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 韓国・済州島で1948年に起きた軍や警察による住民虐殺、「4・3事件」から67年となる3日、島の中部にある平和公園で犠牲者らを追悼する式典が開かれた。遺族のほか、李完九(イワング)首相や与野党の代表ら約1万人が参列して悼んだが、遺族らの心の傷はなお深い。

 日本の植民地支配から解放され、米軍政下にあった48年4月、朝鮮半島南部だけでの総選挙に反対する左翼勢力が武装蜂起。その鎮圧を名目に無関係の住民が軍や警察に捕らえられ、厳しい拷問を受けたり、処刑されたりした。犠牲者は確認されているだけで1万4千人を超える。

 軍事独裁政権が続く中で実相は長らくベールに包まれたままだったが、金大中(キムデジュン)政権になって真相の究明が本格的に動き出し、2003年には当時の盧武鉉(ノムヒョン)大統領が「過去の国家権力の過ちに対し、大統領として遺族と島民に心からおわびする」と、初めて公式に謝罪した。