カンブリア宮殿【時間にこそ価値がある!1700万人を魅了する時短ビジネスの全貌】 2015.04.02


神奈川県川崎市にある人気の商店街
その一本裏に半年前オープンした店が話題となっている。
中をのぞくと…。
結構賑わってるね
ここはいわばちょっとおしゃれな乾物屋さん。
国内外の無添加やオーガニックの乾燥食材を中心に250種類を扱っている。
今人気のブランド米も。
ここの特徴はグラム単位で量り売りするところ。
しかもセルフ
こだわりの食材を欲しい分だけ買えるスタイルが受けている。
こちらのお客が買ったのはスリランカ産の粒胡椒など5種類
なかにはこんな商品も
出てきたのは…
さっぱりしていてサラダに合うとか。
それにしても油の量り売りなんてめったに見ないよね。
そしてこの店で人気ナンバーワンの商品がこちら
ピーナッツをその場ですりつぶすできたてのピーナッツバターだ。
は〜っ!砂糖も塩も入っていないから和え物など料理にも使えるという
ごま和えじゃないけどピーナッツバター。
ちょうどランチタイム。
その一角に行列が
ここは1年ちょっとで40店舗近くに急成長したチェーン店。
みんなのお目当ては…
ステーキだ!ここはメニューをステーキ一本に絞った専門店。
しかも量り売り。
食べたい量を1グラム単位で量って焼いてくれる。
ランチタイムの一番人気がこれ。
300グラムのセット。
なんと1,296円。
醤油ベースのソースをかけて昼間からがっつり
肉食女子もこの笑顔
安さの秘密はこれ
回転のよさも安さの秘密だ。
お客がほしいものに絞り込んでいいものを安くを実現する
そんなビジネスが今さまざまな分野で広がっている
絞り込みビジネスで成功した元祖ともいえる店がここ
1,000円カットでおなじみの
ここが絞り込んだのはそう髪を切ること
高い位置まで上げちゃって?ソフトモヒカンではい。
やるのはカットだけ。
カラーリングやパーマはもちろんヒゲ剃りやシャンプーさえしない
シャンプーの代わりがこれ
頭に残った髪の毛を吸い取る掃除機だ
髪を洗わないからカット時間はわずか10分程度。
しかも値段は1080円
巨大ヘアカットチェーンだ
ここは2年前東京青山にオープンしたQBハウス
そこに1人の客がやってきた
お願いします。
一見物静かなサラリーマンに見えるがこの人物こそQBハウスを率いる男…
実は北野毎月のように新人スタッフのいる店に出向き彼らの練習台となっている
今年創業20年目を迎えるQBハウス。
北野は5年前から社長を務め今も進化させ続けている
キュービーネットの本社
10分1,000円のビジネスモデルだが実は少しずつかたちを変えている
その進化を一手に担っているのがこの部署。
店で使うさまざまなものを開発している
なかでも大きな変化を遂げたのがこのお客が座るイスと棚。
鏡と棚の真ん中に微妙な角度がついている
いったい何の意味があるのか?
女性スタッフに注目。
左手のクシで客の髪をとかしながら右手を棚に伸ばしハサミを持ち替えた。
作業を止めずに道具が取れる
実はカットの時間を1秒でも縮めるために棚に角度をつけてスタッフが物を取りやすいようにしている
縮めるのはカットの時間だけではない。
1人切り終わると次の客を迎えるため切った髪を棚の下に集める。
すると…
棚が髪を吸い取った!
いったいどんな仕掛けなのか。
扉を開けるとそこには
掃除機から伸びるパイプを見ると右側が2本になっている
そしてこのレバーを動かすと左側のパイプが前後に切り替わる。
手前は床の掃除機奥は…。
あのエアウォッシャーだ!
しかし時間短縮の最大の秘密は道具ではなくカットそのものにある。
実はスタッフに早く切る理論を徹底して教え込んでいる。
例えば前髪を2センチほど切る場合一般的には長さを確認できるよう下につまんで切る
だがこう切ると毛先が揃いすぎてなんだかヘルメットのよう。
しぜんな感じにするにはこのあと何度もハサミを入れる必要がある
じゃあどうやって切るかっていうと…。
通常は下向きにつまむ前髪をQBは上向き。
これでどうなるかというと…
そうするとこうやって下に落としたときに…。
確かにしぜんな前髪。
カット理論を積み重ねて…
こうした理論を武器に安さと早さを実現してきたQBだが最近ではこんなおしゃれな店も
女性を狙った美容室
切ったあとは洗い流さずドライヤーで飛ばす。
ここまでは従来のQBと同じ考え方
他のQBと大きく違う点は…
髪を整えたりちょっとアレンジしたいときに予約なしで入れるとあって利用する女性が増えている
通常の美容室の半額程度で済む
さまざまな独自戦略のもとで年商は右肩上がりで増え続けいまや140億円あまりに拡大。
カット専門業界のトップを独走している
今夜はカット業界に革命をもたらしたキュービーネット
働いているスタイリストさんは一日多い方でどれくらいの数のお客さんを切られるんですか?やっぱり年末とかすごく繁忙期になるとですね本当に60人70人切るお店もありますね。
そうするとですね研修とかを終えて入ったスタイリストの人は実際の仕事のなかでものすごいトレーニングを積んでることになりますよね。
そうですよね。
僕ねここがなんかでかいって言われてるんですよ。
横が張ってるってことですね。
ええ張ってる…。
だから普通に刈るとここがこう出ちゃったりするんですよね。
鍛えられますね。
なんかベテランっていうかすごい人になるとお客さんが座るじゃんでお客さんが何か言うでしょ。
すると何回ハサミ入れればいいかわかっちゃう。
そうですよね。
はい。
ほんとですか?ほんとですねだいたいヘアスタイル…。
すごい!理容師と美容師の違いっていうのは…。
不思議な法律。
いまやカット業界のトップに君臨するQBハウスだがかつて現場には不満と怒りが渦巻いていた
そんな逆境を北野はどう変えていったのか?

(旅行者:スペイン語で質問)
(翻訳機)これは何ですか?
(女将)日本のお菓子でございます。
(翻訳機:スペイン語に翻訳)
この日QBハウス最大のイベントが始まろうとしていた
ユニフォーム姿のスタッフが壇上に
スタート!
(開始ブザー)
始まったのは…
全国の予選を勝ち抜いた腕利きたちがグループ2,000人の頂点を目指して速さとカット技術を競い合う。
同僚たちも応援に駆けつけた。
年に一度のこの大会は北野が社長になってから始めたもの
去年大会を制したのがこの男だ
勝者を惜しみなく祝福する明るく一体感のあるスタッフたち
だが北野が入社した頃はこんな雰囲気ではなかった
1995年北野は大阪外国語大学を卒業
しかし3年後人生を変える出来事が起きる
日債銀国有化。
事実上の経営破綻だ
大銀行の破綻。
社内にはリストラの嵐が吹き荒れた。
職場は不安に包まれあちこちからこんな嘆きが
一人また一人と辞めていく上司や同僚たちを見て北野は思った
そんな北野が誇りを持てる転職先として選んだのが当時急ピッチで出店攻勢をかけ急成長していたキュービーネットだった
この日キュービーネットの本社をある人物が訪ねてきた
どうもおはようございます。
今日はごくろうさん。
ありがとうございます。
まだ銀行にいた北野をQBに誘ったのがこの人
1996年にQBを創業した
小西は入社した頃の北野にこんな印象を持ったという
(スタッフ)何をまとめるんですか?人を。
しかし北野が入社したあと社内の雰囲気は少しずつ変わっていく
急ピッチの出店により現場の負担は増加。
スタッフが1年で半分も辞める異常事態に。
当時を知るベテランはこう話す
そんな時期にトップに立った北野。
疲弊した現場を立て直すため拡大路線を転換。
大量出店をやめた
会社は社員を幸せにするためにある。
銀行時代の思いをよみがえらせた北野はその思いを実現するためさまざまな改革を打ち出す。
その1つがこれ。
カット技術のほか清潔さまた来たいかなど覆面調査ですべての店の満足度を毎月調べることにしたのだ
そして成績が優秀な店には…
はいこちらが全国店長会の表彰状です。
売り上げではなく接客や顧客満足度といった新しい評価基準を作り目には見えない社員たちの努力をきちんと見える化し報いるようにしたのだ
北野の改革で職場の雰囲気はがらっと変わった
もう1つ北野が社員の幸せのために作ったのがここ。
新入社員のためのカットスクールだ
広がってます。
こっちこう入ってるよね?
彼らの多くは国家資格を取って美容師となったがさまざまな理由で一度は諦めた人たち。
そんな彼らに再びチャレンジする場を与えている
何年も下積みがあたりまえのこの業界ですぐに技術を身につけて髪を切れる。
そんな働く人を幸せにするシステムを北野は作り上げたのだ
このシステムに惹かれて入社した
美容学校を卒業した直後に出産し一度は美容師を諦めていた。
2年のブランクはあるがここならもう一度夢にチャレンジできると入社した
人の出入りが激しくなかなか定着しない美容師理容師の業界。
だがQBは北野の改革で…
会社の玄関を入ってすぐのところに北野が大事にしている1枚の写真がある。
社員大会の写真だ。
若手からベテランまでみんな笑顔。
客から選ばれるだけでなく働く人が幸せになれる会社。
そんな目標に北野は一歩ずつ近づいている
僕らは門外漢でわかんないんですけど美容師とか理容師の方たちにとって髪をカットするってことはいろんな仕事があると思うんですけどそんななかでも特別なもんなんですかね?考えてみると髪の毛って人間の体の一部なんでそれに触ったりそれを加工したり切ったりってことはその人の人間を…大げさに言うと変えちゃうような行為ですもんね。
そうですね。
北野さんよくわからないところがあるんですけど日債銀潰れたっていっても金融機関で再就職先はいっぱいあったと思うんですよ。
それが10分1,000円の理容業界に入ったっていうのが一つわからないんですけどそれはどうしてなんですかね?私自身がなんでですか?ちょっと奇抜な髪型…。
奇抜じゃないですよ。
それ完成じゃないんですね。
完成じゃないですよ。
お金いらないから出てってって?ひどい!でも入社したときは店舗拡大もあって従業員の方が次々とやめてってっていう状態で。
そうですね。
そのときに北野さんが事業拡大していくと生まれるひずみみたいなものに気づかれたっていうのは…。
それこそ信頼関係ですもんね。
一度嫌な思いしたら…。
半分カットされたところにはもう行かないと…。
もう絶対行かないですよね。
理容師とか美容師っていう仕事は絶対にいくら人工知能が発達したりロボットが発達しても人間しかできないということから考えてもスタイリストって呼ばれてる人たちがほとんどすべてじゃないかと思うんですけどどうなんですかね?
収録を控えた村上龍はQBの安さと早さを支える意外な一面に注目した
そのデータ戦略のカギを握るのがこれ。
実はこの裏にものすごい仕掛けが…
1,000円カットのQBハウス
こんにちは。
店に着いたら客はまずこの券売機で料金を払う
実はこのチケットに大きな秘密が…。
客が席に着いたらチケットのバーコードを機械に読ませて…
切り終えてエアウォッシャーをオフにすると…
実はこうした店のデータが本社に自動で送られるシステムになっている
分析するのがこの3人
データ分析の専門家だ。
基本となるのが2,000人近いスタッフが客一人ひとりにかけたカット時間を分析すること。
例えばこの店では…
あるスタッフのカット時間が極端に長いことがわかる
データで問題点を見つけたらすぐさまそれを解決するために本社から人が派遣される
時間がかかっていたのは
まずは海老原の仕事ぶりをじっくり観察する
きょう担当の海老原ですよろしくお願いいたします。
かしこまりました。
この会話に田島の目が光った
そして切り終わった海老原が客に髪の長さを確認してもらうと…
そうですね。
かしこまりました。
切り直し。
実は海老原こうしたケースが多かった
客が帰ったら早速アドバイス
お疲れさまです。
お疲れさまです。
QBではこんなふうに膨大なデータをスタッフの成長の糧として使っている
QBは無機質なデータに血を通わせてサービスの向上につなげている
データサイエンティストって人が…専門家が3人いらっしゃる?そうですね。
その人たちはその膨大なデータをどう活用されてるんですか?北野さんこういうことをおっしゃってるんですよ。
店がダメになるっていうのは急にガクンと数十%数字が落ちるわけじゃないんだと。
月に1%や0.1%っていうすごい小さい数字落ちていることに無関心でいるときがいちばんやばいんだと。
そういうときは実は客はどんどん離れていってると。
だから現場のスタッフも数字に敏感であってほしいっておっしゃってますけどこのことを実現するには膨大なデータがないとダメですもんね。
そうですね。
ほら…。
一緒に考えていく?僕は非常に興味深いのはですねサービス業っていうのはなかなか海外展開難しいと言われてたんですけどQBは好調ですもんね。
実はQBハウスは香港で大人気
最大の武器はちょっとした空きスペースがあれば簡単に出店できる。
これで香港最大のチェーンになった
日本流のカットを広めている
嬉しいわ。
そこにお年寄りの行列が…。
その先にあったのがこの日オープンした
これまでQBはサラリーマンをターゲットにオフィス街や駅前に出店していたがここは団地の一角にあえて出店した。
団地や近くに住む高齢者に利用してもらうのが狙いだ
高齢者のなかには体の都合で髪を切りに行けない人も多いという
東京調布市の介護施設に1台のトラックが
この車高齢化時代に向けたQBの新兵器。
実はごめんください。
お迎えいらしたよ。
どうぞ。
こちらのおばあちゃんなんと101歳。
足腰が悪く外のサロンに行けないお年寄りにもプロのカットを提供しようと始めた事業だ
スタイリストの中尾をはじめ移動サロンの担当者は…
だからこんな気遣いもできる
腰痛くないですか?大丈夫?
ここで生きてくるのがQBの10分という早さ。
長い時間座っていられないお年寄りも我慢できる
ありがたいわ。
更にここでは白髪染めやパーマなどQBの店ではやらないサービスもお年寄りたちに提供している
これまでに訪問したのは首都圏を中心に50か所。
今年から本格的に拡大する計画だ
移動美容室ですけども施設のお年寄りたちにやはりとても喜ばれているようで…。
そうですね。
僕思うんですけどねああいった移動サロンみたいなことはボランティア的なところで語られることが多いんですけど僕は逆にそれをビジネスにしなければ長続きしないんですよ。
そうなんですよね。
カットしてもらうことの喜びとか身だしなみを整えるであったりカットする側もそうですけどこんなにすごく大切なことが詰まっているっていうのはふだんあんまり気づかなかったですね。
大事…髪切るって。
信頼っていうのは世界共通ですし愛はなくなっても信頼が残っていればつきあっていけると思うんですけど…。
どんなに愛の絶好調のときでも信頼を失えば一発で終わりですもんね。
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2015/04/02(木) 21:54〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【時間にこそ価値がある!1700万人を魅了する時短ビジネスの全貌】[字]

創業以来、18年連続で成長を続ける国内トップのカット専門店・QBハウス。独自に進化させた「10分1000円」という、斬新な時短ビジネスの全貌を徹底取材した。

詳細情報
番組内容
「髪を切るだけ、シャンプーなし」で「10分1000円」。19年前、この斬新なシステムをひっさげて登場し、いまや年間1700万人が利用するQBハウス。創業以来、18年連続で成長を続ける国内トップのカット専門店だ。なぜ10分で髪が切れるのか?なぜ1000円で儲かるのか?そこには、絶え間なく続く独自の進化があった!いまや世界で585店舗を展開する巨大チェーンとなった、その時短ビジネスの全貌を徹底取材した!
出演者
【ゲスト】キュービーネット社長 北野泰男
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/

【公式Facebook】

http://www.facebook.com/cambrian.palace

【公式Twitter】

https://twitter.com/cambrian_palace

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 討論・会談
バラエティ – トークバラエティ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:36133(0x8D25)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: