この取り組みをまとめるのは、トヨタ社長の豊田章男氏から直々に指揮を任されたというこの道50年のベテラン、河合満氏。同氏は、現在、国内13工場で、以前は機械で行なわれていたクランクシャフトの製造工程の一部を手作業に戻すというこのプロジェクトの監修を行い、現場の作業員の教育に取り組んでいる。個々の作業員が技術を習得することは、よりよいクルマを製造する方法を理解することにつながると考えるからだ。河合氏は「機械の使い方をマスターするのではなく、機械(ロボット)に教えられるだけの知識と技能を持つべきだ」と語る。実際、新人作業員にこうした技術を習得させたおかげで、本社工場では(3年前と比べ)生産ラインを96パーセントも短縮でき、廃品の量も減ったという。
また、このプロジェクトでは、問題があると誰かに助けを求めるのではなく、問題を自ら解決する知恵を技術者たちに学ばせるという試みも行っている。河合氏によれば、運用管理部門で新たにマネージャーになった社員を対象に、誰の助けも借りず自分自身でプロジェクトの完成に挑戦してもらうそうだ。
トヨタのこの取り組みは一見、時代と逆行しているように思えるが、河合氏が「私たちは基礎をしっかりと固め原点に回帰する必要がある」としているように、高品質なクルマを高効率で製造するための前向きな取り組みのようだ。
By Jonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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