フランス・パリのセーヌ川に春が。
その訪れを告げるこんなスイーツをご存じですか?サクッとしたパイ生地の中にみずみずしいフルーツがたっぷり。
おどけた表情が愛らしい魚の形のパイはフランスの春の風物詩です。
イチゴにオレンジなどさまざまな果物を載せたかわいい魚たち。
このパイが登場するのは…フランスではこの日をポワソン・ダブリル4月の魚と呼びちょっとしたうそやいたずらをしてそのあとみんなで魚の形のパイを食べるんです。
今日はフランスのポワソン・ダブリル4月の魚のパイにまつわるお話です。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末えいが暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
ねえねえねえ。
ヘンゼル。
エイプリルフールあったじゃない?何かうそついた?
(瀬戸)うそ?えっとね…。
あ!「かまど優しいね」とか「かまど声がきれいだね」とか「かまど魔法の切れいいね」などなど。
などなどってちょっと。
あれうそだったの?え?やだ〜。
まあまあいいじゃないの。
そんな細かい事は気にしないで。
春だし。
ちょっとかまどかまど。
ちょっとこれ見てこれ。
あら?お。
あほら!うわ〜おいしそうこれ!このイチゴ使って何作ろうかなあ。
何作ろうかなあ?イチゴのスイーツいろいろあるんじゃないの?あ!これとかいいんじゃないの?どれどれどれ?あいいんじゃない?よ〜し。
こよいひもとくのはパリっ子の4月の魚パイ。
4月の初めパリのお菓子の店がにわかに活気づきます。
どの店も春の訪れを祝うお菓子作りに大忙し。
こんな魚の形をしたお菓子があちこちに並びます。
どれもユーモラスねえ。
こちらは280年以上の歴史を持つパリで最も古いといわれるお菓子のお店。
伝統的な手法で魚型のパイを焼き続ける数少ない老舗です。
魚の姿を目で楽しみそしてそのおいしさを味わう。
古くからの習わしがパリの街角で今も息づいているのです。
こちらはパティシエのロドルフさん。
魚の形のパイは子どもの頃から慣れ親しんだお菓子と言います。
このパイの定番はリンゴを載せたもの。
昔ながらの素朴な味。
薄めのパイ生地にリンゴを煮詰めたペーストを敷きその上にスライスしたリンゴを載せます。
さてどんなふうに焼き上がったかしら。
わ〜こんがりおいしそう!でも何でそもそも魚なの?4月1日と魚の関係は諸説あるそうで…。
もともとこの魚フランス語でMaquereau。
つまりサバの事らしいの。
一説には…はたまた…4月1日にサバを食べている人を「ポワソン・ダブリル」つまり「4月の魚」とからかったからとか。
ユーモアあふれるお話がたっくさん残ってるそうよ。
そんなポワソン・ダブリルのパイを日本でも見つけました〜!本場フランスの味を伝えるこの店では4月1日に合わせ毎年イチゴを使った魚型のパイが登場します。
フランスでの修業時代に出会ったポワソン・ダブリルが今も目に焼き付いています。
暖かくなると魚が泳いで出てくるぐらいになるとポワソン・ダブリルで春春春って感じですよね。
藤森シェフが使うのは甘みの強いイチゴ。
カスタードクリームを使ったオーソドックスなイチゴのパイは日本人にもなじみ深い味です。
魚の目を描いて…。
人を笑わせるようなちょっとおどけた表情にするのがポイント。
古くからフランスの人々に愛されてきたポワソン・ダブリルのパイ。
おどけた顔で笑いを誘うフランスの春ならではのスイーツです。
うん!ポワソン・ダブリル楽しそうだなあ!ユーモラスなお菓子よね。
かまども気に入りました!じゃあ早速作りますか!そうしましょう。
ブサカワ?あのね人を笑わせるおどけた顔にしたいのよ。
だからこのブサイクでカワイイ感じ目指しましょう。
そこに紙あるでしょう?それに作りたい魚の形を描いてほしいのね。
細い魚じゃなくてヒラメみたいにドンと丸い魚を描いてみようかな。
パイシートが無駄にならないでしょ?ちょっとおどけた感じだもんね。
笑わせてくれなきゃ困ります。
それ口元?これ口元。
フフフ…。
変な絵ではあるから。
いいんじゃないでしょうか。
よ〜し。
これを?厚紙に起こしていきます。
オッケー出来ました〜!出来たねえ。
じゃあねそれを使って次はね型抜きいきますよ。
型抜き出た。
はい。
冷蔵庫にねパイシートが入ってます。
分かりました。
これさ…2枚使うんだ。
はい2枚使うよ。
市販のパイシートね手軽に手に入るし。
きちんと膨らんでくれますから失敗も少ないのでそうしました。
こんな感じで。
2枚重ねる理由はねパイを分厚くして内側を器みたいにするためなのね。
2枚重ねた下の部分は土台に。
そして上の部分はくりぬいてクリームやフルーツを載せる器になるのよ。
それで…さっきのね。
これで…型紙をあてると!ちょっと慎重にお願いしますけれど…。
ス〜ッといって。
あの…小刻みに動かさないで。
え?小刻み禁止です。
小刻み禁止これ?そうよ。
あこうやって…いけるんだこれ。
ス〜ッと。
お。
切れたかな?いった?出来た〜!出来たんじゃないですか〜。
よいしょ〜。
そうそうそうそう。
あんまり無理に引っ張ると形がね崩れちゃうから。
丁寧に。
ではここでオキテお願いします。
どういう事これ?パイの周りに切り込みを入れる事で重ねたパイ生地をくっつきやすくするのね。
合ってるこれ?そうそう。
2枚のパイシートがずれたり離れたりしないようにしたい訳よ。
だからきっちり2つをかみ合わせるというかいいんじゃないですかね。
それぐらです。
こういう感じ。
口の部分はもう置いておいて下さい。
やらなくていいからね。
空気穴空気穴空気穴空気穴…。
この空気穴を開けないとですねパイの中心の部分だけブワッと盛り上がったりしちゃうので満遍なくグッと盛り上がるために大切な作業です。
スタート!きれいに膨らんで下さい。
2013年4月1日。
フランスでも新聞にうそのニュースが。
フグタさんとかハマチガワさんとかを守るって事?うん?ほかにもこ〜んな突拍子もないうそで街じゅう大盛り上がり。
更にフランス各地で行われるポワソン・ダブリル定番のいたずらといえばこちら〜!魚のイラストをこっそり人の背中に貼り付ける事。
お魚つけてどこ行くの?そしてこちらはフランス南部の港町マルセイユ。
カムグリさんのお宅でも…。
この日を心待ちにしていたロマンくんとケヴィンくん兄弟。
作っているのはやっぱり魚。
いたずらの準備に夢中です。
ところで今日の作戦は?さあうまくいくかしら?健闘を祈りま〜す!平然を装ってお母さんにさりげなく話しかけ背中にそっと魚を貼りました!おっと魚が逆さまというトラブルが!貼り直してなんとか成功です。
更にノリノリの2人。
おじいちゃんには2匹の魚の貼り付けに成功〜!最後の難関はお父さん。
甘えるふりして…押し過ぎないように。
でも落ちないようにしっかりと。
よしお見事〜!オッケーよ。
あれれ〜。
早くもおじいちゃんの背中気付かれちゃいました。
今度はお父さんが何やら…。
やられちゃったわね。
思いっきりいたずらを楽しんだら今度は家族でパイ作り。
まずは子どもたちが大好きなイチゴのパイ。
さてどんな魚に仕上がるかな?真っ赤なイチゴと緑が爽やかなキウイ。
2つのパイが出来ました。
家族にとって春に欠かせないスイーツです。
サバのイラスト貼るのいいね。
楽しそう。
もう楽しすぎる〜!ロマンくんとケヴィンくん兄弟のいたずらもかわいかったな。
家族中幸せがあふれてたよね。
そうだね。
老若男女みんなでいたずらを楽しむっていう感じがね。
何かいいよね!やってみたい。
僕もやってみたい。
僕もやってみたいな。
やってみたいよ。
やってみたいな。
何やってみちゃってんの?それかまどの背中じゃないから。
前方だから。
前面よ!かまど。
めっちゃくちゃ似合ってるよ。
似合ってんの?よし次いこう。
似合ってんだ。
続き続き。
続きやんなきゃ。
じゃあオキテどうぞ。
あこれさオーブンに入れて終わりじゃないんだね!はいそうです。
周りどう?少し茶色くなってる?うん。
いい感じだと思う。
いい感じ?じゃあ中をくりぬくタイミングですよ。
あ今!?そうです。
やばい。
やけどしないようにして下さいよ。
は〜い。
もう…。
すごいいい香りがするよね。
ほら!いい感じじゃないですかこれ。
これあんまり焼きが甘いうちにくりぬくとねペチャンってなっちゃうのよ。
倒れたりね周りから倒れてきたりひしゃげたりしちゃって。
オ?いった?オ〜ッ!いきましたよ!じゃそれねもう一度オーブンに入れるの。
もう一度オーブンに入れる?中まで火を通すのよ。
ちょっと色づいてるかしら?うん!じゃあねオーブンからパイ出してちょうだいな。
オーケー。
よっ!いい感じに色ついてます。
色ついてますか?中を防水するためっていうかね中にクリーム入れるでしょ?その時にクリームぬってしけっちゃわないように。
サクサクのパイになるポイントなのよ。
いいんじゃないの?いいですね。
じゃあそれでもう一度オーブンへ入れてちょうだい。
それで次はクリームだね。
はいそうです。
クリーム作りましょう。
今日はカスタードと生クリームを混ぜてサクサクパイにぴったりなクリームを作るわよ。
オッケーです。
ちょっと一息TeaBreak!日本でもポワソン・ダブリルを楽しむ人たちを発見。
本場フランスに倣って開かれていたのは…腕利きのパティシエたちによる魚型のスイーツが大集合。
イチゴにパインキウイなど5種類のフルーツを盛り込んだヒラメの姿のフルーツパイや…大きな魚型のチョコレートが目を引く海をイメージしたチョコレートタルトや…カシスで色づけしたリンゴと透明な目が印象的なパイなど12種類。
2006年から毎年開かれているこの集い。
スイーツ好きの主婦やお菓子専門の記者などが集いポワソン・ダブリルのスイーツを楽しみその魅力を探っています。
おいしいお菓子をみんなで楽しみたいっていうホントに熱意のある方たちばかりが参加しているのでもっとどんどん盛り上がっていろんなポワソンが世の中に出てくれるといいなと思います。
日本でもポワソン・ダブリルが広がる事を期待します。
以上現場からでした。
いよいよ飾りつけいきましょう。
オーケー。
じゃあクリームからいくか。
ブブブ〜。
え?違うの?外れです。
最初にねコーンフレークいきますよ。
コーンフレーク?コーンフレークを最初にいくとねパイがクリームの水分を吸うのを防いでくれてねサクサク感が楽しめますので。
いいじゃないの。
8分目まで。
8分目まで。
入れて下さい。
入れ過ぎずって事ね。
このくらい入れてならす感じ?ウロコでお願いします。
ウロコみたくね。
イチゴウロコ。
じゃあまず1個。
こういう感じで…。
尾っぽからちょっと…。
置いていくよ。
色が鮮やかでいいわね。
ねえ!ウロコが赤。
かっこいいよね。
かっこいい?そのコメントあんまりついていけなかった。
かっこよくない?かっこいいかな?赤いウロコ。
すてきにデコレーションしてくれればそれでいいですよ。
目をつけなきゃいけないね。
人を和ませ笑わせるそれが目的です。
目的はブサカワだったよね。
完璧これ。
ハハハハハ…。
見えてるでしょ?そっちから。
口元もおかしいしこれ面白い。
これもうひょうきんな顔。
(インターホン)あ!姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り!春らしいスイーツ出来てるよ!真っ赤な旬のイチゴをウロコに見立てた愉快な魚のフルーツパイ。
イチゴの酸味と口溶けのよいカスタードクリームが相性抜群。
サクサクのパイを一口食べるとジョークの切れもよくなるかも。
この日の締めくくりはもちろん家族みんなで食べる事。
お味はいかが?おじいちゃんも満足そう。
パイの甘い香りに誘われて近所のお友達もやって来ました。
魚のパイを前にするとみ〜んなが笑顔になるみたい。
4月の魚。
それはフランスの人々に春の喜びとともに笑顔を届ける取って置きのスイーツでした。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?4月の魚パイ。
フランスに春を届けてくれる行事だけではなく人々に幸せまで届けてくれるそんなスイーツだったんですね。
あ〜僕もスイーツで大切な人を幸せにできたらなあ!ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
じゃあちょっと失礼して。
頂きま〜す。
オ〜ボリューミー。
頂きます。
うん!うん?聞こえる?この音。
聞こえましたよ。
またさこれイチゴとクリームが合うね。
合う?幸せ?幸せ。
かまどもすごく幸せなんです今。
何で?フフフッ!お魚がついてます。
え?そんなまさか…。
え〜!?ちょっと!かわいいな。
かまど…。
ちょっと取ってよこれ!それ体硬すぎない?ねえ。
あれ?取ってよこれちょっと。
さっきの仕返し。
かまどはね魔法が使えますから。
あれ?取れないぞこれは。
フッハッハッハッハッハッ!2015/04/03(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど・選「パリっ子たちの“4月の魚”」[字][デ]
フランスに春を告げるお菓子「4月の魚」。ユーモラスな表情をした魚型のパイで、ウイットに富んだウソやいたずらと共にエイプリルフールを彩るお菓子。その魅力とは?
詳細情報
番組内容
4月1日、フランスのエイプリルフールは「ポアソンダブリル」、訳して「4月の魚」と呼ばれる。由来の一説には、春、サバがカモメに狙われないように、体を青色に変えてだまそうとするからとか…。理由は定かではないが、人々は魚にちなみ、この日にちょっとしたいたずらをする。そんな楽しい一日のテーブルを飾るのが“4月の魚”パイ。フランスに春を告げる遊び心あふれる行事を取材。今年は、あなたもぜひ、楽しんでみたら?
出演者
【出演】オーナーパティシエ…藤森二郎,平岩理緒,瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
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