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「反セクハラ」で長期拘留=社会運動のうねり警戒―女性活動家釈放要求強まる―中国

時事通信 4月4日(土)15時48分配信

 【北京時事】中国の北京、広州(広東省)、杭州(浙江省)で3月6〜7日、バス・地下鉄など公共交通機関での痴漢などセクハラ行為を防止する活動を展開しようとした女性活動家5人が一斉に拘束され、「騒動挑発」容疑で刑事拘留処分になって間もなく1カ月が経過する。内外の反発が高まる中、女性活動家を支援する人権派弁護士は「共産党・政府は社会運動のうねりが広がることを警戒している」と解説した。
 今年は1995年に北京で開かれた「世界女性会議」(北京会議)から20周年の節目。当局は4月中旬までに、5人を正式逮捕するかどうか決定する方針だが、逮捕されれば、女性の地位向上を目指した北京会議の精神に反するとして国際社会の中国政府への批判がさらに強まるのは必至だ。
 5人は李※(※=女ヘンに亭)※さん、王曼さんら。5人は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、セクハラ防止のスローガンを掲げようと計画したが、相次ぎ各地の派出所に連行された。多くの家族は公安当局から刑事拘留通知を受け取っていないなど「法的手続きを踏んでいない」(担当弁護士)との批判も強まっている。
 女性活動家はこれまで、女性トイレが男性に比べて少ないことなどを問題視し、「公共空間の男女平等」を訴えてきた。深刻な社会問題となっている痴漢やセクハラの防止にも取り組んできた。
 欧米政府当局者や国際人権団体は女性活動家の早期釈放を求め、3月末までに1100人分を超える署名が北京市公安局や政府系女性団体・中華全国婦女連合会に送られた。これに対して中国政府は「どの国家の誰であろうが、中国に釈放を要求する権利はない」(外務省報道官)と突っぱねた。 

最終更新:4月4日(土)16時2分

時事通信