つんく♂さん:「声を捨てて生きる道を」声帯摘出告白

毎日新聞 2015年04月04日 12時39分(最終更新 04月04日 14時28分)

近畿大の入学式を演出、声帯を摘出したことを公表し、ギターで校歌を伴奏するつんく♂さん=東大阪市で2015年4月4日午前11時32分、三村政司撮影
近畿大の入学式を演出、声帯を摘出したことを公表し、ギターで校歌を伴奏するつんく♂さん=東大阪市で2015年4月4日午前11時32分、三村政司撮影

 ◇近畿大入学式 2基のモニターで字幕を流す

 つんく♂さん(46)は4日、母校の近畿大の入学式に出席し、声帯を摘出したことを明らかにした。昨年10月に喉頭がんの手術を受けたことを公表していた。

 つんく♂さんの出席は新入生には伝えられておらず、式の最後に司会者に紹介されて登壇。ステージ脇に並べられた2基のモニターで、「なぜ祝辞を読み上げられないか。声帯を摘出したからです」と字幕を流して告白。「私も声を失って歩き始めたばかりの1回生です。皆さんに負けないように新しい人生を進んでいきます」とメッセージを送った。

 約6分間、字幕が流れる間、会場は水を打ったように静まりかえり、直後に大きな拍手がわき起こった。新入生たちはつんく♂さんのギターの伴奏で校歌を合唱した。【五十嵐和大】

 ◇つんく♂さんのメッセージの要旨

 なぜ、今、私は声にして祝辞を読み上げることができないのか…。それは、私が声帯を摘出したからです。去年から喉の治療をしてきていましたが、結果的にがんが治りきらず、摘出するより他ならなかったから、一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました。また振り出しです。

 私も声を失って歩き始めたばかりの1回生。皆さんと一緒です。こんな私だから出来る事。こんな私にしか出来ない事。そんなことをこれから考えながら生きていこうと思います。

 皆さんもあなただから出来る事。あなたにしか出来ない事。それを追求すれば、学歴でもない、成績でもない、あなたの代わりでは無理なんだ、という人生が待っていると思います。

 仲間や友人をたくさん作り、世界に目をむけた人生を歩んでください。私も皆さんに負けないように、新しい人生を進んでいきます!

近畿大の入学式を演出し、自らギターで校歌も演奏するつんく♂さん(中央)=東大阪市で2015年4月4日午前11時32分、三村政司撮影
近畿大の入学式を演出し、自らギターで校歌も演奏するつんく♂さん(中央)=東大阪市で2015年4月4日午前11時32分、三村政司撮影

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