(森山)すいません。
(香織)はい。
(森山)そこの短い角材お願いします。
(香織)これですか?
(森山)ああ。
はい。
(香織)はい。
(香織)森山さんとはお知り合いなんですか?
(ハル)ああ。
時々この家をね見に来てくれるのよ。
あちこちねタダで修理してくれるの。
(香織)あら。
そう。
(森山)梅沢さん。
この家大切にしてるから。
(森山)すいません。
はい。
(森山)これお願いします。
ちょっと待ってください。
はい。
(森山)あ痛っ!?えっ?きつくないですか?
(森山)あっ。
大丈夫です。
ありがとうございます。
(ハル)森山さん。
(森山)はい。
(ハル)またアフリカ行っちゃうの?
(森山)たぶんそのうち。
(ハル)独り暮らしで心細いからあんたが時々来てくれると安心なんだけど。
(森山)また来ますよ。
(ハル)約束よ。
それまでは元気でいてくださいよ。
(ハル)約束。
(森山)あっはい。
約束。
(ハル)約束ね。
(森山)うん。
(森山)お孫さんですよね?この前の。
(栞)《ばあば。
一緒にケーキ食べよう》あっ。
そうです。
(森山)ちょっと驚きました。
えっ?
(森山)ばあばって。
あっ。
(森山)そういうイメージないから。
伊佐山さん。
あっ。
そうですか。
立派におばあちゃんやってます。
あのう。
さっき今度アフリカに行くっておっしゃってました?ああ。
ウガンダです。
時々行ってます。
行けば2〜3年はずっと。
あちらで何を?井戸掘りをしてます。
井戸?
(森山)はい。
えっ?建築家なのに?
(森山)家を建てるために井戸を掘ってるんです。
ウガンダは干ばつで水が少ないんです。
だから赤痢や伝染病がまん延して子供たちがたくさん命を落としてる。
いくら立派な家をつくってもそこに住む人間が病気で死んでしまったら何の意味もない。
だからまずは生きるための水を確保することから始めるんです。
それで井戸を?はい。
井戸から水が出たらその周りに家を建てます。
病気の心配をすることなく安心して暮らせる環境をつくる。
そしてそこで暮らす。
家をつくるとはそういうことです。
家は大切な場所です。
周りの自然と結び付いて人間の営みの中心となる場所です。
私には想像つかないな。
お墓をどうするとか孫のこととか台所の使い勝手とかそんなことで悩んでるのが精いっぱい。
前あなたに言われたとおりです。
私の住む世界はちっぽけで狭い世界です。
(森山)この前は言い過ぎました。
すいませんでした。
あっ。
そういう意味じゃなくて。
そうじゃなくて。
でも私はそんな小さな世界でじゅうぶん幸せなんです。
それでいいと思ってます。
僕はそうは思いません。
えっ?
(森山)あなたは自分を変えるべきです。
いや。
本当は変えたいと思ってる。
でもそうするには遅過ぎると思ってる。
だからせめて台所を変えることで自分の気持ちを満たそうとしてるんじゃ…。
そんなことないです。
私本当に今の生活に満足してるんです。
あなたに私の何が分かるんですか?
(森山)余計なこと言ってすいませんでした。
失礼します。
(森山)《あなたは自分を変えるべきです》《いや。
本当は変えたいと思ってる》嘘よ。
そんなの。
(呼び出し音)
(智恵子)もう。
(智恵子)もう純ちゃん。
(呼び出し音)
(純一)ただいま。
あれ?店行かないの?純ちゃん。
もうどうしちゃったのよ?ずっと起きて待ってたんだから。
心配したじゃないの。
(純一)ごめん。
東京でうろうろしてたら電車がなくなったからホテルに泊まった。
うろうろってどこを?
(純一)あちこち。
後は酔っぱらってよく覚えてない。
えっ?疲れたから少し寝るよ。
純ちゃん?もう。
ああー。
何でもやりっ放しの純ちゃん。
入れっ放しの純ちゃん。
うん?MIKU?ハートマーク!?何これ?
(和子)こんにちは。
あのう。
ああ!?いらっしゃい。
(和子)今ちょっといいかしら?ああ。
どうぞ。
うん。
どうぞ。
やっぱりいいです。
えっ?智恵子さんにお願いしたいことがあるの。
何?一緒に行ってほしいの。
どこに?ホストクラブ。
ホストクラブ!?行ったことあります?ホストクラブ。
いや。
まあ。
そりゃ若いころはね。
やっぱり。
智恵子さんなら絶対行ったことあるって思ってました。
何か好きそうだから。
ああいうとこ。
それどういう意味?お願いします。
一緒に行ってください。
何でホストクラブなのかな?前に話したでしょ?甘くて危険なにおいがぷんぷんするような恋がしたいの。
骨まで溶けるようなテキーラみたいな恋を。
その話は聞いた。
美容院の週刊誌で読んだんです。
そういうのは素人相手じゃ無理だって。
やっぱプロがいいって。
あのね和子さん。
分かってます。
お金ならあります。
この前競輪でもうけたから。
いやいや。
そういうこと言ってんじゃなくて。
いや。
そういうことも言うのもあるんだけどもその前に!何でそこまで破滅したがるかな?そりゃご主人に不満があるのは分かるわよ。
私だってあのおすし二口はどん引きしちゃったんだから。
でもね誰だって世の中旦那に1つや2つの不満はあるの。
私に言わせれば和子さん。
あなた今のままでじゅうぶん幸せだと思うんだけどな。
もういいです。
えっ?分かってくれた?一人で行きます。
えっ!?ちょっと待ちなさい!うっ!?早く早く。
いいですか?開けごま。
うわー。
(店長)いらっしゃいませ。
初めてなんでお願いします。
(店長)かしこまりました。
こちらへどうぞ。
(一同)いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
(店長)こちらへどうぞ。
すごいですね。
イケメンばっかりですよ。
物欲しげな顔しないの。
はい。
何かカッコイイ。
智恵子さん。
シーッ。
(2人)いらっしゃいませ。
失礼します。
(翔也)初めまして。
翔也です。
あっ。
(吾郎)「出掛けてきます」
(呼び出し音)
(翔也)すてきな姫さまよりシャンパン頂きました。
従業員より姫さまに…。
(一同)ありがとうございます。
あざーす。
あざーす。
お姫さま。
ああ。
楽しかった。
ねえ?ホントにごちそうになっていいの?競輪でもうけたお金だもん。
気にしないで。
じゃあごちそうさまでした。
ねえ。
うん?うん?また行きましょう。
ねっ。
あっ。
あそこはねしょっちゅう行くとこじゃないの。
これでおしまい。
分かった?主人怒るだろうな。
結婚して初めての朝帰り。
しかも無断外泊だもの。
いい?うちに帰っても絶対に謝っちゃ駄目よ。
ねっ。
ご主人に何言われてもいつもどおり知らん顔してるの。
分かった?はい。
・
(純一)チーちゃん!おかえり。
ああ。
懲りてませんね。
うん。
(生徒)おはよう。
(生徒)おはよう。
ただいま。
会社行ったんだ。
(ドアの閉まる音)
(晃司)ただいま。
(2人)おかえりなさい。
(晃司)ただいま。
どうも。
お邪魔してます。
ひどい話でしょ?若い女の子とホテルに泊まって朝帰りですから。
(時枝)まあ。
(晃司)それさ何かの間違いじゃないのか?ううん。
メールが来てたんですよ。
泊まらせちゃってごめんねって。
あら。
それはクロね。
でしょ。
だからねこっちも腹いせに朝帰りしてやったらしゃあしゃあとドッグカフェの女の子と朝デートですから。
(時枝)あらそう。
うちなんか私が帰ったらちゃっかり会社行ってるんですから。
あの人私のことより会社なんです。
普段から嫉妬深いくせにそれでも会社行くんですよ。
そう。
私今日も帰りませんから。
今夜泊まらせていただきます。
(晃司)んっ!?
(晃司)岩村さん。
(純一)ああどうも。
(吾郎)どうも。
(純一)そうか。
やっぱり香織さんのとこでしたか。
(吾郎)まったく。
何やってんだ?あいつは。
(晃司)まあそんなわけで2人はうちに泊まります。
(純一)すみませんね。
(吾郎)あのう。
(晃司)はい。
(吾郎)うちのやつ昨日どこに泊まったんでしょうか?それがはっきり言わないんです。
でもチーちゃんと一緒だってことは間違いないみたいです。
(吾郎)そうですか。
(晃司)はい。
(吾郎)速水さんと一緒だったりはしませんよね?
(純一)えっ?俺?
(吾郎)いや。
いいんです。
(純一)えっ?あのう。
これから女房を迎えに行ってもよろしいでしょうか?いや。
今夜はやめた方がいいですね。
うちは構いませんから。
ねっ。
さあ飲んで。
(吾郎)はあ。
何か楽しいね。
はい。
私お友達のうち初めて泊まりました。
心配してますよ。
ご主人たち。
(和子・智恵子)してないわよ。
でも私自分でも意外だったな。
何が?この年になって嫉妬するなんて。
女は死ぬまで現役だって言ってたんじゃないの?何かいいな。
新鮮な感じ。
私あした夫に言います。
今夢中になってるホストがいるのって。
駄目よ。
そんなこと言っちゃ。
修羅場になっちゃうわよ。
主人。
聞いたらどんな顔するかな?言っちゃ駄目よ。
ねえ?自分を変えたいと思ってる?
(和子・智恵子)えっ?この年で変えられるわけないわよね。
ただいま。
どんだけ会社が好きなのよ?・
(ドアの開く音)会社は?休んだ。
港で朝市やってたんだ。
魚買った。
焼いてくれないか?えっ?塩焼きが最高だって。
ええ。
・おはようございます。
いらっしゃいませ。
(未来)浅尾未来といいます。
未来?はっ。
あっ!?父がお世話になってます。
はあ?ごめんなさいね。
純ちゃんの娘さんだったなんて。
だって純ちゃん。
あなたのお母さんのことほとんど話しないから。
父が言ってました。
智恵子さんが気にするからあんまり話してないって。
別にいいのにね。
あっ。
どうぞ。
ありがとうございます。
でお母さんお元気?はい。
あっ。
純ちゃん。
どこ行っちゃったんだろうね?ちょっと電話してみる…。
あっ。
いいんです。
えっ?今日は智恵子さんにお話があって。
私に?はい。
あっ。
何。
何かしら?あのう。
おとといのことなんですけど私東京のレストランで父と食事をしたんですね。
うん。
あっ。
私ことしの秋に結婚することになって。
そう?わあ。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
それで父にバージンロードを一緒に歩いてもらえないか頼んだんです。
わあ。
純ちゃん喜んだ…。
あっ。
お父さん喜んだでしょ?そういうの大好きだから。
ええ。
そこまではよかったんですけど一緒にお店を出たら父が立ち止まったまま動かなくなって。
えっ?で私が「どうしたの?」って聞いたら父が不安そうな顔して言うんです。
「俺はどこに帰ればいいんだ?」って。
最初冗句かと思ったんですけど真剣に何度も言うから私心配になっちゃって。
それで父を落ち着かせるために近くのホテルに部屋を取って。
で部屋に入ったらいきなり眠り込んじゃって。
でも朝起きたら昨日のことが嘘みたいにけろっとして「ごめん。
ちょっと酔っぱらっちゃった」って言って帰ってったんです。
私何か心配になっちゃって。
智恵子さん。
父はどこか具合悪いんじゃないでしょうか?
(男性)何日?
(男性)2日です。
(男性)棟りょう。
冷蔵庫運んじゃいますね。
(男性)頼むな。
2日はきついだろうよ。
(純一)おっ。
帰ってるね。
あっ。
おかえり。
純ちゃん。
純ちゃん。
昨日ごめんね。
ううん。
何?どうしたの?うん?ううん。
何?何でもない。
(男性)ケガすんなよ。
(2人)はい。
あっ。
(森山)《いい木材使ってますよね》《大切に使われてたんだ。
この台所》《この床板を剥がすということはこの家を殺すことと同じです》《この場所は世界に通じてるんです》《あなたの世界はこんなちっぽけな場所だけじゃない》やめて!やめてください!
(看護師)速水さん。
速水純一さん。
(純一)あっはい。
(看護師)こちらどうぞ。
あっ。
2015/04/03(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
プラチナエイジ #05[字][デ]【出演:榊原郁恵 池上季実子 宮崎美子】
湘南に住む香織(榊原郁恵)と智恵子(池上季実子)、和子(宮崎美子)は同じ60歳。3人は夫を交え親睦を深めるが、やがてそれぞれが新たな人生の局面に立つことに…。
詳細情報
番組内容
香織(榊原郁恵)は建築家・森山(谷田歩)の優しい一面を垣間見る。少しだけ森山に親近感を抱くが、「あなたは自分を変えるべきです。いや、本当は変えたいと思ってる」との一言にカチンときて…。
競輪で大金を手に入れた和子(宮崎美子)が智恵子(池上季実子)を誘ってホストクラブに行く。ドキドキの和子をホストたちはお姫様のように扱う。テンションが上がる和子に翔也(小林豊)というホストが近づいて…。
番組内容2
朝帰りをした和子は、吾郎(中本賢)に怒られるに違いないと思うが、妻が帰ってこなくても吾郎はいつもと変わらず会社に行く。そのことに腹を立てる和子。智恵子も純一(春田純一)のことで不信に思っていることがあり、2人は香織の家で夫への不満をぶちまけるのだった。
出演者
伊佐山香織:榊原郁恵
速水智恵子:池上季実子
岩村和子:宮崎美子
速水純一:春田純一
岩村吾郎:中本 賢
伊佐山晃司:宅麻 伸
スタッフ
原作・脚本:清水有生
演出:阿部雄一
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
浦井孝行(国際放映)
河角直樹(国際放映)
音楽:佐藤舞希子
主題歌:郷ひろみ「100の願い」(ソニー・ミュージックレコーズ)
制作著作:国際放映
制作:東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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