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2015-04-04

「図書館に『この本は入れるな』と外部チェックがあった」…「船橋大焚書」判決から10年、過去の資料にすごいこと書いてある。

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【記録する者たち】

ことしは、戦後図書館史において極めて重要な”負の金字塔”ともいうべき『船橋焚書事件の差し戻し判決が下りてから10周年でした。来年は、事件発生から15周年と、最高裁での判決確定(被告の上告棄却)から10周年を迎える。


ウィキペディアの「船橋市西図書館蔵書破棄事件」

船橋市西図書館蔵書破棄事件(ふなばししにしとしょかんぞうしょはきじけん、2001年8月10日 - 8月26日)は、船橋市西図書館司書が、西部邁新しい歴史教科書をつくる会会員らの著書計107冊[1][2]を、自らの政治思想に基づき、廃棄基準に該当しないにもかかわらず除籍・廃棄した事件[2]。


この事件は翌2002年4月12日付けの産経新聞1面にて報道された。船橋市教育委員会調査に動き、5月に関係者の処分が行われた(略)・・・…7人は、表現の自由を侵害されたとして提訴。1審の東京地裁と2審の東京高裁は、廃棄の違法性認定したものの、蔵書の管理は市の自由裁量とし、著者の権利を侵害したとは言えないとして、請求をすべて棄却した。

2005年7月14日最高裁は廃棄は著者の人格利益を侵害する違法行為認定、2審判決を破棄し審理を同高裁に差し戻した。差戻し控訴審判決(同年11月24日)は、「廃棄されたのと同じ本が再び図書館に備えられている」などとして、賠償金は計2万4000円、一人あたり3000円とした。その後、2006年4月7日 最高裁は上告を棄却。(略)

現代焚書」として、また公立図書館に対する著者の権利が争われ、表現の自由利用者知る権利とも関連するケースである。

枝葉のエピソードとして

船橋市図書館は、廃棄を行った司書が書いた童話絵本『ぬい針だんなとまち針おくさん』を35冊も購入し所蔵していた。これはベストセラーである『世界の中心で愛を叫ぶ』(23冊)や『負け犬の遠吠え』(16冊)よりも多かった[5]。さらに同司書翻訳した『メリーゴーランドがやってきた』は32冊も所蔵されていた。

という、ちょっと苦笑する逸話もある。



日本図書館協会によると

https://www.jla.or.jp/portals/0/html/jiyu/funabashi02.html

図書館自由委員会裁判記録を閲覧調査して常務理事会に報告し、裁判で廃棄を実行したとされた職員A氏は日図協の会員であり、日図協として説明・釈明の機会を設けるよう意見を述べた。第92回全国図書館大会第7分科会図書館自由」(2006年10月27日)でこのことを報告した。

11月2日、A氏から日図協を退会する旨の連絡が日図協事務局に届いた。

常務理事会はA氏の退会届けの受理を保留し、12月12日、A氏に次の趣旨の文書を送り、説明と誠意ある対応を求めた。

(略)

A氏は日図協の長期にわたる会員でありながら、総会決議文書「図書館の自由に関する宣言」と同「図書館員倫理綱領」に反し、裁判所が違法と認定するまでに甚だしく逸脱した行為を犯した。日本図書館協会社会的評価と信頼を低下させたものと言わざるを得ない。

という話もあったようだ。


さて、【記録する者たち】について普段から敬意を払い、そのもろもろに注意を払ってきた当方にとっては、この事件は極めて思い出深い。

時々起きる事件だが、警察官市民から寄せられる心配や、住所や家族構成、家庭事情を知り得る立場職務質問が出来る立場を利用して性犯罪経済犯罪を行うことがあり、それはいつも社会に衝撃をもたらす。

図書館員が、「焚書」を行ったこの事件も、それに似た構造があり、専門誌などでは特集が組まれました。

今回、不法行為認定した差し戻し判決から10周年ということでそれをいろいろ読んでいたのですが…雑誌ず・ぼん」のこれが猛烈に面白かった。

図書館にとっての問題は何だったのか https://www.pot.co.jp/img/zu_bon/zu_11/zu11_090-127.pdf

Pdfであることでいささか読みづらいのが残念だが…

とにかく、いろいろぶっちゃけ座談会であった。ぜひとも一読あられたい。

だが、びっくりするような一節があった!!

「それで解放同盟図書館に対して、この本は入れるなとかいう 要するにチェックした時期があった」

うそおおおおおおっ!!!


もうすこし、周辺部を詳しく抜き出してみよう。

東條●特に共産党系は七○年代から八○年代にかけて解放同盟の糾弾もあったりして、いじめられてる。いじめられるというか......。

 

沢辺●ターゲットにされている。

 

東條●そうそう。それで解放同盟図書館に対して、この本は入れるなとかいう要するにチェックした時期があった。または図書館が過剰反応したとか。それに対して共産党系は絶対そうじゃないんだよというふうにキャンペーンをはっているわけよ。創価学会もそうですよね。

 

沢辺●藤原弘達の『創価学会を斬る』 (日新報道、一九六九年)への創価学会の「焚書」的なキャンペーンにも、力を入れて反撃してたはずだよね。

 

東條●以前はそういうことがありました。今はありませんが。(後略)

めちゃくちゃ重要な証言だが、なぜか雑誌ではさらっと流されてた!!

とにかく、ある時期はこうだったらしい。往時茫々、夢また夢…ってそれ夢どころじゃないよ!!



最近、佐々淳行が中央から飛ばされて、三重県の県警本部長になった時の思い出を描いた「菊の御紋章と火炎ビン」

を読んだばかりだったので、ちょっと印象付けられた。

今後紹介しようと思っているこの佐々本から、ちょっと予告編的に…

「配下の暴力団員?どういう意味?」

「この部解(※部落解放同盟)の伊勢支部長暴力団の組長なんです」

「いま、本庁刑事局の暴対対策強化月間だろ?丁度いい”指導するよう支持する”んでなくて、逮捕状請求して逮捕しろよ。任意ではしゃべらんでょう?身柄とって強制でやらないと…」

渡辺刑事部長は、口をパックリ開けてうめいた。

本部長さん、ああた、東下りだからわかっておられんのと違いますか?部解の支部長逮捕したりしたら明日から…(後略)」

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