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<パレスチナ>国際刑事裁判所に加盟 イスラエル追及へ

毎日新聞 4月1日(水)20時56分配信

 【エルサレム大治朋子】パレスチナ自治政府は1日、国際刑事裁判所(ICC)に加盟した。パレスチナは、イスラエルが占領地・ヨルダン川西岸などで進めるユダヤ人入植(住宅)地の建設やパレスチナ自治区ガザ地区での昨年夏の戦闘を「戦争犯罪」として追及する方針。国際的な批判が高まる入植地問題などが初めて国際刑事法廷で裁かれる可能性があるが、イスラエルの反発は必至で、中東和平交渉の再開はさらに困難になりそうだ。

 ICCのあるオランダ・ハーグで開かれた式典には、自治政府のマルキ外相らが出席した。ICCは個人が犯した大量虐殺や戦争犯罪などを審理・処罰する国際機関。

 パレスチナは昨年末、ICCへの加盟手続きを始めた。同年6月以降に起きた「犯罪」についてICCの管轄権を受諾することも表明。これを受けてICCは予備的捜査の開始を決定した。犯罪の疑いがあれば裁判所の許可を得て本格捜査を開始する。パレスチナが直接提訴することも可能になるが、自治政府は具体的な方針は明らかにしていない。

 イスラエルは米国同様、ICCに加盟していないため捜査には困難が伴う。また、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの昨年夏の戦闘では、ハマスが多数のロケット弾をイスラエル側に着弾させており、イスラエルは最新技術を使ったデジタルデータなどを証拠に、ハマスの「無差別攻撃」を戦争犯罪として反論する可能性がある。

最終更新:4月1日(水)21時9分

毎日新聞