非正規社員:不本意就労331万人
毎日新聞 2015年04月05日 09時30分(最終更新 04月05日 10時12分)
14年の有効求人倍率(1.09倍)はバブル期以来の高水準で、完全失業率(3.6%)も4年連続で好転。だが、不安定な非正規層に支えられた雇用指標の「改善」に、専修大の高橋祐吉教授(労働経済学)は「良い仕事があったら変わりたいと考える不本意な労働者は『隠れた失業者』とも言える。そうした労働力に頼ったビジネスモデルが定着しても、社会の安定は生まれない」と懐疑的だ。
政府は今国会で労働者派遣法の改正案成立を目指している。現在は一部の専門職を除き、企業が同じ職場で派遣労働者を使える期間を最長3年に制限しているが、労働者を入れ替えれば継続的に雇えるようになる内容だ。人件費を削りたい経営側に都合良く利用される懸念も指摘されている。人口も減少する中、高橋教授は「疲弊して将来設計を描けない働き方を広げるような成長戦略では、行き詰まる」と警告する。【青木絵美】
◇アベノミクス、実態は非正規拡大
安倍晋三首相は就任した2012年から2年間の「アベノミクス」の成果として「100万人の雇用を生み出した」と強調する。だが2年間で正規労働者は約50万人減り、非正規労働者は約150万人増えた。首相が言う「100万人の雇用創出」の実態は非正規の拡大だったことになる。
13年の総務省の調査によると、非正規の男性の78%は就労収入が年間300万円に届かない。厚生労働省の別の調査では、結婚に対する意識も正規労働者より低い。非正規労働者などの相談を受ける連合福岡ユニオンの担当者は「抜本的な解決は直接雇用の正社員を原則にすること」と訴える。