熊本市動物愛護センター:犬の殺処分ゼロ達成 14年度

毎日新聞 2015年04月04日 18時34分

熊本市動物愛護センターに保護されている犬たち
熊本市動物愛護センターに保護されている犬たち

 熊本市動物愛護センターは2014年度、初めて犬の殺処分ゼロを達成した。02年に全国に先駆けて「犬猫の殺処分ゼロ」を目標に掲げ、安易な飼育放棄を防ぐための飼い主への説得や、保護した犬猫の譲渡などに力を入れてきた。猫の殺処分は14匹で目標達成には至らなかったが、センターは「いずれは収容施設が必要とされなくなることを目指したい」と話している。

 センターによると、02年から高齢や病気などを理由に引き取りを希望する飼い主への説得を強化したり、保護した犬猫の情報を市ホームページに掲載するなどして返還や譲渡を進めてきた。新たな飼い主には事前に講習会を開いて最後まで責任を持って飼育するよう指導もしている。

 これらの取り組みにより、センターが飼い主から引き取った犬は01年度の303頭から14年度は5頭に激減。飼い主への返還は01年度の64頭から14年度は213頭に増えた。殺処分は01年度の567頭から14年度はついにゼロとなった。感染症の発生がなかったことも要因とみられる。

 一方、猫の殺処分が14年度14頭となったのは、犬に比べ交通事故に遭うリスクが高く、安楽死させるほかないケースがあることなどが要因と考えられる。そのため、センターは野良猫を増やさないよう不妊去勢手術の徹底や放し飼いをしないことなどを訴えている。

 センターの村上睦子所長は「殺処分ゼロは人と動物との共生社会の実現へ向けた通過点。今後も動物愛護のため活動を続けたい」と話した。【志村一也】

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