みなし仮設:東電に家賃未請求…自主避難分に難色

毎日新聞 2015年04月04日 07時30分(最終更新 04月04日 09時48分)

みなし仮設住宅の家賃負担の流れ
みなし仮設住宅の家賃負担の流れ

 内閣府の担当者は取材に「東電が支払おうとしないものは請求できない」と話し、自主避難者分を請求から外す可能性も示唆した。

 内閣府の姿勢について、原発避難の賠償に詳しい除本理史(よけもとまさふみ)・大阪市立大教授(環境政策論)は「自主避難者分の負担を国などが請求しないのは、事故の被害者として認めたくない姿勢に他ならない。事故の責任を明確にする作業を避ける国と東電の無責任ぶりがよく表れている」と話している。【日野行介、町田徳丈】

 ◇自主避難者への損害賠償◇

 原子力損害賠償紛争審査会は中間指針第1次追補(2011年12月)で国の避難指示区域外にある福島市や郡山市、いわき市など対象23市町村からの自主避難者と自宅滞在者に一律8万円(18歳以下と妊婦は40万円、実際に避難した場合は20万円上乗せ)の定額賠償を示した。さらに中間指針第2次追補(12年3月)に基づき、東電は12年12月に1人4万円、子供と妊婦は12万円を追加賠償すると発表。一方で指針は「個々の事案ごとに判断すべきもの」とし、国の原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続き(原発ADR)では基準を上回る賠償を認めるのが一般的だ。

最新写真特集