米FRBは利上げ時期先送りか-雇用者数の伸び大幅減速で
2015/04/04 09:52 JST
(ブルームバーグ):3月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが大幅に減速したことから、利上げの適正な時期を検討している米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は決定を先送りするかもしれない。
3月の雇用者数は12万6000人増加にとどまり、その伸びは2013年12月以来で最も少なかった。1、2月の雇用者数も合計で6万9000人下方修正され、これも市場で失望された。
TDセキュリティーズのストラテジスト、ミラン・マルレイン氏(ニューヨーク在勤)は同統計発表後のリポートで、「この1つの統計でFRBが今年の政策引き締めの経路を変更することは必ずしもないだろう」と指摘。同時に、「同統計で年央の利上げへの支持が弱まろう」と述べた。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では雇用統計後に、6月の利上げの確率が11%に低下したことが示された。2日時点の確率は18%だった。ニューヨーク時間午後0時15分(日本時間4日午前1時15分)現在、9月の利上げの可能性も39%から35%に低下している。
ユーロドル先物オプションではトレーダーが今年の米利上げの確率を47%、2016年3月までの利上げの確率も55%と予想していることが示された。
ファクト&オピニオン・エコノミクスのロバート・ブルスカ社長は「米経済がこうした弱さの中で、FRBが利上げについて話すことができることさえ理解できない」と述べた。
リッチモンド連銀のラッカー総裁は3日発表の雇用統計で、金融政策に関する見解は変わらないと述べた。ブルームバーグに声明を送付した。同総裁は今週、「6月会合で利上げを決定する根拠は引き続き強いだろう」と発言していた。
同総裁は「3月の雇用統計は若干期待外れだが、力強い統計がかなり長期にわたって続いていた」と指摘。「きょうの統計はそれ自体、私の経済見通しや政策分析を大幅に変えるものではない」と述べた。
原題:Fed Has One More Reason to Delay Rate Rise as Hiring Slumps (1)(抜粋)
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更新日時: 2015/04/04 09:52 JST