牧内昇平、佐藤秀男
2015年4月3日23時07分
国会に提出された労働基準法などの改正案には、「残業代ゼロ」制度だけでなく、裁量労働制の範囲拡大も盛り込まれた。長時間労働を抑える仕組みも加わってはいるが、働きすぎを防げるのか、なし崩しに対象範囲が広がらないか、不安の声は多い。
「裁量なんて何の意味もない。サービス残業のための制度でしかない」
ITシステム開発大手で働く神奈川県の50代男性は憤る。裁量労働制のシステムエンジニア(SE)だ。
多忙を極めた昨年は、毎朝9時の会議に出ることが義務だった。顧客への報告や打ち合わせもあり、退社は毎晩10時ごろ。会社は「出退勤の時間は自己判断」とするが、朝から晩までがんじがらめだった。国が示す「過労死ライン」の月80時間を超える残業が数カ月続いたという。
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