コウモリの世界の図解

ナンパしたフランス人と同棲する高卒ニートの整理と極論

日本の暮らしでいちばん困ること。  ~フランス人と同棲前6~

我が家の話を漫画で描いてもらいました、第七弾!
(ちなみに、いま描いてもらっている話は2011年11月頃のこと)

今回は、前回からの続きの話です。
→前回:日本人はマスクしすぎ! ~フランス人と同棲前5~ - コウモリの世界の図解

前回、日本ではマスクする人が多いことに驚いた彼女。
しかし、その1週間後には…。


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ひとの習慣は変わる、考えや感覚も変わる。

マリーヌにとって、日本に来て初めての冬。
最初は日本でのマスク着用者が多いことに驚いていた彼女ですが、その一週間後にはマスクを愛用するようになっていたのです!

「マスクしてる人が多すぎて変だって言ってたのにね(笑)」
マスクしない派の僕は、ちょっとだけ裏切られたような気持ちになって言いましたが、彼女のこういう適応力の高さには、いつも感心してしまいます。

それに。
マスクは、彼女にとって少し面白い効果があったようです。

マスクの様々な効果

最初は風邪でマスクをしていたようですが、マスクをしていると周囲に「外人だ」とバレなかったのか、奇異の目で見られることが減ったようなのです。

伊達マスクをする人の多くが「周りに見られたくない・周りの目を気にしたくない」という気持ちであるのと同じように、彼女も、マスクの「ファッションや仮面としての用途」に気付いたようでした。

参考:私がマスクを着ける理由 - 斗比主閲子の姑日記

彼女はそれからというもの、マスクなしでは生活できないようになっていきました。

日本のアニメやマンガやゲームやJ-POPが好きで、日本文化の精神性に共感して日本に来た彼女。
フランスの学校で学んでいたとき、みんなが積極的に質問している中で彼女はなかなか自分から質問することができなかった、そういうシャイで奥手なところが日本の精神性に共鳴したんじゃないかなーと僕は思っていましたが、まさかマスクにもハマるとは。。。

日本での外国人

とはいえ。
彼女がマスクを手放せなくなるほど「日本では外国人が奇異の目で見られる機会が多い」ということ自体には、とても残念な気持ちになってしまいます。

「ねえ、気にしすぎじゃない? 日本で白人は少ないからつい見てしまう人がいるのかもしれないけど、それくらいは気にしないであげて」
そう言ってはみたのですが、それでも彼女は悲しそうに言うのでした。
「違うよ。。。指をさしてる人もいるし、「やばい、ガイジンがいる!」とヒソヒソ言ってる人もいる。こっちが日本語わからないと思って。でも、ぜんぶ聞こえてるし分かってるよ! 日本語を一生懸命に勉強したから!!! ときどきね、私は動物園に入れられてる気分になるよ(泣)」

たしかに、日本が誇る国際都市・東京でさえ、下図のように「外国生まれの人」が少ない状況です。

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外国生まれの人間が多いことが絶対的な善であるとは思いませんが*1、それでも、生まれてこのかた日本に暮らしている日本人の1人として、「日本は多様な人間の在り方を認める寛容な国であってほしい」とコウモリは思います。

そして実際に、同じように考えている日本人も多いと思うのです。

生まれたところや皮膚や目の色で
いったいこのぼくの何がわかると言うのだろう
―――THE BLUE HEARTS 「青空」

文化の相対性

背が低いからといって、頭が禿げているからといって、脚がないからといって、目が緑色だからといって。奇異の目で見ないでほしい。

多様なひとの多様な在り方に寛容であってほしい。

マスクしててもいいし、整形しててもいいし、他人の権利を害さない限りは好きにしていいに決まっている。とコウモリは思うのです。

どんな国のどんな文化にも幾らかの偏りがあって、差別や偏見がある。それは避けえないものだと思うのだけれど、自分が普段ふれているのとは違う文化を知ることで、自文化の偏りについて相対化する視線を少しは持つことができる。

そうするだけでも変わってくるものはあるんじゃないかなーと、僕は思っています。このブログが、そういうきっかけの1つになれれば良いのだけれど。

おもてなし

2015年の今、5年後に東京オリンピックを控えています。
そのときには、オリンピックを見るためにこの国に来た人たちが存分に楽しんでくれて、その後もリピーターとして「日本に来たい」と思ってくれるようになっていたいものですね。

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日本の「おもてなし」は世界で74位!? 日本人とフランス人の反応と議論 - コウモリの世界の図解

*1:彼女の生まれ故郷であるフランス自体が移民問題を大きな火種として抱えているし、ここには簡単に解決できないものが幾つもある