを選んでいる。

comScoreDigitalMedia2014e.png
(ソース:comScore)
図2 2014年に急成長したモバイルアプリ。2014年に、ユニークビジター数が200%増えたアプリを選んでいる。

 大都市の交通サービスに新風を吹き込んでいる配車アプリのUber(+440%)とLyft(835%)が、やはり際立っている。新しい出会い系サービスのアプリTinder(+737%)の躍進も目立つ。大手小売店チェーンのKOHL'S(+793%)とWalmart(+342%)の各アプリの集客急増も見逃せない。Walmartのアプリは同店の多くの購買者に欠かせなくなっている。同店での購入価格が競合店より高い場合、その差額分をキャッシュバックしてもらえるSavings Catcherをアプリから実施できるからだ。

 デジタルメディアやモバイルアプリの市場は参入障壁が低く競争が激しいだけに、それなりの新しい仕掛けが必要なようだ。新興企業だけではなくて、老舗企業にも活躍の場が出てきたのかもしれない。
 

◇参考
・2015 U.S. Digital Future in Focus(comScore)
・A Digital Update, By the Numbers(comScore)
・Publisher Frederick J. Ryan Jr. sends note to Washington Post staff about 2015(washingtonpost.com)
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posted by 田中善一郎 at 16:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
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