温泉若おかみの殺人推理 2015.04.04


(警報音)
(嶋田龍哉)チクショウ…!何やってる!うるせえどけ!
(警報音)
(龍哉)この野郎!ああっ!
(警備員)何してる!
(中川美奈)
九州南端に位置する鹿児島県は桜島を挟んで西に薩摩半島東に大隅半島があります
西郷隆盛天璋院篤姫で知られるこの地は温暖な気候が育む豊かな自然と美味しいグルメが人気の観光地です
もちろん温泉も数多くその中の1つ砂むし温泉が名物の指宿温泉に私が若おかみを務める指宿白水館があります
感謝して。
回してから。
(中川新太郎)そうだった…。
(小百合)失礼致しまーす!
(小百合)大おかみ若おかみ!泉コーポレーションの社長様ご夫妻がもうすぐお着きになります。
(中川政子)もうそんな時間?はい!じゃあ今日はここまでまた明日。
(2人)ありがとうございました。
あイタタタ!ああっ!
(小百合)ああ〜っ!古薩摩よ!ああしびれた…。
なんで昼休みにお茶の稽古しなきゃならないんだよ。
しょうがないでしょ。
なんたってお義母様張り切っていらっしゃるんだものあれ。
美奈あと5日の辛抱だ。
茶会が終わればこのしびれと痛みから解放される。
そうね。
うん。
もうすぐしたらお茶会とそしてあの日!なんの日?もうすぐって茶会の日だろ…。
それとなんの日?ほらあの日…。
あやばい。
俺署に戻んなきゃじゃあ俺行くわ。
完璧覚えてないね。
私たちの20回目の結婚記念日でしょ。
よし!泉様お待ち致しておりました。
(泉航平)お世話になります。
(政子)さどうぞ。
(泉幸子)まあ私の事を?もちろんですとも。
新婚旅行らしいピンクのスーツをお召しになってなんてかわいらしい奥様かと思いましたわ。
なんだか恥ずかしいわ。
結婚25年でしたら銀婚式ですね。
ええ。
今年の結婚記念日はちょうど十三夜にあたりましてね。
それでぜひその日をまたこの白水館で迎えようと。
ありがとうございます。
私もその日は記念日なんですよ。
えっなんの記念日ですか?だいぶ昔の事になるけど…。
それはいいとして。
ロマンチックですね。
本当のフルムーンですね。
アハハ。
…といきたいとこですがあいにく仕事がメーンでね。
優秀で口うるさい秘書がなかなか私を解放してくれない。
(渡辺亜希子)申し訳ありません。
フルムーンに口うるさい秘書が同行して。
さあ社長30分後には新聞記者の方が取材にいらっしゃいます。
休んでる時間はありませんので。
はいはいわかりました。
じゃご案内致します。
どうぞ。
お願いします。
(嶋田理恵)いらっしゃいませ。
理恵ちゃんどうかした?今の女の人…。
ああ…。
泉コーポレーションの社長夫人の幸子さん。
素敵な方よね〜。
泉コーポレーションってあの…シニアホームの?あそうそう!銀婚式の記念旅行なんだって。
奥様ね週刊誌にも出てるのよ。
週刊誌に?ちょっと待って!ほら!恵まれない子供たちやお年寄りの施設でボランティア活動。
なかなか出来ないわよね〜。
あれ理恵ちゃんあっ…。
どうかした?あっいえ。
お花の入れ替え終わりました。
うん。
じゃあ私はこれで失礼します。
あそう。
うんお疲れさまでした。
今度リゾート型のシニアホームを手掛けようと計画してるんです。
その候補地の1つがここ指宿です。
有名企業ともなると取材も大変ですね。
上場するからです。
上場?はい。
泉コーポレーション3か月後に上場するんです。
それもあって話題になっているのです。
若おかみ!あはい。
泉株を買うと絶対にもうかりますよ。
そうな…小百合さん詳しいですね。
はいわたくし老後に備えて投資を始めたのでございます。
投資ね…。
こんにちは!いらっしゃいませ。
白水館の…。
いつもどうも。
あの…今日はこっちで。
最近弟さんから連絡ありませんでしたか?いえあの…龍哉がまた何か?ええ昨日東京で強盗傷害事件を起こして指名手配されてるんですよ。
それであなたのところに連絡がないかと思いまして。
弟とは縁を切ったんです。
鹿児島に越して来てからは一度も会ってませんし。
お互いの連絡先も知りません。
そうなんですか。
それでももし連絡があったら警察に必ず知らせてください。
はい。
お願いします。
じゃあ…。
理恵ちゃんの弟さんが?ああ闇金に追われてスーパーに押し入ったようだけど窃盗と恐喝の常習犯らしいんだ。
ええ!?でも理恵ちゃん姉弟いないって言ってたよ。
ええ?じゃあやっぱり縁切ったってのは本当なんだな。
縁切ったって?ああ。
きっとさそんな弟に愛想尽かしたんだよ。
それで自分から縁切ったんじゃないの?そういう事か…。
ねえさつま揚げないの?あああるある。
おう。
すみません。
はい。
番所鼻のパンフレットって頂けますか?少々お待ちになってください。
はいこちらでございます。
ありがとう。
番所鼻に行かれるんですか?ええ植樹した木を見に。
いつされたんですか?新婚旅行の時に主人と2人でクロガネモチの木を植えたんですこれぐらいの。
それが今どれ位大きくなっているのか…。
素敵ですね楽しみですね。
ええ今回の旅行はそれが一番の楽しみ…。
ごめんなさい!もちろん同じくらいお茶会も楽しみにしてるんですよ。
ありがとうございます大おかみにそう伝えておきますね。
よろしくお願いします。
(泉)リノベーションすればシニアホームとして使えそうだな。
(亜希子)ええ。
立地条件もいいですし設備次第では東京の富裕層をターゲットに出来るんじゃないでしょうか。
不動産会社の方が中で待ってますので。
じゃあ見せてもらおうか。
はい。
(電話)泉幸子か?そうですがどちら様でしょうか?薩摩の名月に合ったお花というご希望でしたので栗を選んでみました。
ススキじゃないところが面白いわ。
ねえ美奈さん。
ええそうですね。
栗。
お茶会終わったらこれ食べられますもんね。
美味しそうで。
美奈さん!あの本当に私もお茶会に出席させて頂いてもよろしいんですか?もちろんよ。
私ね感心してるの。
お花のアレンジメントだけじゃなくお茶のお勉強も一生懸命してお店のために頑張ろうっていうんですもんね。
立派だわ。
いえそんな。
そうよ遠慮しないでお茶会にはいらして。
ありがとうございます。
(政子)お出かけですか?ええちょっとお散歩に…。
お気をつけて!いってらっしゃいませ。
まさかあんたが社長夫人とはな…。
しかも偉そうにインタビューなんか受けやがって。
ボランティア?笑わせんじゃねえよ!じゃあ私はこれで。
ご苦労さまでした。
失礼します。
お茶会よろしくお願いしますね。
はい。
(龍哉)待て!待て!
(龍哉)待て!待て!
(龍哉)うあーっ!
(幸子)あっ!うっ…!う…。
(泉)幸子。
はい!
(幸子)おかえりなさい。
どうでした?ああなかなかいい物件だった。
あれなら満足のいく施設が出来る。
あとは交渉次第だ。
そう。
仕事で君に付き合えなくて悪かったね。
ううん。
お部屋で本読んだりしてのんびり過ごしたから大丈夫。
え?出かけなかったのか?ええ。
どうした?顔色悪いぞ。
そう?うん。
(パトカーのサイレン)やけに騒々しいな。
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)
(亀田健一郎)ガイシャは指名手配中の嶋田龍哉のようです。
(殿山警部)何!?あ嶋田龍哉に間違いありません。
木を伐採していた作業員が発見したようです。
後頭部に傷があるな。
あの石で殴られたんだと思います。
あれで一撃し何かで首をしめたんだろう。
これはしめられた痕だな。
龍哉…。
弟さんに間違いありませんか?はい。
(理恵)弟の借金を何度も肩代わりさせられて…。
それで5年前に縁を切って鹿児島に来たんです。
そんな弟から連絡なんかあるはずありません。
じゃあなぜ弟さんはこの指宿に?わかりません。
犯人に何か心当たりはありませんかね?あるんですか?いえ。
弟さんのご遺体をお渡しするのは司法解剖後になりますので。
(理恵)わかりました。
失礼します。
(大重辰夫)理恵!大重さん!龍哉が殺されたって本当か?大重さん…。
嶋田さんとお知り合いだったんですか?ああ。
あ新太郎君。
はい。
事件の事詳しく聞かせてくれ。
顔見知りの犯行?ええ殺害現場は人通りのない雑木林です。
物盗りによる通りがかりの犯行ではありません。
大重さん嶋田理恵さんとはどういうご関係ですか?警視庁の刑事だった頃理恵を窃盗の容疑で現行犯逮捕したのが私です。
もう10年も昔の話です。
なるほどそれが縁で…。
ええ世話を焼いてきました。
就職先がなかなか見つからないと相談されて5年前に知人の花屋を紹介しました。
ああそれで彼女は鹿児島に。
理恵はその後店の権利を譲ってもらって自分の店にしました。
もう今じゃすっかり更生してるはずです。
そうだったんですか…。
殺された弟の嶋田龍哉について何かご存じありませんかね。
いや理恵が手を焼いてた事ぐらいしか…。
弟とは縁を切ってるって話してるんですけど。
そうするしかなかったんでしょう。
龍哉には随分と苦労をかけられてたようですからね。
幸子どうした?さっきからぼんやりしてるじゃないか。
ああ…ごめんなさい。
夕飯はあまり手をつけなかったし…。
ちょっと疲れたみたい。
一晩寝ればすぐよくなるから。
ならいいけど…。
結婚記念日の日は仕事入れていないから茶会の時間まで一緒にどこか出かけよう。
だったら番所鼻に。
ん?番所鼻?ええ…。
ううんあなた他にどこか行きたいところないの?いや特にないな。
そう…。
私悪いけど先に休ませてもらってもいい?ああ大丈夫か?ええ。
それじゃあ悪いけどお先に。
おやすみなさい。
(泉)おやすみ。
(戸が閉まる音)番所鼻…。
司法解剖の結果死因は首を布のような物でしめられた事による窒息死と判明しました。
死亡推定時刻は昨日の午後3時から5時。
遺体の首に付着していた繊維は科捜研に分析を依頼中です。
殺害される前の嶋田龍哉の足取りはどうなってるんだ?
(亀田)はい昨日の午後1時過ぎ鹿児島中央駅で嶋田龍哉らしき男が目撃されています。
午後2時半頃には嶋田龍哉の姉嶋田理恵の店の前で中をのぞく嶋田龍哉を近所の住人が目にしてました。
嶋田理恵に確認したところ午後2時から3時まで白水館で打ち合わせをしていて龍哉とは会っていない連絡もなかったと言ってます。
嶋田龍哉の携帯の通話記録はどうなってるんだ?それが携帯が見当たらないんです。
犯人が持ち去ったと思われます。
警部。
嶋田理恵が弟に手をかけたんじゃないでしょうか。
理恵が?ええ。
理恵は3時から5時の間のアリバイがありません。
まあ本人は茶会で使う枝を探しに山へ行ったと話してますが。
姉が弟を殺したっていうのか。
可能性はあります。
理恵は犯罪を繰り返す弟を疎ましく思い5年前縁を切って鹿児島で新しい生活を送り始めました。
そこへ指名手配を受けた弟が逃げて来たら…。
迷惑以外の何物でもない。
そうです!それに理恵には前科がありその事を周囲に知られるのを恐れていました。
警部。
犯人はやっぱり理恵ですよ。
確かに理恵は弟の遺体と対面しても涙ひとつこぼさなかったな。
龍哉の携帯の通話記録はさかのぼる事出来ませんでした。
じゃあ誰と会っていたのかわからないままか。
ええ。
やっぱり理恵が犯行後に持ち去ったんじゃないでしょうか証拠隠滅のために。
(亀田)警部!科捜研から鑑定報告書が来ました。
嶋田龍哉の首に付着していた繊維の件です。
生地はシルクで色はピンク。
スカーフとかストールといった類ですかね。
え?ピンク色のスカーフかストール?うん嶋田理恵がしてるのを見た事ある?いや記憶にないね。
おい美奈よーく思い出してよこれ重要な事なんだからさ。
ピンク色って目立つから首に巻いてたら覚えてるわよ。
あっ…。
覚えてる。
よしきたー!きたきたきた。
えっと桃ちゃん桃ちゃん桃ちゃん桃ちゃん。
ねえねえ泉さんの奥様がねうちへいらっしゃった時ピンクのストール首に巻いてらっしゃったわよね。
泉さん?
(桃子)ピンクのストールですか?さあ…。
え!?嘘…。
着ていらっしゃいました。
ね!随分お高そうなストールでした。
そうそうそうそう。
泉さんの奥さんが…。
ねえねえそれ事件に何か関係あるの?それが凶器だってわかったんだよ。
嘘!?じゃああのピンクのストールで首をしめられて殺されたって事?え!?
(悲鳴)
(桃子の泣き声)泣いてばかりいないで説明してちょうだい。
このストールどうしてあなたが持ってたの?黙ってると桃子さんが犯人だって思われちゃうんだよ。
私…私じゃありません!桃ちゃん正直に話してちょうだい。
裏庭のゴミバケツの中に捨てられていたんです。
それでもったいないと思って持って帰りました。
すみません!私子供2人連れて離婚して首に巻いてるものっていったら白水館の手ぬぐいぐらいで…。
だからつい…。
お願いします!クビにしないでください!今クビにされたら親子3人路頭に迷ってしまいます!どうか…どうかお願いします!クビにしないでください大おかみ!わかったからね少し落ち着きなさい。
ねえ桃子さんねえあの…拾ったのはいつ?昨日のお昼です。
ああ…。
遺体発見の翌日かぁ。
新太郎さんこれが本当に凶器なの?いや検出された繊維と比べてみないと断定は出来ないんだけどね。
まあ…。
あああ…!何?ここ…血…血…血痕!あっ!
(政子)血痕!?首をしめられた時についたんだろう。
確かに私のストールですけど…。
なくしました。
いつどこでなくされたんですか?わかりません。
覚えてないです。
私の妻と母が事件があった日あなたがこのストールを巻いて出かけていくところを見ています。
(政子)お出かけですか?ええ。
時間は一昨日の午後2時半。
白水館に戻ってきたのは3時半。
はい。
泉様…。
その時首にはストールがなかったと従業員が証言しています。
2時半から3時半の間どこを散歩されていたんですか?あちこちと…。
多分その時にストールを落としたんだと思います。
本当です。
嶋田龍哉なんて人私知りません。
嶋田龍哉の遺品の中にこれと同じ週刊誌がありました。
幸子さんあなたが載っている週刊誌です。
あなた雑木林で嶋田龍哉と会ってたんじゃないですか?いいえそんな…。
(亀田)泉さん困ります!あっちょっと…。
これは任意の事情聴取ですよね?そうですが?では妻を連れて帰ります。
事件とはなんの関係もない妻を拘束されては迷惑です。
さあ帰るよ。
ちょっと待ってください。
新太郎。
泉さんまだお聞きしたい事があると思いますので東京へは戻らないでいてください。
行動まで制限される理由はないはずですが。
もし明日にでも東京へ戻られたら逃げたと思われてもしようがありませんよ。
逃げる?なんでそんな事をする必要があるんですか?失礼します。
さあ…。
泉幸子は明らかに動揺していたな。
ええ。
何か隠してますね。
新太郎まずは嶋田龍哉と泉幸子の接点を見つけろ。
はい。
ああ…ねえどうだった?幸子さん。
ストールは落とした。
嶋田龍哉も知らないって。
ああそう。
だけどね絶対そんなはずないんだよ。
ええ?龍哉の遺品の中に泉幸子が出ている週刊誌があったんだ。
えっ!あの『週刊日本』?そう。
2人には絶対に何か接点がある。
接点?そう。
接点がある。
その接点なんだろう?あっ…そういえば理恵ちゃん…。
いらっしゃいませ。
理恵ちゃんどうかした?今の女の人…。
理恵ちゃん驚いたような顔してた。
理恵さんが?うん。
もしかして理恵ちゃん幸子さんの事知ってた?なら東京にいた時のかかわりって事?ああ…。
あっねえ大重さんに聞いてみたらいいんじゃない?あ…よし。
ああ…。
すみません突然押しかけて。
いいんだよ。
去年かみさんが死んでから寂しい一人暮らしだ。
何も遠慮する事はない。
ありがとうございます。
すみません。
で何かね?私に聞きたい事とは。
嶋田理恵さんの事なんですが…。
大重さんこの泉幸子という女性と理恵さんの関係ご存じないでしょうか?泉幸子?ええ。
知らんなぁ。
この人がどうかしたのかね?実は龍哉の遺品の中にこの週刊誌があったんです。
それでもしかしたら2人の知り合いなんじゃないかなと思いまして。
龍哉の事件に関係があるのか?いや〜まだわかりません。
ですが事件のあった前日から泉幸子は白水館に宿泊してるんです。
白水館に…。
ええ。
あの理恵ちゃん弟さんに随分苦労させられたって言ってましたけど。
ああ。
まあ龍哉があんなにグレちまったのはもとをたどれば親の事件のせいもあるんだ。
親の事件?2人の両親は龍哉が6歳理恵が8歳の時に無理心中を図ってるんだ。
(嶋田和代)理恵ごめんね。
(大重の声)経営していた花屋の資金繰りが苦しくなり借金を負ったのが理由らしい。
(咳)お父さん!お父さん!龍哉!龍哉!お母さん!お母さん!
(咳)
(大重の声)理恵が近所に助けを求め子供2人だけが生き残った。
龍哉!龍哉起きて!その後親戚に引き取られたそうだが厄介者扱いされ結局は施設に送られたそうだ。
かわいそうに…。
そんな生い立ちが龍哉を非行に走らせろくでもない人間にしてしまった。
落ちた龍哉が悪いんだがね。
親の借金の原因はなんだったんですか?マルチ商法詐欺だよ。
詐欺?いたたまれないなぁ無理心中だなんて。
ああ。
その上親戚者に厄介者扱いされるなんて。
ねえ。
どうした?新ちゃん。
接点…接点だよ!その詐欺事件もしかしたら泉幸子と関係あるんじゃないのか?幸子さんが?うん。
理恵たち姉弟にしてみればその詐欺事件を恨んでいて当然だろうな。
ともかく調べてみる。
うん。
(着信メロディー)あっ!その音って…。
ええ。
ああ…。
(着信メロディー)もしもし。
美奈さん?お茶会前の忙しい時にどこで油を大量に売りまくってるの!申し訳ございません。
ただ今売り終わりました。
すぐ戻ります!はい!はいはい!行こう行こう行こう…!まさか…。

(チャイム)奥様にお届けものです。
まあきれい!どなたからかしら?送り主様からのカードが入っておりますので。
ありがとう。
明日は午前11時に指宿市長にアポイントを取ってありますので。
うんわかった。
ああこの間の物件決める前提で話をするからそのつもりで。
わかりました。
あら素敵!銀婚式のお祝いに送ってくださったみたい。
誰から?ボランティア協会のお友達から。
私ちょっと下で花瓶借りてきます。
(泉)ああ。
(理恵の声)「銀婚式おめでとうございます」「大事な話がありますので明日12時長崎鼻へ来て下さい」「嶋田龍哉の姉理恵」
(戸の開閉音)奥様少しよろしいですか?何かしら?差し出がましいようですが泉コーポレーションが今どういう状況かおわかりですよね?
(幸子)ええ。
トラブルは困ります。
だから何?殺された嶋田龍哉その姉の嶋田理恵。
奥様とどういうご関係なんですか?関係なんて…何もないわ。
気になったので理恵という女性の事調べてみました。
そしたら鹿児島で花屋をやっているようです。
奥様さっきのお花は…。
もし奥様が事件にかかわっていらっしゃるのなら本当の事をお話しした方がいいと思います。
ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
またのお越しをお待ち申し上げております。
あっお出かけですか?ええちょっと観光に。
気をつけていってらっしゃい。
いってらっしゃいませ。
美奈さん。
はい。
きんちゃの間へ来てちょうだい。
はい。
特別任務があります。
特別任務…?昨日大量に油を売った罰です。
ああはい…。
いよいよ明日お茶会ですね!楽しみだわ。
そういえばお義母様。
うん?お茶会の日は記念日だっておっしゃってましたよね。
なんの記念日なんですか?フフフフ…。
ひみつ。
えっ?桃子さん!それはね江戸時代のお菓子鉢ですよ。
ええっ!
(政子)丁寧に扱いなさい!はい!小百合さん!それはね江戸時代のお茶入れですよ!は…はい!はい…。
(ため息)亡くなった主人が長年収集したお道具なの。
風流な人でね…。
名月茶会も夢だったの。
そのあとを私が継いで…。
生きてたらどんなに喜ぶ…。
(着信メロディー)美奈さん!はは…はい!大事なお話の途中です!本当に…申し訳ございません。
(着信メロディー)もしもし?新ちゃん?美奈?嶋田理恵と龍哉は泉幸子と接点があった。
3人を結んでいたのは俺の睨みどおり27年前の詐欺事件だ。
えっ!あの大重さんから聞いた詐欺事件の事?あなたが理恵さん?そうです。
よつばグループ詐欺事件って覚えてる?うん。
健康食品のマルチ商法で出資金をだまし取ったっていうあれでしょ?そう。
理恵の両親はその被害者の一人。
そしてその事件を起こしたよつばグループの社長田中伸介が幸子の父親だったんだよ。
ええっそうなの!?って事は幸子さんと理恵ちゃんって加害者と被害者の娘さんって事?そう。
ええ…!私の事覚えてますか?覚えてないとは言わせないわ。
(理恵の声)27年前のクリスマスの日母は私と弟を連れてあなたの家を訪ねた。
そこへあなたたちが帰ってきた。
1千万円返してください!田中の奥さんお願いします!1千万円返してください!
(田中志穂)ちょっと何する…!
(和代)お願い!お金返して!お願いよ!
(志穂)ちょっと!娘には…なんの関係もない事なんです!
(志穂)やめてください!
(泣き声)
(和代)うちは子供にケーキを買ってやるお金すらないんです。
お願いします!お願い…!ちょっとやめて!ほら行くわよ!
(和代)お願い!お願いします!
(泣き声)あの時の子供が私です。
そしてあのクリスマスの夜両親は無理心中した。
幸子の母親はその後田中と離婚して幸子を連れて家を出た。
それから半年後幸子の父親は詐欺罪で逮捕されたが公判中に病死してるんだ。
そう…。
それで幸子さんは?母親の姓を名乗って暮らしてたらしい。
母親は10年前に亡くなってる。
そうだったの…。
幸子は父親の詐欺事件をネタに龍哉にゆすられてたんだろう。
それで幸子が龍哉を殺した。
父の事は本当に申し訳なく思ってます。
だったら返して!父と母を返してよ!あなたの父親のせいで私の両親は死んだ。
それだけじゃない。
弟まで…。
弟を殺したのあなたなんでしょ?違います!嘘!弟はお金を返せって言ったんでしょ?私の親があなたの父親にだまし取られた1千万を返せって。
だから弟を…。
あの日部屋に弟さんから電話がありました。
それで呼び出されたんです。
あんたの旦那の会社信用を売りにしてシニアホーム売ってんだろ。
その社長夫人が詐欺師の娘だと知ったら…世間は驚くよなぁ。
私には5千万ものお金は無理です。
だったら死ねよ!俺の親みたいに。
俺がどんなにみじめな思いしたか知ってんのかよ!いっつも腹すかせて親戚から厄介者にされて…。
俺の人生はなぁあんたの親父のせいでめちゃめちゃにされちまったんだよ!
(龍哉)待て!
(龍哉)うあーっ!
(幸子)あっ!うっ…!う…。
殺すわけねえだろ。
頂くもん頂かなきゃなぁ。
私は弟さんを殺してない。
嘘!嘘じゃない!これね弟が肌身離さず持ってた写真。
どうしようもない弟だった。
いっつも迷惑ばっかりかけて…。
でもそんな弟がこの写真を大事に持ってた!家族の事なんか一度だって口にした事ないのに。
この写真見つけた時私涙が止まんなかった。
弟は家族の事私の事思ってたんだって。
そんな弟をあなたは殺した!違うわ!許さない。
私はあなたを許さない!
(大重)やめろ!
(大重)やめろ理恵!
(理恵)離して!やめろ!離してよ!理恵…。
お前龍哉から連絡はなかったと言ってたが…。
本当はあったんだな?私のせいよ。
私のせいで龍哉は殺された。
どういう意味だ?龍哉が殺される前の晩ここに電話がかかってきたのよ。
あの女が週刊誌に出てる。
許せないって。
私彼女が今指宿の白水館に泊まってるって話したわ。
私がそんな事話したから龍哉は…。
許せないの!あの女は父親の事悪びれもしないで堂々と生きてる。
その上龍哉まで殺して…。
だったら今度は私が彼女を殺して…!バカな考えはやめろ!帰って!父親面されるのはもうたくさん!理恵!バカな考えを起こすんじゃない!私に構わないで!理恵!
(幸子)ごめんなさい父の事ずっと隠したままで。
なぜ黙ってた?どうしても言えなくて…。
私の事を信じていなかったわけだ。
違うわ!どこが違う!こんな大事な事を25年も隠して。
離婚してください。
そしたら会社は…。
離婚?それで何もかも解決出来ると思ってんのか?お前は何もわかっちゃいない。
覚えてるか?会社がまだ小さくて一度つぶれかかった時だ。
私はお前に離婚してくれと頼んだ。
今のお前みたいにな。
だがお前は…。
絶対に嫌!私は何があってもあなたと一緒にいたいの。
一緒に生きたいの!幸子…。
借金が何よ!取り立て屋が何よ!2人で力を合わせれば絶対に乗り越えられる!だから私と生きて!私と生きて。
お前のそのひと言がなかったら今の会社も私もない。
父親の事もっと早く言ってほしかった。
えー皆さん明日はいよいよ名月茶会の日です。
一期一会の言葉どおり一瞬の時を大切に心からお客様をおもてなししてください。
いいですね?
(一同)はい!えー午後6時より本館にて懐石料理を召し上がって頂いたあと薩摩伝承館のお茶席にご案内致します。
それぞれ10席でございます。
若おかみ。
はい。
7時半のお席に変更があります。
あっ変更ですか?はい。
最終組に予定されていたお客様が7時半のお席に変えてほしいと連絡がありましたので急遽変更致しました。
はい。
どなたですか?嶋田理恵さんです。
えっ?お正客は泉様でお次客は奥様よね?はい。
理恵ちゃん…。
えっ?理恵と幸子が同じ茶席に?そうなの。
ねえ新ちゃんまさか…。
理恵ちゃん幸子さんに復讐しようとしてるんじゃないかしら?だろ?うん。
お茶席には新聞社の取材も来るでしょ?そんな場所で事件起こしたらもう大騒ぎなっちゃう。
ってあれ?新ちゃん…。
ええ?なんでわかったの?俺にはもうお見通し。
ハハハハハ!やっぱ俺って切れる刑事だよなぁ。
あれ?切れてるね。
へぇ〜珍しい。
でそれから?大丈夫。
もう手は打ってある。
本当?ワ〜オ。
美奈さんありがとう。
私のためにわざわざ…。
ううん。
だって幸子さん植樹した木を見るのが一番の楽しみだっておっしゃってたから。
ええ。
でも残念ですね。
ご主人お仕事になっちゃって。
ああ…。
でも主人は植樹の事忘れてたみたいだし。
それにゆうべちょっとケンカしちゃって。
あら!美奈さんと一緒に来れて逆によかったくらい。
そう?色々あるわよね。
ああこの辺だと思うんだけど…。
よいしょ…。
えーっと…あああった!えっ?ああ本当!こんなに大きくなって…。
幸子さん気を悪くしないでね。
私ねあなたのお父様が起こした事件の事聞いたの。
そう。
うん。
幸子さんと理恵ちゃんの関係もね。
父の事は本当に申し訳ないと思ってる。
一度だって忘れた事はない。
だからって私にはなんにも出来なくて…。
いくらボランティアや奉仕活動したって償いにはならないっていうのわかってる。
でもそのくらいしか私には出来なくて…。
情けない。
幸子さん…。
父が理恵さんのご両親を奪って理恵さんの人生をつらいものにしてしまった。
その事を思うと胸が張り裂けそう。
ご両親を返す事も出来ず人生を取り戻してあげる事も出来ない。
いくら私が償いたくても償いようがないんですもの。
美奈さん悪いけど少し一人にしてもらえますか?そうね。
幸子さんの償いたいっていう気持ち理恵ちゃんに少しでも届くといいわね。
うわぁ素敵!素晴らしいわね。
ありがとうございます。
あっ…今日はよろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
理恵ちゃん…。
(理恵)はい。
私は今宵のお茶会で亭主を務めあなたを客としてもてなします。
その時私はこう願ってもてなすつもりよ。
命を大事にしっかり生きていってほしいって。

(小百合)いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
(小百合)いらっしゃいませ。
(桃子)いらっしゃいませ。

(店内の音楽)白水館名月茶会にお越しを頂きまして誠にありがとうございます。
皆様にはお食事のあと薩摩伝承館池庭の桟敷にてお茶を一服差し上げます。
名月の折秋の一夜をゆっくりとお楽しみくださいませ。

(泉)茶碗の拝見をお願い致します。
見事な茶碗でございますがどちらのものでしょう?京都楽家三代ノンコウの黒楽茶碗でございます。
ありがとうございました。
ああ…お茶席のお花好評だったわよ。
ありがとうございます。
気をつけてね。
はい。
失礼します。
ああ何事も起こらなくてよかったわ。
ありがとう。
我々の思い過ごしだといいんですけどね。
まあともかく無事に終わってホッとしましたよ。
なんか今頃になって足しびれてきちゃった…。
新太郎しょうがない…。
ちょっと…えっえっ?政子ちゃん今日お茶ありがとう。
美味しかったよ。
どういたしまして。
美味しかった。
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)ご苦労さまです。
ご苦労さまです。
どうも。
大重さん!?
(亀田)大重さんは昨日の午前10時過ぎに車で自宅を出ています。
そのあとの足取りはまだつかめてませんが腕時計が5時9分で止まっている事からその時刻に海で死亡したのではないかと思われます。
大重さんの車はまだ見つかってないのか?はい。
遺体発見現場周辺の聞き込みは?事件に結びつくようなものは何も。
ただ気になる情報が…。
一昨日の話なんですが…。
一昨日?ええ。
嶋田理恵の店の前で大重さんと理恵が激しく言い争ってるのを近所の人が目撃してるんですよ。
理恵!バカな考えを起こすんじゃない!
(理恵)私に構わないで!理恵!バカな考え…。
大重さんは理恵が幸子に復讐しようとしてる事に気づいたんじゃないでしょうか?そしてそれを止めようとした…。
ええ。
理恵は復讐を果たすために邪魔になった大重さんを…。
よし!まずは理恵の事情聴取だ。
(一同)はい!私が大重さんを殺すわけないじゃないですか!大重さん私を娘のように思ってくれてたんです。
私の事気遣ってくれたのは大重さんだけだった。
じゃあ言い争いをしていたのはなぜなんですか?弟の事色々言われてそれでついケンカに…。
警察はね君たち姉弟と泉幸子との関係を突き止めてる。
弟を幸子に殺されたと思った君は幸子に復讐したい…。
そう考えたんじゃないのか?それを大重さんは止めようとした。
ええ。
そうです。
私の両親はあの女の父親に殺されたようなものです。
弟だってそうです。
復讐したいと思って当然です。
本当はお茶会の席で刺し殺して自分も死ぬつもりでした。
だけど…あなたたちがいて出来なかった。
だから違う形で殺してやります。
理恵さん?弟を殺したのは泉幸子です。
大重さんを殺したのも。
私一昨日長崎鼻で彼女から直接聞いたんです。
弟と会ってお金をゆすられたって話。
本当ですか?黙っていてすみませんでした。
じゃあ認めるんですね?嶋田龍哉に会った事を。
ええ…。
父の詐欺事件の事で5千万円ゆすられました。
それで私が無理だと言ったらストールで首をしめられそうになって逃げ出したんです。
首を?ええ…。
ストールはその時に落としました。
私殺してません。
それにその大重さんという方を私は知りません。
2人のアリバイが成立した?ああ。
大重さんの死因は溺死。
死亡推定時刻は昨日の午後4時から8時。
お茶会の時間帯?そうなんだよ。
理恵は俺と警部が見張ってたからアリバイは完璧だ。
幸子さんも午後4時には戻ってきて一歩も外に出ていない。
よかった〜。
2人とも疑いが晴れて。
真犯人は他にいるって事か。
そうよ。
その真犯人が幸子さんの落としたストールを使って理恵ちゃんの弟さんの首をしめて殺した…。
でもさぁなんで大重さんが?何か犯人の証拠をつかんだんじゃないかなぁ?大重さん元警視庁の刑事だからさ。
しかも敏腕だったんでしょ?まあ俺ほどじゃないけどさ…。
これこれ皆さん!何をして…。
あの若おかみこれこれこれ…。
名前は伏せてありますが泉さんの奥さんの事みたいです。
あんな品のいい人が詐欺師の娘だったなんてねぇ。
これ!はっきりしない情報をもとにお客様の噂話なんかしてはいけません!いけません!ええっ?はいもう早く片付け再開ですよ!はいはい再開ですよ!小百合さんあなたも再開ですよ。
お仕事。
はい!ねえこの記事どうしたのよ?理恵だ。
理恵が新聞社に情報を流したんだよ。
えっ?理恵はね事情聴取の時にこう言ったんだ。
幸子を違う形で殺してやるって。
こういう形で復讐するって決めてたんだよ。
ええ…?この記事理恵さんが流したって本当なの?多分ね。
定かではないんですけど…。
詐欺被害者の娘と加害者の娘の因縁。
とにかく2人とも犯人でない事を祈るわ。
はい。
とにかく早く事件を解決してもらわないとね。
ああ任せて。
美奈さんお願いね。
はい。
なんで?ねえ大重さんの死因って溺死で間違いないの?ああ。
犯人は大重さんに睡眠薬を飲ませて溺死させたんだよ。
睡眠薬…。
睡眠薬がどうかしました?えっあっいやいや…。
新太郎さん最近なんか寝づらいんですって。
ねえ?俺はいつでもどこでも爆睡だよ。
なんでよ眠れないから睡眠薬必要でしょ?ああちょっと仕事のストレスで。
最近そういう方多いんですね。
ねえ。
泉社長の秘書の方もお薬常用してらっしゃるみたいですよ。
そうなの?秘書ってあの渡辺亜希子さん?ええ。
なんで小百合さん知ってるんですか?ヘヘヘ…。
お部屋へ伺った時…。
ねえそれ本当に睡眠薬なの?ええ。
わたくしが飲んでいるのと同じお薬でした。
実はわたくし更年期障害による不眠症で…。
見た目はこんなに若くてきれいでもやっぱり体は嘘をつけないんですねぇ。
ええっ?あっ?えっ?この睡眠薬常用されてますよね?ええ。
それが何か?これはかなりきつい薬で医者の処方がないと手に入りません。
この薬と同じ成分が殺された大重さんの体内から検出されました。
一昨日の午後4時から8時の間どちらにいらっしゃいましたか?私を疑ってるんですか?ご参考までにお聞きしているんです。
4時から5時まで社長の新聞取材に立ち会ってました。
そのあとは?社長がお茶会の間はオフでしたので7時までエステを受けてそのままレストランで食事を。
部屋に戻ったのは8時過ぎです。
白水館の従業員の方に確認してください。
そうですか。
これで疑いは晴れるはずです。
帰らせて頂きます。
そうはいかないんです。
あなた投資に失敗して3千万の借金がありますよね?なんの事でしょう?その借金返済のために10年前に購入した泉コーポレーションの自社株を会社上場後に売ろうとなさってますよね?会社が急成長したおかげで株価は何倍にも跳ね上がって5千万ぐらいになるって聞いてますよ。
調べはついてるんですよ。
亜希子さんに3千万の借金?ああ。
ところが龍哉が詐欺事件をネタに幸子をゆすってきた。
詐欺の件が公になったら会社は上場出来なくなり株は売れないから借金を返せない。
でそのゆすりを知った亜希子さんが…。
ああっ!うっ…!やっぱり犯人は亜希子だ。
やっぱり?出たこれだもの。
新ちゃんあなたね最初は幸子さんが怪しいって言ってその前に理恵ちゃん。
で次は亜希子さんなの?そうだっけ?そうだっけってもうフラフラフラフラ…ボウフラみたいに…。
だってさ…。
だってさぁ…。
3人とも大重さんの死亡推定時刻には完璧なアリバイがあるんだから。
アリバイかぁ…。
もしかしてアリバイトリックがあるとか?アリバイトリック?アリバイトリック…アリバイ…。
(政子)トリック…。
アリバイ…。
トリック…。
アリバイ…。
トリック。
お義母様トリックってどうなさったんですか?いけない?いえいけなくはないです。
私もね事件解決に協力したいわ。
ねえ美奈さん。
はい。
犯人はこの白水館にいながらにして大重さんを海で溺死させたわけよね?はいおそらく。
大重さんの死亡推定時刻は午後4時から8時。
多分死亡したのは午後5時頃。
腕時計が5時9分で止まっていたそうですから。
浴槽でタイマーで殺したんじゃない?いやそれでしたら体内から水道水が検出されるはずです。
催眠術にかけて自ら海へ飛び込ませたとか…。
いえいえ睡眠薬を飲まされていました。
催眠術はかかりませんでしょ。
はぁ〜もう…私の大切な記念日に殺人事件が起きるなんて…。
記念日?お義母様私それずーっと気になってるんですけどなんの記念日ですか?実はね…。
はい…。
50年前主人にプロポーズされた日なの。
えっ?プロポーズ?よくそんな昔の話覚えてるな。
でしょ?場所はね知林ヶ島なんだって。
へえ〜。
あの日は満月で潮が満ちて帰れなくなったって。
それでお義母様生まれて初めての外泊だって!もうやだ恥ずかしい〜。
なんで美奈が恥ずかしがるんだよ。
だって潮が満ちたから外泊ってあれじゃないあれよ!あれって?あれよ!あれ…?それだ!それって?わかったわかったわかったわかった!何が?ねえ…。
アリバイトリック。
ア…アリバイトリック?うん。
海よ。
あのね犯人は潮を使ったの。
潮の満ち引きを使ったのよ!わからない。
事件があったお茶会の日は十三夜で大潮。
ああ。
潮位の差が一番大きい日なの。
干潮は?えー…午前11時30分。
満潮は?午後5時25分。
大重さんの腕時計が止まっていた5時9分はちょうど満潮だ。
殺害現場は知林ヶ島。
なんで?今の時期は通行禁止でしょ。
ああ。
無人島になるのよ。
そうか!犯人は大重さんに睡眠薬を飲ませて船で知林ヶ島に運んだ。
時間は引き潮の午前11時頃。
よし!準備完了!小百合さん頑張って!これ小百合さんなの?似てるんで私がそう名づけました。
まあ確かに。
フフフッ。
犯人は潮が引いている午後12時前に大重さんを岩場に放置しました。
今午前11時52分。
それで犯人は船で引き返し白水館に戻った。
今午後4時32分だ。
5時9分。
小百合さん…。
午後5時40分。
こうやって潮の満ち引きを利用すれば犯人は白水館にいたまま大重さんを殺害出来る。
ああ。
その後再び潮が引き始め午後11時59分に干潮。
犯人は夜中に船で島へ戻り大重さんを乗せて指宿港近くに遺棄をした。
これでアリバイは崩れたな。
(2人)はい。
容疑者は3人だ。
泉幸子嶋田理恵渡辺亜希子。
ありがとうございます。
理恵ちゃん大丈夫?まあなんとか…。
理恵ちゃん気を悪くしないでほしいんだけどお茶会の日うちへ来る前どこにいた?ここにいましたけど。
そう。
それ証明出来る?いいえ。
美奈さん私を疑ってるんですか?ううん。
疑いを晴らしたいの。
(理恵)犯人はあの女です。
理恵ちゃんまだ幸子さんの事…。
ご主人に伝えてください。
早く逮捕してくださいって。
すいません。
今日はもう帰って頂けませんか。
あっごめんね私何も出来なくってもう…。
理恵ちゃんこれ…。
美奈。
あっ新ちゃんどうだった?不動産屋で確認出来た。
理恵は店を閉じて東京に戻る気らしい。
ああやっぱり。
逃げる気だな〜。
なんで理恵ちゃんが逃げるのよ。
契約の保証人は大重さんだった。
えっ?それだけじゃない。
大重さん理恵にお金を貸してたようだよ。
えっお金を?ああ。
あの花屋はねもともと大重さんの知人が経営していてその店を理恵が譲り受けたんだ。
その時必要だった開店資金なんかを大重さんが貸してたってわけ。
そう。
理恵は少しずつ返してたらしいんだけど大重さんが死んだ今その必要がなくなった。
嫌な言い方するねぇ。
あっ新ちゃんまさかまた…。
理恵が大重さんを殺す動機は十分なの。
そんな単純な話じゃないでしょ。
(携帯電話)あっちょっと…。
警部だよ〜ん。
警部だよ〜んってもう!はいもしもし。
大重の車が番所鼻で見つかった。
大重さんの車が?うんすぐに行ってくれ。
はい美奈。
はい。
はい。
はいどうも!どれなの?
(亀田)この車です。
なんか出た?ねえ新ちゃん。
え?新ちゃん早く!来て。
これこれ。
あっダメ!ICレコーダーだ。
あれ?電池切れてる。
亀分析頼む。
(亀田)はい。
ねえ新ちゃん。
ん?犯人は大重さんをここに呼び出したって事よね?ここに?うん。
ここだと人目につかないし犯人は大重さんに睡眠薬を飲ませて船に乗せて知林ヶ島に運んだ。
ねっ?犯人間違いなくここに来てる!そうか。
…とすると茶会のあった日の午前中だ。
ねえ新ちゃん。
ん?私その日の午前中幸子さんとここに来た。
ええっ!?
(美奈の声)しかも…。
美奈さん悪いけど少し一人にしてもらえますか?まさか…。
ここの係員の人に聞いてみよう。
なっ?すみませんちょっとお聞きしたいんですがえっと…4日前の27日この男の人見かけませんでしょうか?4日前?ええ。
ああ来たね。
間違いありませんか?うん。
あの日は一人客が続いて珍しいなぁと思ったからよく覚えてるよ。
続いたんですか?うん。
この人が来る前にも一人客がちょうど来てね。
え…写真写真写真!ああ…はい。
あの…その人この中にいますか?う〜ん…あっこの人だ。
ええっ!?そんな…。
ああ…。
事件の真相がわかったんです。
そして犯人も。
全てはこの雑誌から始まりました。
殺された嶋田龍哉は東京で強盗傷害事件を起こした翌日週刊誌に出ていた泉幸子さんが27年前両親が詐欺に遭った男の娘である事に気づいた。
龍哉は姉の店の番号を調べ幸子さんが指宿の白水館に来てる事を知ると…。
龍哉!?金をゆすりに指宿へやって来た。
そして…。
(龍哉)うあーっ!
(幸子)あっ!うっ…!う…。
殺すわけねえだろ。
頂くもん頂かなきゃなぁ。
(理恵)嘘!そんな話嘘よ。
殺したのはこの人。
あなたは自分の過去を知られるのが困るからそれで龍哉を殺したんでしょ?違うわ。
あなたのストールが凶器だったのが何よりの証拠よ。
理恵ちゃん。
もう少し話を聞いて。
龍哉をしめ殺したストールは白水館のゴミ捨て場から見つかりました。
犯人にとって誤算だったのは焼却されるはずのストールが拾われてしまった事。
そして最大の誤算は龍哉さんが殺された事を大重さんに気づかれてしまった事。
犯人はお茶会の日の午前中大重さんをこの番所鼻に呼び出した。
つまり犯人はここに来てるんですよ。
幸子さんあの日の午前中私と一緒にここに来たわよね?幸子が?幸子さんは新婚旅行の時にご夫婦で一緒に植えた木を25年ぶりに見るのを楽しみにしていらっしゃいました。
ですがご主人が仕事になって2人揃って見る事が出来なくなった。
それで私が一緒にここに来た。
(幸子)ええ。
幸子さんあなたあの時一人でここに残りましたよね?やっぱりあなたが殺したんじゃない。
違うの。
えっ?犯人は…泉さんあなたですね。
そんな…。
冗談はやめてください。
それとも私が犯人だという何か証拠でも?これが証拠です。
大重さんあなたとの会話録音してたんです。
(大重)「泉さん龍哉を殺したのはあんただ」
(泉)「証拠はあるんですか?」
(大重)「人目を避けて俺をこんなところに呼び出したのが何よりの証拠だ」
(泉)「ハハハハハ…はめられたってわけですか」殺したのは私です。
どうして…。
あの日視察先から帰ってみると君の様子が変だったのであとをつけた。
(龍哉)あんたの親父のせいでめちゃめちゃにされちまったんだよ!ああっ!待てコラ!
(龍哉)うあーっ!
(幸子)あっ!うっ…!う…。
殺すわけねえだろ。
頂くもん頂かなきゃなぁ。
君は誰だ?そこで君の父親の事を知った。
わかった。
君のご両親がだまし取られた金は必ず私が返す。
その代わりこの事は一生黙っていてくれ。
そいつは約束出来ねえな。
(泉の声)この男に一生金をゆすられる。
私の会社は食い物にされる。
そう思った。
うっ!ああっ!ああっ!うぅ…!
(泉の声)男の私がストールを持っていれば目立つ。
それで捨てた。
しかしそのせいで幸子に疑いがかかってしまった。
あなたが龍哉さんを殺した事大重さんに気づかれたんですね。
(泉の声)部屋に突然電話がかかってきた。
(電話)はい。
あんたが泉幸子さんの旦那か?あなたは?大重という。
嶋田龍哉を殺したのはあんただ。
なんの事です?いきなり電話してきて失礼じゃないですか。
証拠があるんだよ。
あんたが殺したという。
(泉の声)目の前が真っ暗になった。
苦労に苦労を重ねて築き上げた会社が夢だった上場を前に一気に崩れ落ちる。
私は心を決めた。
会社を守るために突き進むしかないと。
(泉の声)翌日は名月茶会だった。
それで思いついた。
潮の満ち引きを利用して大重を殺そうと。
すぐに指宿の満潮と干潮の時間を調べた。
そして…。
あなたが大重さん?そうだ。
俺は元刑事だ。
あんたの奥さんを見たが殺しを出来る女じゃない。
刑事の勘ってやつですか?ああ。
泉さん龍哉を殺したのはあんただ。
証拠はあるんですか?人目を避けて俺をこんなところに呼び出したのが何よりの証拠だ。
ハハハハハ…はめられたってわけですか。
うっ…!ああっ!あぁ…。
うっ…!
(泉の声)知林ヶ島へ盗んだ船で大重を運び波に流されないように岩に縛りつけ…。
(泉の声)白水館に戻って取材を受け…。
(泉の声)茶会に出席しました。
そして地林ヶ島に戻ったのは深夜。
大重さんの遺体を船で運んで指宿港に遺棄したんですね。
盗んだ船はそのまま海へ流した。
渡辺君君の睡眠剤をバッグから失敬したために君が疑われてしまった。
申し訳なかった。
社長…。
私社長が犯人じゃないかと思っていました。
私が睡眠剤を常用してたのを社長は知っていましたから。
でも警察には言えなかった。
社長が犯人だなんて思いたくなかったから。
結局あなたは自分の会社を守りたくて龍哉と大重さんを殺したんでしょ?そうだ。
そのとおりだ。
弟のやり方は間違ってるってわかってる。
だけど弟は両親がお金をだまし取られて死ななくちゃならなかったのがどうしても許せなかった。
だからあなたやあなたの旦那さんにぶつけた。
弟は本当はお金が欲しかったんじゃない。
家族を返してほしかったの!理恵さんあなた方ご姉弟には心から申し訳ないと思ってます。
本当に申し訳ありませんでした。
理恵ちゃん。
幸子さんもねとってもつらい思いをしてきたの。
その気持ちわかろうとしてね。
全部私のせいなんです。
私がちゃんと主人に話していればこんな事にはならなかった。
私が主人を追い詰めたんです。
泉さん本当の事をおっしゃったらいかがですか。
弟さんを殺してしまった本当の理由を。
泉さん奥さんのためにも真実を話すべきですよ。
これ…この前来た時にはボロボロのプレートだったのに。
ええ。
ご主人が新しいプレートに替えたんです。
そうですよね?泉さん。
あなたが?大重さんに会う前に付け替えた。
違いますか?そうです。
部屋に番所鼻のパンフレットがあって思い出した。
ここで新婚植樹をした事を。
この新しいプレートを見て気づいたんです。
泉さんが守りたかったものはお金や会社ではなくて幸子さんだったんじゃないかって。
私のため?泉さん話して頂けますね?あの男は幸子を許さないと言った。
そいつは約束出来ねえな。
俺の人生あの女の父親のせいでめちゃくちゃにされたんだ。
そう簡単に許すわけにはいかねえよ。
(泉の声)この男は一生幸子に付きまとう。
金を払っても何をしても一生幸子を苦しめる。
そう思ったら…。
うっ!ああっ!ああっ!うぅ…!怖かったんだ。
あの男は君のこれからの人生をめちゃくちゃにする事になる。
だからああするしか…。
幸子…君には散々苦労させてきたね。
君と私たった2人の小さな不動産会社で君は事務から雑用接客まで何もかも一人でやってくれた。
私が借金で取り立て屋に追われ生きる気力もなくして絶望しかない時も離れなかった。
私が離婚してくれと言っても「一緒に生きたい」そう言ってくれた。
ええ死ぬまで一緒にあなたといたいって思ったんだもの。
だから…だから頑張れた。
君がそばにいてくれたから。
がむしゃらに働けたのも会社を上場するまで大きく出来たのも君のおかげだ。
君の笑顔が僕を支えてくれた。
君を守りたかった。
泉さんあなたが幸子さんを守りたかったという気持ちはよくわかります。
2人はこれまでたくさんの苦労を乗り越えてきたんですね。
だったら今回もそうすべきでした。
幸子さんもそうです。
一人で苦しまないでその苦しみを分かち合えば2人で乗り越えられたはずです。
そうですよ。
だってお二人はご夫婦なんですから。
泉航平。
嶋田龍哉及び大重辰夫殺害容疑で逮捕する。
奥さんあなたからもお話を。
はい。
泉さん罪をしっかり償っていつの日かまた2人一緒にこの木を見に戻ってきてください。
さあ。
理恵ちゃん!美奈さん。
お店続ける事にしたのね。
もう少し頑張ってみます。
よかった〜!はい。
これ幸子さんから。
27年前のクリスマスの日理恵ちゃんのお母さんが「お金を返してください!」って来た日の事幸子さんずーっと忘れられなかったんだって。
幸子さん施設の子供たちにクリスマスケーキ配ってるんですって。
このケーキ幸子さんの気持ち。
はい!よっ!せ〜のよいしょ!はぁ〜!ねえ新ちゃん。
ん?私たちは何があっても一緒に乗り越えていこうね。
ああこの木が大きくなるまでずっと一緒だ。
新ちゃんは私を守る。
私は新ちゃんを守ります。
嬉しい〜!ウフッ新ちゃん…。
(2人)ん〜!
(政子)新太郎。
は…はい!あっはい…。
美奈さん。
結婚20周年おめでとう。
ありがとうございます。
ありがとう。
これはねわたくしからのプレゼント。
(2人)「熟婚植樹」…。
だって新婚じゃないでしょ?いやでも気分は新婚だけど。
ねえ!ごちそうさま。
どういたしまして。
さっじゃあおなかがいっぱいになったところでお茶のお稽古始めましょう。
へっ!?いやお茶会終わったじゃない。
昨日は全然なってませんでしたよ。
さっ行きましょう。
はぁ…新ちゃん昨日お作法間違えてたのばれてんじゃん。
もう!俺?いやちょっと…。
美奈ちゃんもう…。
熟婚か…。
(政子)本日は指宿白水館をご利用頂きまして誠にありがとうございます。
わたくし大おかみの中川政子でございます。
若おかみの中川美奈でございます。
皆様の日頃のお疲れを癒やして頂きたくわたくしども従業員一同心を込めてサービスをさせて頂きます。
どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。
(拍手)うわあ!すいません!小百合さん気をつけてね!ああ…!ああーっ!小百合さんどいて〜!2015/04/04(土) 12:00〜13:55
ABCテレビ1
温泉若おかみの殺人推理[再][字]

鹿児島指宿〜フルムーン旅行連続殺人茶会の夜に疑惑の客たち!!満月が作った犯罪トリック!?

詳細情報
◇番組内容
大好評シリーズ第25弾!結婚25周年のフルムーン夫婦の記念旅行中に、連続殺人事件が発生!鹿児島・指宿温泉を舞台に、若おかみが意外な真犯人を突き止める!!
◇出演者
東ちづる、羽場裕一、岡田茉莉子、宅麻伸、いしのようこ、高橋かおり、若林豪、山村紅葉、深水三章、大路恵美

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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