id:hinatakokageさんの以下の記事を読んだ。
これから始まる仕事人生に明るい展望を持つために、示唆に富んだ素晴らしい記事である。『目の前にいる同僚、上司などは皆、これから何十年と共に仕事をし、ともに食事をする仲間です。』等と書いてあって、古き良き、高度経済成長期のあの頃を思い出させてくれる。企業は永遠に存続し、自分の年収は定年を迎えるまで右肩上がりを続けていたあの頃。企業が、国が、みんなが輝いていたあの頃。
いや……でも待てよ。
輝いていたあの頃って、いつの話だ。
世界に類を見ない速度で少子高齢化が進む現代のニッポンで、そんな綺麗ごとだけを言っていて生き残っていけるのか。
そんな綺麗ごと"だけ"で、同期との競争を勝ち抜き、リストラを切り抜け、いつまでも会社のポストに居座った年長者を崖から突き落として幸せな人生を歩めるのか。
この春に企業という名の伏魔殿に入った社畜予備軍のみんなに必要なのは、そんな綺麗ごと"だけ"ではない。
必要なのは、もっとドロドロして生々しい知識だ。
この記事ではそんな綺麗ごと"だけ"ではない知識を授けたい。そして、id:hinatakokageさんへのアンサー記事を書き始めたはいいものの、そんな知識を9つも思いつかなかったので、7つにダウンサイズした旨については、前もって心よりお詫び申し上げます。
1.会社とは上司である
どんなに優良でホワイトな企業に就職しても、上司がクソであったならば、その会社はクソに等しい。会社人生において、上司というのはとてつもなく大きな存在なのである。
あなたは上司を(殆どのケースにおいて)選べない。配属が決まり、「今日からよろしく」と挨拶してきた人間と共に、社畜ライフを過ごさなければならない。
上司との巡り合いは運である。運悪くイケていない上司と出会ってしまった時は素直に諦めるか転職しよう。
2.会社には仕事をしていない人がいる
夕方の5時。あなたのパソコンに今日期限のタスクが書かれた付箋が神社のおみくじのごとく貼られていたとしても、向かえに座っている50歳の加齢臭のひどい同僚は妖怪ウォッチを口ずさみながら帰る支度を始めるだろう。
閑職なる言葉があるが、これはいかなる企業にも、いかなる組織にも、ひいてはいかなる生物の世界にも共通の事象である。働きもので有名な蟻達にさえ、働かずに仲間のすねをかじって生きている屑みたいな蟻がいるのだ。
でも、仕事をしていない人≠仕事ができない人とは限らないので注意しよう。人には歴史がある。能力があるけれど、色々な事情で閑職についた人もいる。そんな能力はあるけれど仕事をしていない人は、他の同僚が会社のルーチンワークに勤しむ横で、もの凄い勢いで不労所得を稼いでいる可能性もあるので油断は禁物だ。
3.課長はえらい
7割は課長にさえなれない。その課長になれなかった7割の人は"担当課長"や"課長代理"や"副部長"といったさして意味のないポストを経て、最後に"参事"の名誉を得たあと後、会社を去っていく。
課長はえらいし、部長もえらいし、役員はもっとえらい。でもそこにたどり着く道は茨の道だ。定例会議で生き馬の目を抜き、アフターファイブで抜いた馬の目を使った一発芸を披露できるくらいの素晴らしいコミュニケーションを持った兵(つわもの)だけが光り輝くポストを手に入れることができる。
4.年収の高さと能力は(そんなに)比例しない
年収とは、単純に言えば、企業が稼いだ金を従業員の頭数で割ったものである。能力がある人にもない人にも、会社が稼いだ金は分配される。パイが大きければ、年収は上がる。
さして能力がないにも関わらず、学歴が高かったばっかりに、まかり間違って優良企業に就職した妖怪ウォッチを口ずさんで5時に帰る担当次長の年収が1,200万円になってしまったとしても、決して神のいたずらでも、妖怪の仕業でもないのである。
5.ぱちんこ・パチスロを打つと他部署の知り合いが3割増える
モンストをやっててもいいし、ねこあつめをやっててもいいけど、とりあえずギャンブルにも手を染めておこう。 筆者は男なので、いまいち女の世界で必要な経験やスキルセットを知らないのだが、男といえば"酒・女遊び・ギャンブル"である。酒を飲めなくて、行きつけのキャバクラもなくて、趣味は貯金です、とか言っているぬる甘い草食系が出世なんてできるわけがない。
まずはP-WORLDで最寄りのホールの導入機種を調べて、選んだ機種の傾向と対策をネットで調べて、行って打って、次の日、廊下でばったりあった他部署の先輩と出玉話に花を咲かせよう。
6.タバコを吸うと他部署の知り合いが6割増える
健康はドブに捨てよう。タバコは社会人の武器だ。肺を汚して社会人は戦士になる。
自分の席に座ってPCを打っているだけで出世などできるわけがない。ライオンは草原に繰り出し、シマウマを仕留めなければならない。
企業の意思決定の8割はタバコ部屋で行われる。残りの2割は飲み屋かキャバクラで行われる。
タバコ部屋で2本・3本と重ねるたびに、他部署にいる優秀な同僚との友情は深まっていく。肺を汚して人脈という名の栄光を手に入れよう。
7.残業をして幸せになろう
最も大切な事は、残業代を稼いで幸せになる事。自分が稼いで幸せになれば、他の人の幸せなど正直どうでもいい。
あなたはマザーテレサではない。他の人の幸せなど、昨日食べた昼飯の献立くらいにどうでもいいことだ。
そして「自分が幸せになれば溢れた幸せは他の人へ流れていきます。」とリアルで言ってくる同僚がいたとしたら、あなたの会社はマルチ商法か新興宗教の毒牙にかかっている。
給料もろくに上がらない、将来が見えないこの社会で、賃上げもせず、利益準備金・任意積立金・繰越利益剰余金もとい内部留保をため込むにっくき企業を懲らしめるためには、残業をして残業代を請求することだ。
サービス残業だって? 大丈夫、サブロク協定と労働基準監督署があなたを守ってくれる。きっと、いや、たぶん。
幸せは金で買える。ファストファッションの服も、コンビニのポテトチップも、一泊二日の温泉旅行も金で買える。
だからもっと残業して、みんな、幸せになろうよ。