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第一原発汚染雨水 月内にも港湾内へ 排水路工事、東電が公開

 東京電力は3日、福島第一原発で汚染雨水が港湾外の海に流れていた排水路と、港湾内に流れる別の排水路をつなぐ工事箇所を公開した。東電は、水をくみ上げる仮設ポンプなどの整備が進み、月内には排水先を港湾内に移せるとの見通しを示した。さらに、抜本的な対策として平成27年度内に、問題となった排水路の配管ルートを変え、港湾内に排水する計画を明らかにした。
 仮設ポンプは8台ある。くみ上げた水は排水移送ラインを経由し、港湾内につながる排水路に合流する。その後、シルトフェンスなど海洋汚染を防ぐ対策やモニタリングが行われている港湾内に排水する。東電によると最大で毎時1700トンの水をくみ上げられるという。
 県は3日、東電などと結んだ安全確保協定に基づき、福島第一原発を立ち入り調査した。汚染水の処理状況を確認した樵隆男危機管理部長は「まだまだ課題は多いが、東電、国と連携し、対策を進めたい」と話した。


■「説明責任果たして」 県、東電に要望

 3日に東京電力福島第一原発を立ち入り調査した県の樵隆男危機管理部長は同原発の小野明所長と面会し、全ての放射線測定値を公表するとした東電の方針に対し、「情報を提供するだけではなく、説明責任も果たしてほしい」と要望した。小野所長は「しっかり情報発信する」と応じた。
 県からは樵部長の他、菅野信志原子力安全対策課長らが臨んだ。汚染雨水の排水路の仮設ポンプ設置工事状況などを確認したほか、東電の担当者から今後の汚染水対策について説明を受けた。
 免震重要棟の緊急時対策室では社員らに対して感謝の意を伝えるとともに、「福島の復興には皆さんの力が必要不可欠」と激励した。
 視察を終えた樵部長は「(廃炉作業は)進んだ点もあれば、新たな課題が見つかった点もある。県として労働者の安全管理にも目を向けていきたい」と話した。

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排水移送ラインを確認する樵部長(左から2人目)=3日午後2時20分ごろ(本社写真報道部長・猪俣広視撮影)
排水移送ラインを確認する樵部長(左から2人目)=3日午後2時20分ごろ(本社写真報道部長・猪俣広視撮影)
小野所長(右)に情報公開と説明の徹底を要望する樵部長(左)=3日午後1時20分ごろ(本社写真報道部長・猪俣広視撮影)
小野所長(右)に情報公開と説明の徹底を要望する樵部長(左)=3日午後1時20分ごろ(本社写真報道部長・猪俣広視撮影)

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