—深夜に救急車で大学病院に運ばれたとき、そういう経験のない当直医に当たったら最悪ですね。
派閥争いで赤ちゃんが死んだ
医師A 残念ながらこれは大学病院だけの問題じゃありません。開業医を集めた認知症の講演会に出席したときのことです。認知症の患者さんをたくさん抱える病院の専門医が司会をしていたのですが、なんと彼、こうのたまったんです。
「患者さんには認知症薬を使ってますが、私は素人でよくわからない。MR(医薬品メーカーの医薬情報担当者)さんの言う通りにクスリを減らしていけばいいんでしょうか」
何のことはない。門外漢である脳外科の先生が認知症患者を診ていたんです。
医師C 兼業で小児科をやってる開業医も多い。
医師A 診療報酬が高いですからね。話を聞くだけで5000円でしょう?
医師C ただ、診察はするけど検査はしない。検査会社に払う料金が高く、赤字になる可能性があるから、他の病院に回す(笑)。
医師B 呼吸器内科の専門医がいない病院が肺気腫の患者さんを診てることも。開業医だからといって経験豊富なわけではない。ようはどの医者を選ぶかです。
—医療過誤が後を絶たないわけですね。
医師C 千葉の病院でしたか、腹痛を訴えて駆け込んできた患者を虫垂炎と診断。開腹して切りとってみたら虫垂炎じゃなかった、というケースがありました。戻すに戻せないので、この医者は開き直った。虫垂は切っても問題ない。どうせ病気かどうかなんてわからないだろうと考え、「キレイに取れましたよ!」と患者さんに虫垂を見せたのです。「ありがとうございます」と感謝されたんだとか。
医師A ガーゼを患者さんの体の中に忘れるミスはわりとポピュラーですね。たいてい、患者さんが「患部が痛む」と病院に来られ、そこで取り出すことになります。患者さんには「異物が詰まっていたようです」などと、それらしい診断結果を告げておしまい。
医師B 研修医もやらかしますよね。これは大学病院で起きた話ですが、ある夜、頭痛と高熱、吐き気を訴えて子どもが担ぎこまれてきた。上司の見立ては風邪。しかしその研修医は髄膜炎を疑い、ルンバール(腰椎穿刺)をやりたいと直言。腰骨に穴を開けて、針を刺し、骨髄液を採取するという大掛かりな処置をしたんですが、やっぱり風邪でした。
—腰骨に穴を開けておいてですか?
医師B しかも、ルンバールは感染症にかかるリスクがあり、死亡例もあるんですが、当然、その危険性も誤診も家族には説明されていませんでした。
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