北京=林望
2015年4月4日21時21分
中国北京市中心部の繁華街、王府井で4日、黒竜江省から来たタクシー運転手約30人が次々と農薬とみられる薬品を飲んで倒れ、病院に運び込まれる騒ぎがあった。死者はなく、待遇の改善などを訴える狙いだったとみられる。
北京市公安局によると、4日午前11時ごろ、王府井の商業ビル前で約30人の男女が農薬とみられる薬品を飲んで次々と倒れた。駆けつけた警察や救急車が病院に搬送し、全員、命に別条はないという。いずれも黒竜江省綏芬河市の個人タクシー業者で、車両のレンタル料など待遇を巡る不満を訴えようとしたという。
中国は4日から先祖の墓参りをする清明節の3連休が始まった。多くの観光客でにぎわう中、現場周辺は一時立ち入りが規制された。近くで玩具の実演販売をしていた20代男性は「ビルの前でたむろしていた人たちが次々と倒れ、ツンとする農薬のにおいが漂ってきた。30代から40代が中心で、何かを訴えたりする姿は見なかった」と話す。
中国では昨年から、タクシー運転手が運営会社の待遇や政府の政策に反発し、ストライキを起こす動きが各地で広がっている。(北京=林望)
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