森羅万象の構成について 2


明主様御講義 「森羅万象の構成」 (昭和14年御執筆)

「およそ、天地一切有りとあらゆる物の原素としては、大別して、私は三つに別けます。

その三つは何かというと、火と水と土であります。

いかなる物といえども、火と水と土に関りのないものは決して在るはずがない。

否、火と水土それ自体がこの宇宙であり、万物の実体であるのであります。

そうして、火水土そのものの中心即ち根源は何であるか、申す迄もなく、火は太陽であり、水は月球であり、土は地球であります。

そうして、この火水土を経(たて)と緯(よこ)とからみますと、経は日月地・・・即ち太陽が一番上で、中間に月球があり、一番下に地球があります。

これは日蝕の時に天を仰げばそういうようになっています。太陽面を中間の月球が隠す・・・という現象がよく証明しております。


次に、緯はどうであるかというと、これは経のように段階的ではなく、全体的密合であって、火と水と物質それ自体が一つの存在になっているのであります。

例えていえば、この空間そのものは、火と水の調和であります。

即ち、火の熱と水の霊と密合調和して、生物の存在生活し得らるるように出来ているのであります。

もし、火ばかりであればそれは一瞬にして爆発し、否爆発も起らないで、無の世界になってしまうのであり、

水そのものばかりとすれば、氷結の塊が存在し、それ以外は「無の世界」になるのであります。

この理をもっと解り易くいえば、火の燃ゆるという事は水気があるからで、

水気が無ければ、火は燃えず、ちょうど真空の中で火を燃そうとするがごときものであります。

又、水の流れ、雲の動き、水蒸気等の動的現象は火の熱に因(よ)るので、火気が無ければ氷結の塊となるだけであります。」 (「医学試稿 第一篇」より)




明主様御講義 「三原素」 (昭和14年御執筆)

「前項に述べたごとく、吾々の住むこの地球上のあらゆる生成化育の本源が、火水土の密合調和であるとすれば、

それらの作用が万物に対し、どういう風になるかという事を説明してみましょう。

現代人は、科学の進歩によって大抵のものは一応解決されたように思っている。

しかし、それは大いなる謬(あやま)りと自惚(うぬぼれ)であって、未だ未だほんの一部だけの解明に過ぎないのではないかと思うのであります。

今私がいわんとする原理は、今日迄の科学も哲学も全然夢想だもしなかった事によってみても、諸君はうなずかるるであろうと思います。

現代科学においては、この地上には、空気と物質との二つの原素より判っておらない。

勿論、近代科学の誇りとする電波も、空気に含まれてる一の原素としているのであります。

しかるに私は、この二原素の外に、今一つの原素がある事を発見したのであります。

それは何であるかというと、強いて名を付ければ、空気に対して霊気とでもいうべく、

故に、この霊気の名を以て説明してゆこうと思うのであります。


しからば霊気とは何ぞや、これを別の言葉でいえば、火気又は火素であります。

元来空気なる物は水素が主であるに対して、霊気は火素が主であります。

今日迄水素なる言葉はあったが、火素なる言葉は無かったのは不思議であります。

しかしながら何故火素なる言葉、否、火素が発見され得なかったかという事は、空気は物質化する事が出来、機械によって測定し得られたのであるが、

それと反対に霊気の方は物質化したり、機械によって測定する事は不可能であったからであります。

しかしいずれは、停止する事を知らない科学の進歩は、霊気の存在を識る方法が発見さるるという事は、疑う余地は無いのであります。」 (「医学試稿 第一篇」より)




明主様御講義 「霊と体」 (昭和14年御執筆)

「前述のごとく、物質及び空気は、いずれもその存在を捕捉し、確認せらるるのであるから、

空気といえども物質として扱わるべきものであるから、無と同様の存在である。

霊気と対照してみる時、一の霊と二の体と区別してみると、霊と体とになるのである。

しかるに、この無と想える霊、即ち、霊素なるものが物質を自由自在に左右するのみならず、

万物を生成化育し、生物の死生も自由にし、人の運命も国家の興亡も社会の変転も、世界の争乱もそのことごとくの根源が、

これによるという事を識る時、実に驚歎(きょうたん)の外はないのである。

故に人は、霊の存在及び霊界の実体を知識する事によって、人生観は一変して真の幸福の第一歩を踏み出す事になるという事も過言ではないのである。

何となれば、人生の幸福の最大条件たる健康の真諦を、根本的に把握し得られるからである。」 (「医学試稿 第一篇」より)




明主様御講義 「日本式医術」 (昭和11年7月)

「本療法は「指圧療法」という事になっていますが、別な言葉でいえば「霊医術」又は「日本式治療法」又は「浄血療法」とも言えるのであります。

なぜそういう医術が生れたか・・・という事からお話致します。

その前まず、今日の重なる医術療法を一瞥(べつ)してみましょう。

医術としては、今日まで世に行われたところのものは、漢方医学が最初で、次に「西洋医学」が渡来し、現在に到ったのは、何人も知るところであります。

そもそも、森羅万象一切のものは「日月地」が根本であって、即ち「火水土」の性能をうけており、一物たりともこれに外れているものはないのであります。

従って、医術といえども、この三つの系体がチャンと当嵌(はま)っているのであります。

これを記してみますと・・・

 漢 方  土の医術
 西 洋  月の医術
 日 本  日の医術

こういう理であります。

しかるに、本療法は、右の三項目中「日本医術」即ち「日の医術」に相応するのであります。

それで、今日までは「月」と「土」の二つの医術のみでありましたが、いよいよ「日」の医術が創始される時となったのであります。


漢医方は・・・

「土の医術」で、「胃を基本」としますから、「土から生れた・・・草根木皮」を薬とし、「食養生」との二つで治そうとするのであります。

即ち「土」は「物質の生産者」であり、「胃」は「物質専門の機関」で、実によく、相応しているのであります。


西洋医学は・・・
「月の医術」で、即ち「夜」に相応し、「肺を基本」にしたものでありますから、「肺疾患」に、最も、関心をもっており、それが為に「空気」に重点を置いている事は、御承知の通りであります。


そこで、今度生れる・・・

日本医術・・・即ち本療法は・・・

「日の医術」で「昼」に相応し、今までの医術で閑却され勝ちであった心臓を基本として成った医術で、「霊気」を主としたものであります。

この事を先生は「内臓の三位一体」と申されております。

分界的にいうと、左の様になります。

 胃 土 現実界
 肺 月 空気界   三界
 心 日 精霊界

仏説にある三界とはこの事を指したのであります。


又 本質的にいえば、左のごとくであります。

 胃  物質である  現象は土の性
 肺  水精である  空気は冷の性
 心  火精である  精霊は熱の性

「日 月 土」を、人間の精神的性能に当はめてみれば、一番よく解るのであります。

それは太陽が一番上になり、その次が月であります。

ちょうど「経の三段」になっているのであります。

それですから、どうしても、「月の西洋」「土の漢方」の医術の上に「日の医術」が加わらなければならない道理であります。

これによって初めて「完全な医術が出来て病無き世界が実現される」と思うのであります。


次に、今一層徹底してみますと

 鈍重   土
 理智   月
 情熱   日

となるのであります。

土の医術(漢方)は・・・独善的で、経験を主とし、余り研究や理論に重きを置かず、もっぱら伝法固守であります。

月の医術(西洋)は・・・理性本位で、学理が基調となって、科学的研究は、非常に発達しているが、実際的方面は第二義的であります。

日の医術(日本)は・・・心精的で、精神力を主とし、根源抜除的で、飽くまで霊的であります。

空気の構成は、酸素、水素、窒素となっておりますが、実は「水素」が主体であります。

土 物 窒素
月 気 水素      この三位一体が「三素」即ち、酸素であります。
日 霊 火素(酸素)

そうして特に、日は「三素活動の主体」であって「三位一体」のその「一体」・・・であります。

しかしながら、今日までは、大体「土」「水」・・・この二素が判っていたばかりで火素即ち霊素は判っていなかったのであります。


右の事を、別の方面である・・・歴史的に思索してみますと・・・

今日まで、日本が世界から認められていなかった。

「日の本」が隠れておった・・・のと同じ理であります。

今や日本文化が独特の内容と形態をもって世界の表面に出ようとしている。

事実それはその時がいよいよ来たのであります。

そうして、それが日に月に濃厚の度を増してゆく。

勿論それは、あらゆる種類に渉ってでありますから、医術といえども、日本的な素晴しいものが生れなければならないと思います。

そうして、それは根本として、「精神が主で、物質が従であるところの、霊医術否、両々合致したる理想的治病法」でなくてはならないと思うのであります。

世に「神仏の力」というものが実在するとすれば調和力(平均のとれた力)で、

森羅万象が、一厘の毫差なく運行し、万物の生成化育が、順調に進展する・・・というような力のそれでありましょう。

しかるに、未だ人類社会は、諸々に調和を欠いている。

世が乱れ、病者が充満するというのは、それを如実に物語っている・・・と思うのであります。

そして乱れの末は破壊となり、病気が進めば不幸を招来するのであります。

どうしてもその根元に「調和力即ち和のカ」が足らないからだと思います。

そうして世界中、日本位調和力を保有している国は無いので、

それは東西のあらゆる文化を吸収して、そこに何ら不消化的錯誤のないにみて明かであります。


土 黒色人
月 白色人
日 黄色人

であります。

しかし・・・日の人種の中にも「黄金色、青金色、黄色」と・・・「上」「中」「下」がありまして、黄金色が日本人で、次で、朝鮮人、中国人という順序であります。


階級的に之をみますと・・・

黒色人 下
白色人 中
黄色人 上

であります。


鉱物的にみますと・・・

太陽  日  金色
太陰  月  銀色
大地  土

であります。


そこで「日、月、地」は、どうして「上、中、下」であるかという事の説明は、何より「日蝕の現象」を・・・

この様に「緯の三段」になって、これが密着不離の関係であるんであります。

ツマリ「経緯の三段」・・・六合(りくごう)が実体であって、哲学的にいえば六次元であります。



ここに、人間の肉体があるとすると・・・

骨、筋、肉、皮等の物質体は・・・「現象界」に呼吸し

それと同一の形態である・・・水素質のエーテル体が、「空気界」に呼吸し、

又、それと同じ精霊体が、・・・「精霊界」に呼吸しているのであります。


故に、右の理によって「病気の根本」はその精霊体にあるのであるから、「精霊体そのものの病」を治さなければ、肉体の病気は絶対に治らないのであります。

しかるに、今日までの精霊界は「月素」が多分で「日の霊気」即ち「火素」が欠之していた。

言葉を換えれば、光と熱が少く、夜に相応していた。

それが為に「病気の発生」が多かったのであります。

何となれば、その病気発生の根源は有形無形の罪穢の堆積・・・であるからであります。

そうして、その罪穢とは、人間が悪に染まるからで、それが一種の曇となって、人間の精霊体に積るのであります。

そうして、夜の暗さは、どうしても、悪の発生に、都合がよいのは、申すまでもありません。

しかるに、この病気の本源である、曇、それを人体の自然浄化作用、払拭しようとする、その苦痛が病気であり、

その曇が多量過ぎて、肉体が浄化作用に堪えられぬ場合、もしくは、誤れる治療によって浄化作用が遅延しその為の衰弱の結果が、死を免れない事になるのであります。

人間の精霊は精霊界に属しているのは前述の通りでありますが、精霊の中心に心があり、心の中心に魂があるのであり、

ほとんどこれは、求心的に三段になっているのであります。

従って、その中心に位する魂は健康に重大な関係があるのであります。

しかしながら、人間は肉体をもっている以上霊気ばかりという訳にもゆかないので、

火の霊と水の霊と物質との・・・三位一体が完全に調和活動して、真の健康と長寿を得らるゝのであります。」 (「岡田先生療病術講義録 上巻 1」より)