信州大学(本部・松本市)の入学式が4日、同市総合体育館で開かれた。全8学部の入学生2190人(うち編入生94人)と大学院入学生712人が、新たな勉学への一歩を踏み出した。
学長あいさつで山沢清人学長は、独創性や個性の重要性について、「若い時に個性の発掘に没頭する『自分探し』は勧められない。個性を発揮するとは、何か特別なことをするのではなく、問題や課題に対し、常に自分で考えることを習慣づける、考えることから逃げないこと」と強調。創造的な思考を育てる環境を毒するものとして、「スマホ依存症」を挙げ、「スマホやめますか、それとも信大生やめますか。スイッチを切って本を読みましょう。友達と話をしましょう」と呼び掛けた。
続いて新入生を代表して農学部農学生命科学科の倉田祐輔さん(18)=南箕輪村、上伊那農業高出身=が、「生産から販売まで一貫してできる農業を、大学生活の間に確立したい。最終的には信州の農業が若い人を中心に発展し、消費者の多様なニーズに応えるブランドにしたい」と目標を示し、「農学以外の多様な分野の勉学に取り組み、グローバル的視野で私の考える農業を広げ、社会に貢献したい」と誓いの言葉を述べた。
信大学務課によると、編入生を除く学部入学生2068人の出身地は県内が552人で最多。次いで愛知県の228人、東京都の136人などで、北海道(54人)から沖縄県(12人)まで全47都道府県から集まった。全員が松本キャンパスで1年間の共通教育を受ける。