全然スッキリしませんよ!
「ちょっとおかしくないですか?」と言いたくなるようなスキャンダルが相次いで発覚しました。維新の党所属の上西小百合衆院議員と日本テレビ、上重聡アナウンサーをめぐる二つの疑惑です。2人ともそろって同じ日に釈明しましたが、はっきり言って全然スッキリしませんよ!
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問題である
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問題ではない
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関心がない
道を誤ってしまった2人
会見で、頭を下げる維新の党の上西小百合衆院議
員=3日夜、大阪市
まずは上西小百合議員。衆院本会議の予算採決を「病欠」し、知人男性と旅行に出掛けていたとされる疑惑について、本人がようやく釈明会見しました。
「旅行ではなく仕事です」。完全に開き直ってしまった上西議員ですが、テレビで散々報じられた数々の矛盾については苦しい言い訳ばかり。会見の様子を動画で見ていましたが、目立つのはフォロー役に徹した橋下徹大阪市長ばかりで、本人がとても反省しているようには見えなかったのは筆者だけでしょうか。
そして、もう一人は日本テレビの上重聡アナウンサー。高校時代、あの甲子園の怪物、松坂大輔(現・ソフトバンク)と投げ合ったPL学園のエースとして、マウンドで汗をぬぐった姿は今も鮮明に覚えています。私事で恐縮ですが、当時は取材記者の一人としてあの激闘を観戦していただけに、カネにまつわる疑惑の目が彼に向けられてしまったことは大変残念でなりません。(iRONNA編集長 白岩賢太)
「通常はあり得ん」3連発
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「無理をした」議員と「無理をさせた」国民の悲劇
「どう釈明したとしても苦しい言い訳になる」。衆院本会議を欠席した上西小百合衆院議員をめぐる数々の疑惑。「資質なき議員」が存在することが悲劇を招くと、元衆院議員の井戸まさえは指摘する。
上西議員“旅行疑惑”を完全否定
3月に国会を病欠した直後に旅行に出たとの指摘を受けている維新の党の上西小百合衆院議員(比例近畿)は3日夜、大阪市内で記者会見し、3月15日に京都府宮津市に公務で訪れたことを認めた上で「旅行に出かけた事実は決してない」と述べた。
また本会議を欠席した13日の前夜に自民党の赤枝恒雄衆院議員と都内で会合に出席したことを認めた。居酒屋に入ったという上西氏は「薬のせいか少し体調が落ち着いたので、行かせていただいた。飲酒はしていない」と釈明した。両氏はその後、別の店に移動。2軒目について上西氏は「赤枝氏のなじみの店でショーをしているところ」と説明した。
上西氏は維新政治塾を経て、平成24年の衆院選で大阪7区(吹田市・摂津市)から出馬。選挙区では敗れたものの比例復活し、初当選を果たした。26年の衆院選でも比例復活した。
■上西議員記者会見詳報(産経WEST、2015.04.03)
■記者に巻き舌で「オrラァ!」とすごむ 維新議員秘書が話題「まるで...」(J-CASTニュース、2015.04.02)
あまりにも…な金額
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上重アナに悪気があるようには見えない
日本テレビの「朝の顔」となった上重聡アナウンサーに発覚した栄転早々のスキャンダル。取材依頼が殺到したという長谷川豊がアナウンサーやタレントの世界の慣例を踏まえても明確に金銭授受があり、金額が高すぎると指摘する。
無利子で受けた巨額融資
ABCマートは同番組のスポンサーでもある。同局社員就業規則では自家用車での通勤を禁止しており、“スッキリしない”コンプライアンス(法令順守)違反を指摘された。三木氏とは「プライベートな交友関係」と説明した上で「個人的なご厚意の申し出に甘えた」と無利息融資などの事実は認め、「疑念をいだかれる結果を招いたことは、私の不徳の致すところ」と謝罪した。一方で、「会社や仕事について特別な便宜を図っていただいたことは一切ありません」と、業務に絡む便宜供与は否定した。同局総合広報部は、「業務上で生じた金銭のやりとりではない」として今後調査は行わず、“おとがめ無し”となる見通しだ。(産経ニュース 2015.4.3)
いい加減にしてほしい
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上西小百合議員の旅行疑惑は論点をよく整理する必要がある
上西小百合衆院議員が体調不良を理由に衆院本会議を欠席した直後に男性と旅行したとされるスキャンダル。経済コラムニストの小笠原誠治氏はこの問題を考えるにあたり、まず論点を整理すべきだと指摘する。
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記者へのお礼に果物贈る議員秘書 「腐るから」と返品回避する
大手新聞やテレビ局の政治記者に対して、官邸や自民党は接待攻勢を繰り返している。それに記者サイドも易々と乗り、政治スキャンダルなどが報じられにくい癒着構造が生じている。
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鳩山氏、菅氏、中川氏…政治家の自覚はないのか
クリミア訪問をロシアに利用された鳩山元首相に原子力協定の国会承認で賛成した民主党に居座る菅元首相。さらには大臣辞任の夜に路上キスを撮られた中川郁子農水政務官。こんな政治家たちが「選良」とは―深谷隆司が嘆く。
全然スッキリしてませんよ
=3日午後9時38分、大阪市中央区(寺口純平撮影)
もちろん高校卒業後、彼がプロ入りして活躍し、億単位の年俸をもらうような一流選手になっていたのなら話は別ですが、テレビの世界とはいえ、筆者と同じ一介のサラリーマンにすぎないのです。
しかも、報道人でもあります。「利益供与」にまつわる事件や、「政治とカネ」をめぐるニュースとか、アナウンサーとして伝えた経験もあるでしょう。今回の疑惑について、自身がMCを担当する情報番組でさっそく謝罪していましたが、お茶の間の人たちの疑念がこれで晴れたとはとても言い切れないのは、本人が一番分かっているのではないでしょうか。
アナウンサーの「清廉性」とか小難しい話はさておき、彼はそういう社会通念とは無縁の、単なる「野球バカ」にすぎなかったんだと思います。恐らくは人生の大半を野球に費やし、アナウンサーの世界に入ってからも、野球バカのノリでやっていたら、いつの間にか人気になり、周りからもてはやされているうちに自分の感覚が世間の常識から逸脱していたことに気が付かなかったのかもしれません。
いずれにせよ、今回の二つのスキャンダルに共通するのは、2人とも自分の立場を「勘違い」していたことではないでしょうか。もっと言えば、自分が進むべき道を誤ったとしか思えないのです。上西議員にしろ、上重アナにしろ、それぞれの肩書が別物であったなら、これほどの騒ぎにはならなかったはずです。上西議員は言うまでもなく、上重アナにしても、「公共性」という自らの役割を忘れた結果がもたらしたスキャンダルと言わざるを得ません。
しがないサラリーマンの筆者にしてみれば、2人の境遇は羨ましい限りですが、社会的イメージを人一倍気にする2人にとって大きな痛手になったことは間違いありません。それでもまだ多くの人が納得していないのではないでしょうか。少なくとも筆者個人は全然スッキリしてませんよ。(iRONNA編集長 白岩賢太)
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